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第三十三章 二年生
千二百三十話 授業開始と新入生
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入園式も無事に終わり、今日から二年生としての授業も開始します。
Aクラスの面々は入れ替えがなく、全員が無事に同じクラスになりました。
「お兄ちゃん、二年生になったらどんなことをするの?」
僕の席の周りにはいつものメンバーが集まっていて、リズがスラちゃんを抱きながら僕に質問してきました。
エレノアなども、どんなことをするのって思っているみたいですね。
「二年生は、一年生と同じく基礎勉強が基本だよ。校外学習も少し増える予定で、王都郊外に作った衛星都市の見学も予定しているはずだよ。後は、農業実習もやる予定だね」
「おお、何かを作るんだね。どんなものを作るのかな?」
僕が話したのはあくまでも入園式の際に配られたパンフレットに記載してあった内容だし、細かいところは先生に聞かないと分からないなあ。
でも、リズやエレノアなどはそれだけ聞けば満足って表情をしていました。
「ただ、ルーカスお兄様の結婚式もあって、剣技大会などは時期をずらして行う予定だね。再度日程調整になって、確かもう直ぐ行われるはずだよ」
「「あー……」」
王国に取って今年最大のイベントでもあるルーカスお兄様の結婚式に対応するため、今年は学園もイベントなどをずらして結婚式前後は何もイベントがないようにするそうです。
そして、ルーカスお兄様の結婚式前後は学園も休校になります。
しかし、僕たちは逆にとても忙しくなるのは確定していて、特にリズとエレノアは遠い目をしていました。
「何にせよ、ルーカスお兄様の結婚式を無事に終わらせるのが一番の優先事項だよ。聖女譲渡の儀式にも参加しないといけないし、二ヶ月くらいは僕たちは忙しくなるだろうね」
「「はあ……」」
なんだかんだ言ってリズとエレノアは堅苦しいイベントが好きじゃないから、色々な予定を思い出して思わず溜息をついていました。
とはいえ、王族と関係者なのだからそういう式典にはちゃんと出ないと駄目ですよ。
ガチャ。
「皆さん、席に着いてください」
「「「はーい」」」
そして、今年も僕たちの担任を務めるユーリカ先生が教室に入ってきました。
ユーリカ先生はリズやエレノアも制御できる数少ない先生なので、僕としても非常に助かります。
みんなが席についたところで、ホームルームが始まりました。
「皆さん、おはようございます。今日から本格的に二年生としての授業が始まります。今年の一年生は優秀な皆さんに憧れて入学してきた人が多いので、皆さんも一年生のお手本になるように勉学に励みましょう」
「「「はい!」」」
ユーリカ先生の言葉に、クラスの全員が元気よく返事をします。
イヨのいる一年Aクラスは平均的に高い学力で、イヨみたいに飛びぬけて凄い人は少ないです。
ユーリカ先生曰くこれが普通らしく、僕たちのクラスみたいに飛びぬけて凄い人が何人もいるのはとても珍しいそうです。
あと、一年生は憧れの双翼の天使様と同じ学園に通えると言う人が多く、エレノアや他の人たちにも憧れを持っているそうです。
何だかこそばゆいけど、悪意を持たれるよりもずっと良いですね。
こうしてホームルームも無事に終わり、授業が始まりました。
「もぐもぐ、流石に今日は人がいっぱいだね」
昼食の時間になったので、僕たちは食堂に移動していつもの定食を食べています。
今日は午後も授業があり、食堂は多くの学生で溢れ返っていました。
リズとスラちゃんはお肉定食の大盛りを頼んでいて、エレノアや他の人はパスタやサンドイッチなど頼んでいました。
リズはお肉を頬張りながら食堂を眺めていて、ふとある集団が近づいてくるのに気が付きました。
「やっほー」
「あれ? イヨちゃんたちもこっちに来たんだ」
「みんなと来た」
相変わらずのイヨが、クラスメイトを引き連れて僕たちのところにやってきました。
ちょうど食事を食べ終えた人がいてテーブルが空いていたので、イヨたちが座るには問題ありません。
でも、イヨ、ミリア、ワーナー君は僕たちに普通に話かけているけど、他の人たちは僕たちと一緒でそわそわしていますね。
「そ、その、一緒に食事してもいいですか?」
「憧れの双翼の天使様だけでなく、二年生の優秀な方がいますので……」
イヨのクラスメイトは、もじもじしながら僕たちに同席の許可を取ってきました。
かなり遠慮がちな態度だけど、僕たちと一緒になって緊張しているのもありそうです。
「全然大丈夫だよ。一緒に食べようね」
「遠慮しなくていいの。歓迎するよ」
「「「ほっ……」」」
リズとエレノアがニコニコしながら新入生を歓迎したので、意を決して話しかけた新入生は思わずホッとしていました。
僕たちに限らず、先輩に話しかけるだけでも緊張ものだもんね。
「ワーナー、女子に囲まれてデレデレ」
「おい、おかしなことを言うな!」
イヨとワーナー君のいつものやり取りは、全く気にしなくても良いですね。
ミリア曰く、教室でもこんな感じでやりあっているそうです。
でも、お陰でクラスメイトも緊張しなくて済んでいるそうです。
こうして、大人数での昼食は進んで行きました。
午後も、授業中に眠くならないように頑張らないといけないね。
Aクラスの面々は入れ替えがなく、全員が無事に同じクラスになりました。
「お兄ちゃん、二年生になったらどんなことをするの?」
僕の席の周りにはいつものメンバーが集まっていて、リズがスラちゃんを抱きながら僕に質問してきました。
エレノアなども、どんなことをするのって思っているみたいですね。
「二年生は、一年生と同じく基礎勉強が基本だよ。校外学習も少し増える予定で、王都郊外に作った衛星都市の見学も予定しているはずだよ。後は、農業実習もやる予定だね」
「おお、何かを作るんだね。どんなものを作るのかな?」
僕が話したのはあくまでも入園式の際に配られたパンフレットに記載してあった内容だし、細かいところは先生に聞かないと分からないなあ。
でも、リズやエレノアなどはそれだけ聞けば満足って表情をしていました。
「ただ、ルーカスお兄様の結婚式もあって、剣技大会などは時期をずらして行う予定だね。再度日程調整になって、確かもう直ぐ行われるはずだよ」
「「あー……」」
王国に取って今年最大のイベントでもあるルーカスお兄様の結婚式に対応するため、今年は学園もイベントなどをずらして結婚式前後は何もイベントがないようにするそうです。
そして、ルーカスお兄様の結婚式前後は学園も休校になります。
しかし、僕たちは逆にとても忙しくなるのは確定していて、特にリズとエレノアは遠い目をしていました。
「何にせよ、ルーカスお兄様の結婚式を無事に終わらせるのが一番の優先事項だよ。聖女譲渡の儀式にも参加しないといけないし、二ヶ月くらいは僕たちは忙しくなるだろうね」
「「はあ……」」
なんだかんだ言ってリズとエレノアは堅苦しいイベントが好きじゃないから、色々な予定を思い出して思わず溜息をついていました。
とはいえ、王族と関係者なのだからそういう式典にはちゃんと出ないと駄目ですよ。
ガチャ。
「皆さん、席に着いてください」
「「「はーい」」」
そして、今年も僕たちの担任を務めるユーリカ先生が教室に入ってきました。
ユーリカ先生はリズやエレノアも制御できる数少ない先生なので、僕としても非常に助かります。
みんなが席についたところで、ホームルームが始まりました。
「皆さん、おはようございます。今日から本格的に二年生としての授業が始まります。今年の一年生は優秀な皆さんに憧れて入学してきた人が多いので、皆さんも一年生のお手本になるように勉学に励みましょう」
「「「はい!」」」
ユーリカ先生の言葉に、クラスの全員が元気よく返事をします。
イヨのいる一年Aクラスは平均的に高い学力で、イヨみたいに飛びぬけて凄い人は少ないです。
ユーリカ先生曰くこれが普通らしく、僕たちのクラスみたいに飛びぬけて凄い人が何人もいるのはとても珍しいそうです。
あと、一年生は憧れの双翼の天使様と同じ学園に通えると言う人が多く、エレノアや他の人たちにも憧れを持っているそうです。
何だかこそばゆいけど、悪意を持たれるよりもずっと良いですね。
こうしてホームルームも無事に終わり、授業が始まりました。
「もぐもぐ、流石に今日は人がいっぱいだね」
昼食の時間になったので、僕たちは食堂に移動していつもの定食を食べています。
今日は午後も授業があり、食堂は多くの学生で溢れ返っていました。
リズとスラちゃんはお肉定食の大盛りを頼んでいて、エレノアや他の人はパスタやサンドイッチなど頼んでいました。
リズはお肉を頬張りながら食堂を眺めていて、ふとある集団が近づいてくるのに気が付きました。
「やっほー」
「あれ? イヨちゃんたちもこっちに来たんだ」
「みんなと来た」
相変わらずのイヨが、クラスメイトを引き連れて僕たちのところにやってきました。
ちょうど食事を食べ終えた人がいてテーブルが空いていたので、イヨたちが座るには問題ありません。
でも、イヨ、ミリア、ワーナー君は僕たちに普通に話かけているけど、他の人たちは僕たちと一緒でそわそわしていますね。
「そ、その、一緒に食事してもいいですか?」
「憧れの双翼の天使様だけでなく、二年生の優秀な方がいますので……」
イヨのクラスメイトは、もじもじしながら僕たちに同席の許可を取ってきました。
かなり遠慮がちな態度だけど、僕たちと一緒になって緊張しているのもありそうです。
「全然大丈夫だよ。一緒に食べようね」
「遠慮しなくていいの。歓迎するよ」
「「「ほっ……」」」
リズとエレノアがニコニコしながら新入生を歓迎したので、意を決して話しかけた新入生は思わずホッとしていました。
僕たちに限らず、先輩に話しかけるだけでも緊張ものだもんね。
「ワーナー、女子に囲まれてデレデレ」
「おい、おかしなことを言うな!」
イヨとワーナー君のいつものやり取りは、全く気にしなくても良いですね。
ミリア曰く、教室でもこんな感じでやりあっているそうです。
でも、お陰でクラスメイトも緊張しなくて済んでいるそうです。
こうして、大人数での昼食は進んで行きました。
午後も、授業中に眠くならないように頑張らないといけないね。
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