女子切腹同好会

しんいち

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37 遺体の処理と、その後

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「ところで、この遺体はどうなるのですか?」

 それがとっても気になります。変に見つかって事件になれば、困ったことになるのです。
 目の前には血みどろで内臓が抜かれて首も斬られた惨殺体があるのですし、その首を斬ったのは、私だし…。

「大丈夫よ。後は事務局の仕事。気にしなくて良いわ」

「いや、そうなんですけど…。どう処理されるのか、お二人は気にならないんですか?」

「さっき、教えてもらったわよ。肥料になるんですって」

「ひ、肥料?!」

 肥料って、どういうこと??

「特別の施設でドロドロに腐らせて、この丘の木の肥料にするみたい。骨の部分は加熱処理して、これもカルシウム肥料。完全に自然に返しちゃうのね」

「そ、そんな…。じゃあ、切腹後のお二人も…」

「あ、いや、切腹した者の遺体は、特別扱いされるみたい。でも、具体的にどうされるのかは教えてもらえなかったけどね」

 特別扱い? それって、どういうことなんだろう。でも、実際に切腹する二人にも知らされないこと。切腹しない私になんか、教えてもらえるはずありません。


 さて、片づけをして、私たちは速やかに会館を出なければなりません。直ぐに遺体処理班が来るからです。終了した連絡は、部屋のボタンを押すだけ。押したら15分以内に会館を出ないといけないのです。
 会館を出てからは会話も無く分かれ、帰宅しました。



 私たち三人は、人を一人殺してしまいました。殺人です。ニュースになったりしないかとテレビや新聞を気にしていますが、特に何も報道されません。

 あの人、なんでスパイになんかなったのでしょうね。警察関係者では無かったみたいです。
 悪を暴くための正義感?それとも、なにか理由があった?
 まあ、私には、どうでも良いことですね。
 世の中には知らなくて良いコトってのがあるんです。知らぬが花。
 余計なことを知ろうとしたために、苦しんで死ぬことになったスパイさん。あなたが悪いんですよ。…なんて、私も気を付けなきゃね。事務局のことは、詮索してはいけない。

 それに、そもそも、なんで人を殺しちゃいけないのかな?
 戦争なんかでは、たくさん殺せば英雄ですよね。
 法律で決まってるからって、なんでそんなこと決めた?

 まあ、いつ殺されるか分からない状態ってのは怖いし、それじゃあ安心して社会生活営めません。皆が安心して暮らすためには「人を殺してはいけない」というルールは当たり前です。
 そうしないと、自分だって殺されちゃう可能性ありますからね。殺されたくなければ、殺しちゃいけないってことです。
 じゃあ、自分が死ぬことを何とも思っていない人にとっては、殺人なんて、別に大したことでは無いのかもしれませんね。美紀さんや夏実さんは、多分そうなんでしょう。
 彼女たちはもうすぐ切腹して死んでしまうのですもんね。他人の命を奪うことに関しても、それほど罪悪感も無いのかもしれません。

 私は……。

 そう、あの人を直接殺したのは私だし!
 おまけに夏実さんと美紀さんの首を斬り落とすのも私…。私、既に一人殺し、追加であと二人殺すことになるんだ……。

 人を殺せば、自分も殺されても何の文句も言えない。逮捕されちゃえば、死刑よね。
 死刑ってたしか、首つりだったっけ。首にロープ掛けて、ぶら提げられる…。
 そんな無粋な死に方、嫌だな。
 どうせ死ぬなら、自分で。
 自分で自分の内臓を出して死ぬって素敵よね。…内臓フェチとしてはね。

 切腹か…。

 私も、しようかな……。
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