4 / 11
親友
しおりを挟む
着替えを半分ほど終えた頃、親友の勝が迎えに来たらしい。まだかかるだろうから上がっていきなと母さんが言っているのが聞こえた。
とりあえず髪を軽く乾かせば出られるだろうと、いつも通りにドライヤーで髪を乾かし始めた俺の元に勝がやって来た。
「おはよ。今から乾かすのかよ。まぁ髪切ってるしそんなかからんか。」
そう言って俺からスッとドライヤーを取り上げて勝手に乾かし始めた勝にぽかんとしてしまった。
「どうしたよ。可愛い顔して。」
勝の言葉の意味が分からず更にポカンとしていると、髪を乾かし終わったようでサラサラだねなどと言いながら俺の髪を触っている。
「なんか変なもん食ったんか?」
こいつはこんな事言う奴じゃないと思い聞いたものの、
「なわけ。可愛いから可愛いって言ったんだよ。しんは俺のこと変だと思ってるんだろうけどさ、普通にしんが可愛いだけなんよ。」
なるほど、隠しているとはいえ、こいつはかなり分かり易いαだ。もしかしたら同じα以外なら多少可愛く見えるフィルターかなんかがかかってるのかもしれない。
そう思ってとりあえずそっかと気のない返事だけして軽くワックスをつけようとワックスを洗面所の戸棚から出すと、勝によって阻止された。
「そんな時間ないだろ。それにしんの髪ならそのままでも様になってるって。な?」
こいつ、今日はなんかおかしい。普段からペタペタ触ってくる事はあったものの、髪型など容姿に関しては口出ししてくる事はなかったし、ついこの前まではずっと母さんと喋ってて、おれの髪を乾かしてくれるなんて事なかった。
「お前まじでどうしたよ?なんかキモいぞ。」
心底不思議でそう言うと、
「キモいとか酷すぎな。もうそろ出ないとやばいしさ、早く行こ。」
そう言っておれの手を引いて荷物を置いてあるリビングへと向かった。
「「いってきます。」」
「二人ともいってらっしゃい。新、準備したらお父さんと向かうから。」
そう言ってドアを閉めながら手を振った母さんに手を振り返して学校へ向かった。
「なぁ、しんは何選んだ?」
唐突に聞かれて何のことだとキョトンとしていると、
「だから、可愛い顔してどうしたよ。今日ずっと可愛いな。」
勝のフィルターは相当強いらしい。生まれてこの方可愛いなんて言われた事はないはずなので、こいつはおれとは違うものが見えてるか、自分より小さければ可愛く見える様なフィルターでもかかってるんだろう。
「何選んだって主語なきゃわかる訳ないだろ。」
「えー俺はしんが何の事言ってるかくらいは普通にわかるんだけどなぁ?まぁいいや。理科と芸術だっけ?あれの選択だよ。俺は化学、あ!ばけがくの方な。で、第一希望は美術の第二希望は音楽な!正直何もしたくねぇけど選ばなきゃなんないからマシな順て感じだな。しんは?」
「おれは生物。第一が書道で第二が美術かな。おれもマシな順でえらんだわ。」
マシだと思っただけで書道なんて小学校での書き初めしかしたことないけどな。
「書道が第一とか笑
しんは書き初めしかした事ないだろ笑。」
正にそうなのだが、美術や音楽はこれまでの人生で嫌になる程受けてきた。特に音楽なんて真面目に受けられないくらいにはふざけ倒してきたのだ。選ぼうなんて思えない。
「でもさ、音楽よりはマシじゃね?歌わされたらおれたぶん1しか取れないと思うし。」
「たしかに音楽だったらしんは真面目にできないだろうしな。」
そんな感じの会話をしながら高校まで歩きとバスを使い、おれの家から30分程でこれからおれ達が通う高校、翠鳳高校に着いたのだった。
とりあえず髪を軽く乾かせば出られるだろうと、いつも通りにドライヤーで髪を乾かし始めた俺の元に勝がやって来た。
「おはよ。今から乾かすのかよ。まぁ髪切ってるしそんなかからんか。」
そう言って俺からスッとドライヤーを取り上げて勝手に乾かし始めた勝にぽかんとしてしまった。
「どうしたよ。可愛い顔して。」
勝の言葉の意味が分からず更にポカンとしていると、髪を乾かし終わったようでサラサラだねなどと言いながら俺の髪を触っている。
「なんか変なもん食ったんか?」
こいつはこんな事言う奴じゃないと思い聞いたものの、
「なわけ。可愛いから可愛いって言ったんだよ。しんは俺のこと変だと思ってるんだろうけどさ、普通にしんが可愛いだけなんよ。」
なるほど、隠しているとはいえ、こいつはかなり分かり易いαだ。もしかしたら同じα以外なら多少可愛く見えるフィルターかなんかがかかってるのかもしれない。
そう思ってとりあえずそっかと気のない返事だけして軽くワックスをつけようとワックスを洗面所の戸棚から出すと、勝によって阻止された。
「そんな時間ないだろ。それにしんの髪ならそのままでも様になってるって。な?」
こいつ、今日はなんかおかしい。普段からペタペタ触ってくる事はあったものの、髪型など容姿に関しては口出ししてくる事はなかったし、ついこの前まではずっと母さんと喋ってて、おれの髪を乾かしてくれるなんて事なかった。
「お前まじでどうしたよ?なんかキモいぞ。」
心底不思議でそう言うと、
「キモいとか酷すぎな。もうそろ出ないとやばいしさ、早く行こ。」
そう言っておれの手を引いて荷物を置いてあるリビングへと向かった。
「「いってきます。」」
「二人ともいってらっしゃい。新、準備したらお父さんと向かうから。」
そう言ってドアを閉めながら手を振った母さんに手を振り返して学校へ向かった。
「なぁ、しんは何選んだ?」
唐突に聞かれて何のことだとキョトンとしていると、
「だから、可愛い顔してどうしたよ。今日ずっと可愛いな。」
勝のフィルターは相当強いらしい。生まれてこの方可愛いなんて言われた事はないはずなので、こいつはおれとは違うものが見えてるか、自分より小さければ可愛く見える様なフィルターでもかかってるんだろう。
「何選んだって主語なきゃわかる訳ないだろ。」
「えー俺はしんが何の事言ってるかくらいは普通にわかるんだけどなぁ?まぁいいや。理科と芸術だっけ?あれの選択だよ。俺は化学、あ!ばけがくの方な。で、第一希望は美術の第二希望は音楽な!正直何もしたくねぇけど選ばなきゃなんないからマシな順て感じだな。しんは?」
「おれは生物。第一が書道で第二が美術かな。おれもマシな順でえらんだわ。」
マシだと思っただけで書道なんて小学校での書き初めしかしたことないけどな。
「書道が第一とか笑
しんは書き初めしかした事ないだろ笑。」
正にそうなのだが、美術や音楽はこれまでの人生で嫌になる程受けてきた。特に音楽なんて真面目に受けられないくらいにはふざけ倒してきたのだ。選ぼうなんて思えない。
「でもさ、音楽よりはマシじゃね?歌わされたらおれたぶん1しか取れないと思うし。」
「たしかに音楽だったらしんは真面目にできないだろうしな。」
そんな感じの会話をしながら高校まで歩きとバスを使い、おれの家から30分程でこれからおれ達が通う高校、翠鳳高校に着いたのだった。
11
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
美澄の顔には抗えない。
米奏よぞら
BL
スパダリ美形攻め×流され面食い受け
高校時代に一目惚れした相手と勢いで付き合ったはいいものの、徐々に相手の熱が冷めていっていることに限界を感じた主人公のお話です。
※なろう、カクヨムでも掲載中です。
愛しい番に愛されたいオメガなボクの奮闘記
天田れおぽん
BL
ボク、アイリス・ロックハートは愛しい番であるオズワルドと出会った。
だけどオズワルドには初恋の人がいる。
でもボクは負けない。
ボクは愛しいオズワルドの唯一になるため、番のオメガであることに甘えることなく頑張るんだっ!
※「可愛いあの子は番にされて、もうオレの手は届かない」のオズワルド君の番の物語です。
※他サイトでも連載中
2026/01/28 第22話をちょっとだけ書き足しました。
【BL】無償の愛と愛を知らない僕。
ありま氷炎
BL
何かしないと、人は僕を愛してくれない。
それが嫌で、僕は家を飛び出した。
僕を拾ってくれた人は、何も言わず家に置いてくれた。
両親が迎えにきて、仕方なく家に帰った。
それから十数年後、僕は彼と再会した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる