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入学式
しおりを挟む「りょうも4組なら勝ちだな!もし隣ならついでに勉強教えてくれ!」
「俺よりも隣にいる人にお願いしたらー?笑」
そう言って勝とおれをからかうりょうの真後ろに、人が来た。
「君はりょうって言うんだね。僕は悟って言うんだけど、僕と付き合わない?」
俺らどころか周辺の皆が驚いているというのに、悟?はニコニコとしてりょうの返事を待っているように見える。
おれがりょうを見てみると、強張った様な顔をしていた。表情的に介入した方が良さそうかなと思って間に割って入った。
「えっと、悟くんって呼んでも良いかな?悟くんはさ、なんでりょうに、了平に声をかけたのかな?」
そう言ったぼくを心底嫌そう顔で見ながら
「僕はりょうと話してるんであって、君とは話してないよ。そもそも君みたいな奴に名前で呼ばれたくないんだけど。」
コイツ、ケンカ売ってるな?そう思ったものの、すぐ挑発に乗るなと母さんに言われているので、一旦落ち着こうと一呼吸していた時だった。
「…お前、馬鹿だろ。」
そう言ったのは勝だった。いつもならおれを宥める役目をしてるのに。
「は?お前だれだよ。」
「お前こそ誰だよ。お前が了平に名前しか言わねえんだから俺らはお前の名前しか知らねえわけよ。そもそも初対面で付き合わない?ってお前馬鹿だろ。それも俺らが話してる最中に。その上、了平の親友である新にケンカふっかけて。馬鹿以外に何があるよ。」
悟?は一瞬バツが悪そうな顔をしたものの、正論を言われた事でよっぽど腹が立ったのか、さらにケンカを売るような事を言って来た。
「りょうの親友だったのか。なら謝るよ。僕は笹本悟だよ。りょうは悟くんって呼んでね。お前らは笹本って呼べよ。」
「お前さ、本物の馬鹿だろ。それめっちゃ印象悪いぞ。」
おれがそう忠告してやってると、
「勝くんありがとう。ちょっと俺は関わりたくないから隠して。」
りょうはそう言って勝の後ろに隠れてしまった。
「おいこらりょうに何してんだ「そろそろ説明始めるから全員教室に入れー。」」
タイミングが良いと言えばいいのか、先生達が数人やって来て、廊下にいる生徒に教室に入るよう促した。
「お前らケンカか?そんな事してるヒマあったら教室入れ。お前は何組だ?4組か?ならこれ配っとけ。」
先生の言葉におれとりょうが頷くと、入学式の簡単な流れと、注意点等が書かれた紙を渡された。
笹本は別のクラスらしく、しっしっと先生にされて教室に向かいながら言った。
「りょう、また後でね!」
おれとりょうは顔を見合わせてげんなりした。
「じゃあ俺も行くな。しんは怒り抑えられて偉かったな。また後で話そう。」
そう言って俺の頭を軽く撫でてから、勝は自分のクラスへと向かって行った。
思ってたよりは長くなかった入学式が終わり、教室に戻ったら、ちょっと待っとけと言って担任が教室から出て行った。
りょうの予想通り、おれとりょうは隣の席だった。
「にしてもさ、勝くんなんか変わったね。なんか、しんに甘くなってる。」
「なんか、可愛いフィルターみたいなんが搭載されたみたい。おれにすら可愛いとか言ってた。」
「何言ってるの?しんは可愛いよ?俺、自信なくなりそうだもん。」
りょうまでおかしくなったのか?
「…りょうまでおかしくなったのか?」
思わず心の中で思ったそのままが出てしまった。今までりょうの前でだけは取り繕ってきた、どこか大人っぽいカッコいいおれ像を崩してしまった。
そう思いながらりょうを見たが、りょうはいつもと変わらない。よかった。内心ほっとしたおれに
「やっぱしんってさ、カッコいいよね。」
そう言ってりょうはおれから視線を外し、前を向いた。
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