あなたのいない世界に私は生まれた

 西暦2051年12月上旬。
 レイヤー聖台高等学校2年生の横澤穂花は、母である智美と穏やかな日々を送りながらも、心のどこかで言いようのない違和感を抱いていた。
 優しく、何不自由なく育ててくれたはずの母――
 けれど穂花は、『この人だけじゃない』という感覚を拭えずにいる。

 自分を見守っている“もう一人の誰か”。
 声も姿も思い出せないのに、確かに存在している気配。
 それが母なのか、記憶なのか、あるいはただの思春期の錯覚なのか――
 穂花自身にも分からない。

 そんなある日、学校で囁かれている都市伝説を耳にする。

 “世界を見守る守り神”

 人知れずこの世界を監視し、迷える者の問いに応える存在がいるという噂。

 真実を知りたい。
 自分が感じているこの違和感の正体を確かめたい。
 穂花は、誰にも打ち明けられない想いを胸に、その“守り神”に会いに行くことを決意する。

 ――その選択が、世界の秘密と、彼女自身の出生の真実を揺るがすことになるとも知らずに。

 人々のそれぞれの愛情を紡ぐ『あな生き』シリーズ最終章、始動!
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