ポケットのなかの空

三尾

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DAY4

27

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 通信機能Wi-Fiを搭載していて、AIスピーカーから操作するタイプが多い。AIスピーカーの製造元である巨大IT企業プラットフォーマーが、自社技術を無償公開したり、低価格な開発キットを提供したりすることで、こうしたIoTデバイスの開発を支援しているためだ。
 音声操作家電を開発するなら、その潮流に乗るかいなかの選択をまず求められる。乗れば開発コストは削減できるし、一定の汎用性も確保できるが、国内メーカーの対応は様々だ。
 思わずそんな蘊蓄うんちくを延々と水元に語りたくなったが、今はほかに相手と話さなければならないことがあったのと、「そこまでコーヒーメーカーに詳しいのに、どうしてアイスコーヒーの作り方は知らないんだ?」というツッコミが来そうだったので、響野はほどほどのところで切り上げた。
 文字通りのコーヒータイムを取りながら、水元は、先ほどの内定先に一週間ほど返事を待ってもらうことにしたと言った。
「明日で最後だから、それまでは職探しに集中しようと思って」
 友人がソファテーブルの上のグラスを持ち上げると、中の氷がカラカラと鳴るのが聞こえる。
 ふたりとも、今はL字型をしたソファの長辺と短辺にそれぞれ腰かけていた。水元の声も、氷の音も、響野の座っている位置からは十分に遠い。心臓が勝手に騒ぎ出したりしない距離だ。


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