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2人で見た夕焼け 勇者side
しおりを挟む「一応確認なんだけど。俺がこの旅に出ている間、王都で何か起きたりしないよね?」
勇者の問いかけに、先程まで満面の笑みを浮かべていたユウフェの表情は瞬時に固まってしまった。
「……」
「……」
「……」
2人の間を風が吹き抜け、そよそよと髪を揺らしていた。
返答を待ち続ける勇者の眼差しを受けて、何とか笑みを維持している様子で、心なしか少し青くなり、その挙動は心の焦りが透けて見えるようだった。
暫くしてから何を思い立ったのか、ユウフェは徐にコクリと頷いた。
「も、勿論王都は、、
あの、す、数百年もの間。
魔物が来たこと無かったでは無いですか」
(嘘つくの、苦手そうだと思ってたけど。
ここまでとはなぁ…)
動揺が声にも滲み出ていた。
「ー…だけど、最近。
王都周辺に位置する、ユウフェの住んでいた公爵領は魔物被害を受けただろ?
数百年間、王都周辺では魔物被害が無かったと言うのに」
「あれは、たまたまで…」
「なら、たまたま魔物が王都に入れてしまうのも不思議じゃない…」
「ど、どうして急にそのような事を心配されるのですか…。そんな。
ま、まぁ。確かに。そう言うのを聞くと
絶対ないとは言えないかもですが…」
「……」
ユウフェがあたふたとしている中、じっと見つめて来る勇者に対して何故か言い訳を探しているせいか
先程まではブレない瞳で目を逸らさないようにしていた視線が途端に泳ぎ出した。
そして、何かを閃いたように、ポン!と手をついた。
「あ、いやでも!
実は、極秘事項なんですが…
王都には魔物や魔王が入らないよう
数百年前に賢者様が張った結界があります。
だから、魔物は王都に入れません!」
それは勇者とて知っている。
だが、ユウフェの住んでいた公爵領が、結界の外であったとは言っても。
結界の放つ邪気払いの臭いにより、王都周辺にあるどの領地にも魔物は数百年間近付が無かった。
それが、突如襲われたのだ。
加えて、勇者がひっかかっているのが、魔王の手下であるダークが結界の中に入れていたという事実。
そして何より、ダークに会ってからのユウフェの様子がやはりおかしい。
(ー……)
「ー・わかった。
なら安心だね」
勇者の言葉に、ユウフェはホッとした様子で胸を撫で下ろした。
「はい、王都の留守は私にお任せください。
それよりも
勇者様が経験する次の旅は、東の魔王を倒す為にとても重要なんです!
ヒロインのスキルがレベルアップするイベントや、魔王に辿り付くために必要な情報を得られます。
…沢山、危ない事もあるかも知れませんが…」
「うん」
「どうか、お気を付けて…今回も旅のサポートグッズを用意おきますね!」
「ー…うん」
「…?どうかいたしましたか?」
「…いや。俺は、ユウフェがいないとダメかもなって」
冗談めかして言った勇者の言葉が余程嬉しいのか、それとも夕焼けによるものか。
ユウフェは照れながらも満面の笑みを浮かべて、頬を真っ赤にさせていた。
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