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524 何もない
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探索者組合を出たルキアス達はダンジョンの下見だ。今日は見るだけで探索はしない。
町の中央、ダンジョン周辺は円形広場となっているが、その中央を貫いて南北に町を完全に分断する壁のせいで半円にしか見えない。探索者組合は円形広場の畔に在ることもあり、この壁は堤防の階段を下る時から視界に入ってはいた。だが改めて近付いて見れば異様さが際立っている。
「仲悪そうだな」
「組合での説明も少しおかしかったよね」
探索者組合は東西のエリアそれぞれに在るが、一方に登録したらもう一方には登録できないのだと説明されていた。
「組合が分かれているのも、片方にしか登録できないのもおかしな話だね。登録は阻止できないから有名無実なルールだよ」
フヨヨンの話は一般論的なものだ。ルキアスは西側の組合への登録は考えていないので意図せずルールを守ることになる。
ダンジョンは円形広場の中心に近い階段を下りた「地下」に在る。階段は雨水が流れ込むのを避けるため、一段高くなった所から下っていて、その先はダンジョンの入口から若干離れた場所に繋がっている。
地下に下りてみればダンジョン周辺は町の大きさに比べて酷く狭い。構造上、町の大きさに等しい大空洞が在る筈だが、直ぐ先を壁で仕切られていて大部分が立ち入り禁止にされている。立ち入れるのは元々島のように水面の上だった範囲だけだ。
「向こうの階段を上ったら西側だね」
ダンジョン前を通り過ぎて真っ直ぐ進めば西側の町に出る階段に当たる。ただその階段を上ってしまうと、東に戻るにはまた階段を下りて上らなければならない。地上が通り抜けられないのは、東西の町の行き来の心理的障害だろう。
ルキアス達は西には行かずに東の階段を上った。
「帰るか」
「そうだね。何にも無いし」
探索者組合以外の建物も無ければ、探索者もルキアス達六人しか居ない。ここに居るのは組合職員が何人かの他は全て職人だ。
本来ならこのクリューの町自体、体裁が整うだけの建物を築いた後でオープニングセレモニーと共に公開されるものだろう。それを最小限の施設を建てただけで公開されたのだから、ルキアス達に便宜が図られたのが窺い知れる。
これはこれで新鮮な体験ではあるものの、ダンジョンに入らなければまるで何もする事が無いのもまた事実なのだ。
ルキアスが『傘』を差し、全員で乗って飛び立つ。
町を上空から見てみれば、南北に走る壁で物理的に真っ二つに分けられているのがはっきり判る。
「向こう側はまだ何も建ってねぇな」
西側には建築途中の建物はあっても、完成している建物が見当たらない。今暫くは公開されそうになかった。
町の中央、ダンジョン周辺は円形広場となっているが、その中央を貫いて南北に町を完全に分断する壁のせいで半円にしか見えない。探索者組合は円形広場の畔に在ることもあり、この壁は堤防の階段を下る時から視界に入ってはいた。だが改めて近付いて見れば異様さが際立っている。
「仲悪そうだな」
「組合での説明も少しおかしかったよね」
探索者組合は東西のエリアそれぞれに在るが、一方に登録したらもう一方には登録できないのだと説明されていた。
「組合が分かれているのも、片方にしか登録できないのもおかしな話だね。登録は阻止できないから有名無実なルールだよ」
フヨヨンの話は一般論的なものだ。ルキアスは西側の組合への登録は考えていないので意図せずルールを守ることになる。
ダンジョンは円形広場の中心に近い階段を下りた「地下」に在る。階段は雨水が流れ込むのを避けるため、一段高くなった所から下っていて、その先はダンジョンの入口から若干離れた場所に繋がっている。
地下に下りてみればダンジョン周辺は町の大きさに比べて酷く狭い。構造上、町の大きさに等しい大空洞が在る筈だが、直ぐ先を壁で仕切られていて大部分が立ち入り禁止にされている。立ち入れるのは元々島のように水面の上だった範囲だけだ。
「向こうの階段を上ったら西側だね」
ダンジョン前を通り過ぎて真っ直ぐ進めば西側の町に出る階段に当たる。ただその階段を上ってしまうと、東に戻るにはまた階段を下りて上らなければならない。地上が通り抜けられないのは、東西の町の行き来の心理的障害だろう。
ルキアス達は西には行かずに東の階段を上った。
「帰るか」
「そうだね。何にも無いし」
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本来ならこのクリューの町自体、体裁が整うだけの建物を築いた後でオープニングセレモニーと共に公開されるものだろう。それを最小限の施設を建てただけで公開されたのだから、ルキアス達に便宜が図られたのが窺い知れる。
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町を上空から見てみれば、南北に走る壁で物理的に真っ二つに分けられているのがはっきり判る。
「向こう側はまだ何も建ってねぇな」
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