生活魔法は万能です

浜柔

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525 どうしようか

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「さて、どうしようか?」

 ルキアス、ザネク、シャルウィはダンジョン第一階層入口前で輪になってしゃがみ込んでいた。
 タイラクやメイナーダに付いて回ってたのでは実力向上に繋がらないが、ベクロテの第三〇階層に相当するダンジョンを三人で探索するのも些かどころではなく危険だ。

「ゴリゴリに安全に行くなら他の探索者が集まってからだな」

 ダンジョンについてはまだ公式なアナウンスがされていない。公式なアナウンスと共にセレモニーが行われた時が正式オープンなら、今はまだ仮オープンの状態だ。正式オープンには後一ヶ月は掛かるだろう。
 当然の如く今現在登録している探索者はルキアス達六人だけとなっている。
 建築は遅れ勝ちになっているらしい。それと言うのも湿地と言う場所柄のこと、材料を地下に求められず、地上の建物用の石材やレンガなどは外部からの持ち込みに依存しているためだ。輸送量には限りがあるのでこれを超える建築はできなかった。

「暫くは遊んで暮らせるから、それもありよね」

 魔石が売れたのでシャルウィの懐にも余裕がある。怪魚から出た巨大魔石の代金ももう一ヶ月も待てば支払われる筈だ。この代金はシャルウィも含めた六人で山分けにするので一人一億ダール。贅沢しなければ二〇年、場合によっては一生暮らせるかも知れない。

「でも他の人が居ない間に、誰か周りに居たらできない事をしてみたいよね」
「例えばどんな?」
「『どんな?』と言われると困るけど……」

 ザネクはルキアスの具体性の無さにガクッと肩を落とした。

「あ、でも、ぼく達だけでここの魔物を倒せるかは試してみたいね」
「試すったってどうやって?」
「そうよ? 一体だけならまだしもわらわら来るじゃないの」
「一体だけ相手にしたらいいんだよ。ザネクの『大盾』なら壁際に一体だけ通れる隙間を空けられるでしょ」
「それだと俺がまともに動けないだろ」
「そこはザネクの技術を駆使して貰って……」
「難易度高ぇな!」
「思ったんだけど、『傘』に乗って上から攻撃したらいいんじゃない? ルキアスは銃で、ザネクは弓で、あたしは魔法で。そしたら安全でしょ?」
「あー、それは失念してたな。敢えて考えないようにしてたって言うか……」

 ザネクは頭を掻いた。第四階層の探索でそれをしていたせいで後々苦労したこともあるし、何より剣使いだから剣で戦いたい。

「ルキアスはどうだ?」
「楽をし過ぎたら後が怖い気もするけど、安全第一がいいよね」

 取り敢えずは『傘』に乗って狩りをすることで纏まった。
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