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526 狩りをする
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ただ、狩りをするにしても、単純に『傘』に乗るだけでは後から来る魔物に阻まれて魔石の回収ができない。魔石の回収をするなら安全確保が必要だ。そのためには魔物の殲滅、または魔物の接近の阻止、あるいはその両方を行うことになる。
だが殲滅は範囲を限定しない限り不可能なため、その範囲の限定に『大盾』も駆使することになった。
手順を確かめ合ったら実践だ。
ダンジョン第一階層の入口を入った場所は小部屋になっていて、正面と左に回廊が伸びている。この二つの回廊から出て来る魔物の動向を監視しやすく、『大盾』で仕切れば壁とで完全に隔離された空間を設けることも可能な右側の隅へと『傘』に乗って向かう。
砲台は探索者組合オープンに先立って撤去されていて、第一階層に入った直後の小部屋に魔物の姿は無い。
「来た」
小部屋の隅に達する前に魔物が正面の回廊から入って来た。直ぐに左の回廊からも入って来る。
魔物達は真っ直ぐルキアス達へと向かう。しかし飛べない魔物はルキアス達を見上げて腕を振り回すことしかできない。
「行くぞ」
ザネクが『大盾』を出して魔物を分断した。『大盾』を下に伸ばせるかが懸念としてあったのは、ぶっつけ本番で実行した後に気付いたことだ。
こうして仕切られた中には三体だけが入っている。魔物も密集しているので一体だけは不可能だった。もし一体だけを分断できたとしても、効率が悪すぎたであろう。
「俺は盾寄りのヤツをやる」
「ぼくは盾に向かって右」
「じゃあ、あたしは左ね」
それぞれに『傘』から身を乗り出して魔物を狙う。
今回の『傘』は地上を基点にする改良型、謂わば『傘・改』だからルキアスも『傘』の上で自由に動ける。通常の自らが基点になるタイプであれば、身体を傾けるだけで『傘』が微妙に動いてしまうので、こうはできない。
尤も、通常の『傘』の身体を傾ければ動いてしまう性質は高速飛行中の進路の微調整に最適なので用途の向き不向きがあるだけだ。
ルキアスは三〇弾で狙う。弾丸はベクロテまでフヨヨンを送り迎えする際に色々買い込んでいたので在庫は余裕だ。「外したらどうしよう」のようなプレッシャーは無い。
ただ三〇弾をほぼ真下に撃つのは初めての経験で、これに対する緊張はしてしまう。可能な限り膝撃ちの姿勢に近い恰好に構えて引き金を引く。
距離的には至近と言えるため、問題なく魔物に命中。魔物は沈黙した。
ザネクとシャルウィもルキアスと似たような撃ち難さを乗り越えつつ、そう間を置かずに魔物を沈黙させた。
だが殲滅は範囲を限定しない限り不可能なため、その範囲の限定に『大盾』も駆使することになった。
手順を確かめ合ったら実践だ。
ダンジョン第一階層の入口を入った場所は小部屋になっていて、正面と左に回廊が伸びている。この二つの回廊から出て来る魔物の動向を監視しやすく、『大盾』で仕切れば壁とで完全に隔離された空間を設けることも可能な右側の隅へと『傘』に乗って向かう。
砲台は探索者組合オープンに先立って撤去されていて、第一階層に入った直後の小部屋に魔物の姿は無い。
「来た」
小部屋の隅に達する前に魔物が正面の回廊から入って来た。直ぐに左の回廊からも入って来る。
魔物達は真っ直ぐルキアス達へと向かう。しかし飛べない魔物はルキアス達を見上げて腕を振り回すことしかできない。
「行くぞ」
ザネクが『大盾』を出して魔物を分断した。『大盾』を下に伸ばせるかが懸念としてあったのは、ぶっつけ本番で実行した後に気付いたことだ。
こうして仕切られた中には三体だけが入っている。魔物も密集しているので一体だけは不可能だった。もし一体だけを分断できたとしても、効率が悪すぎたであろう。
「俺は盾寄りのヤツをやる」
「ぼくは盾に向かって右」
「じゃあ、あたしは左ね」
それぞれに『傘』から身を乗り出して魔物を狙う。
今回の『傘』は地上を基点にする改良型、謂わば『傘・改』だからルキアスも『傘』の上で自由に動ける。通常の自らが基点になるタイプであれば、身体を傾けるだけで『傘』が微妙に動いてしまうので、こうはできない。
尤も、通常の『傘』の身体を傾ければ動いてしまう性質は高速飛行中の進路の微調整に最適なので用途の向き不向きがあるだけだ。
ルキアスは三〇弾で狙う。弾丸はベクロテまでフヨヨンを送り迎えする際に色々買い込んでいたので在庫は余裕だ。「外したらどうしよう」のようなプレッシャーは無い。
ただ三〇弾をほぼ真下に撃つのは初めての経験で、これに対する緊張はしてしまう。可能な限り膝撃ちの姿勢に近い恰好に構えて引き金を引く。
距離的には至近と言えるため、問題なく魔物に命中。魔物は沈黙した。
ザネクとシャルウィもルキアスと似たような撃ち難さを乗り越えつつ、そう間を置かずに魔物を沈黙させた。
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