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第七師団と合流(5)
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「ククッ……そうか、気を遣ってくれてありがとう。ところで……」
師団長は何か言おうとしたようだが、引っ込めた。
「いや、ではまたな、ロックウィーナ」
そしてマントを翻して場を後にした。その姿が見えなくなってから、二人の女性兵士が私に話しかけてきた。
「ロックウィーナさん? 私はミラと申します。これからよろしくお願い致します」
「私はマリナです」
「あの、どうか普通に話して下さい。私は冒険者ギルドの下っ端の職員に過ぎないので」
「でも、師団長がお世話なさるほどの方なんでしょう?」
「それは……私達を束ねる主任が、元聖騎士で師団長の部下だったからです」
「ええっ、主任さん元聖騎士!?」
白銀の鎧は聖騎士の印だが、着ている人物は団長を含めて数人しか見ていない。聖騎士になるって凄いことなんだと改めて思った。
「はい。その繋がりで師団長はギルドメンバーに親切にして下さっているのです。私自身には何の力も有りません」
「……そっか」
ミラと名乗った黒髪の兵士が柔らかい表情になった。
「じゃあこれからは普通に話させてもらうね。ロックウィーナもタメ口《ぐち》にして。歳も近いようだし。私は今年で25になった」
「私も!」
「私は26歳よ。一つ上ね。でも私にも普通に話して」
金髪のマリナはおっとりとしたタイプだ。
「で、何か私達に頼みたいこと有る?」
「うん。トイレに行きたい……。何処かいい場所ないかな?」
ミラとマリナはケラケラ笑った。
「だよね! 女は大変だよね! OK、私達が見張りに立ってあげるから、あっちの林で済ませなさい」
助かった。私は最重要ミッションをクリアし、旅の仲間も手に入れたのであった。ルービック師団長に大感謝である。
休憩終了の時間が迫ってきたので、私は女性兵士達と別れてギルドの馬車へ戻ることにした。夜も彼女達と一緒のテントで寝ていいそうだ。
心配事をクリアした私は軽い足取りとなった。表情も明るくなっていたのだろう。
「機嫌がいいな」
声がして、人混みの中からスッと抜け出したエンが私の横に並んだ。彼も馬車へ帰るところらしい。
「まぁね。女性の兵士さん達とお知り合いになれたんだよ。あなたはマキアと一緒じゃないの?」
「アイツとはバディだが、毎回連れションするという訳ではない」
男の人はいいよね。用足しが楽で。
そうだ、マキアがここに居ないのなら丁度いい。エンにさっき思ったことを伝えておこう。
歩みを止めた私に合わせてエンも止まった。
「どうした」
「……あのねエン、馬車の中でのマキアへの態度、あれはあんまりだと思うの」
「………………」
覆面だからエンの表情は窺い知れないが、私の言葉を聞いてくれている。
「私はね、交際経験ゼロってことが凄くコンプレックスなんだ。マキアもきっと……恋を知らないってこと、気にしてるんじゃないかな? だからそこら辺にはあまり踏み込むべきじゃないと思うんだ」
「解ってる。指摘したのは今日が初めてだ」
「えっ、そうなの?」
意外な返答だった。
「何で今日に限って……、それもみんなの前で暴露しちゃったの?」
「アンタに聞かせたかったからだ」
「え、私に?」
淡々とエンは訳が解らないことを述べた。
「マキアと言う男がどういう人間か、アンタに知ってもらいたかった」
「マキアを嫌えってこと?」
「逆だ。アイツの駄目な部分を知った上で、それでもアイツと仲良くして欲しいと思っている」
んん? どういうことよ?
「マキアは相手に合わせて自我を押し殺すことが有るんだ。だが最初からこういうヤツだと、お互いに知っていれば無理をしなくて済むだろう?」
「あー……、なるほど」
ようやく合点がいった。エンはマキアを純粋に心配していたのだ。彼によるとマキアくんたら、親し気な態度で女性を勘違いさせてしまい、そのまま付き合うということを数回やらかしたらしいから。
私も洗顔時に彼のタオルで顔を拭かれた時はドキッとしたものだ。あの時もエンがマキアには下心が無いと教えてくれたんだったね。
気が無いのなら交際を申し込まれてもキッパリと断った方がいい。けれどマキアは相手を傷付けると思って、拒絶することができなかったんだね。それは優しさではなく優柔不断なだけとも言える……。でも私だって似たようなものだから非難はできない。
「解ったよ。マキアがスキンシップしてきてもそれは下心無し、変に意識しないで友達として接すればいいのね?」
「そうしてもらえると助かる」
「エンはマキアが大切なんだね」
「バディだ」
「……言葉が足りないって、言われたことない?」
「……………………」
私のツッコミにエンはしばし黙ったが、答えた。
「よく言われる」
プッと私は噴いてしまった。親切の自覚が無い覆面忍者が可笑しい。
「何だ」
「いや思い出し笑い。さ、馬車へ戻ろうか!」
エンは納得していない様子だったが私と並んで歩いた。
「お帰りなさぁい♡」
馬車で出迎えくれたリリアナの隣に座った。彼はどうやって用を足してきたのかと気になった。男性陣にも女性陣にも混ざる訳にはいかないだろうから。
「ほっほっほ」
私の考えを読んだのか、執事のアスリーが恍けた笑いを発した。彼が上手いことサポートしたんだろうな。いいなぁ便利な執事さん。
師団長は何か言おうとしたようだが、引っ込めた。
「いや、ではまたな、ロックウィーナ」
そしてマントを翻して場を後にした。その姿が見えなくなってから、二人の女性兵士が私に話しかけてきた。
「ロックウィーナさん? 私はミラと申します。これからよろしくお願い致します」
「私はマリナです」
「あの、どうか普通に話して下さい。私は冒険者ギルドの下っ端の職員に過ぎないので」
「でも、師団長がお世話なさるほどの方なんでしょう?」
「それは……私達を束ねる主任が、元聖騎士で師団長の部下だったからです」
「ええっ、主任さん元聖騎士!?」
白銀の鎧は聖騎士の印だが、着ている人物は団長を含めて数人しか見ていない。聖騎士になるって凄いことなんだと改めて思った。
「はい。その繋がりで師団長はギルドメンバーに親切にして下さっているのです。私自身には何の力も有りません」
「……そっか」
ミラと名乗った黒髪の兵士が柔らかい表情になった。
「じゃあこれからは普通に話させてもらうね。ロックウィーナもタメ口《ぐち》にして。歳も近いようだし。私は今年で25になった」
「私も!」
「私は26歳よ。一つ上ね。でも私にも普通に話して」
金髪のマリナはおっとりとしたタイプだ。
「で、何か私達に頼みたいこと有る?」
「うん。トイレに行きたい……。何処かいい場所ないかな?」
ミラとマリナはケラケラ笑った。
「だよね! 女は大変だよね! OK、私達が見張りに立ってあげるから、あっちの林で済ませなさい」
助かった。私は最重要ミッションをクリアし、旅の仲間も手に入れたのであった。ルービック師団長に大感謝である。
休憩終了の時間が迫ってきたので、私は女性兵士達と別れてギルドの馬車へ戻ることにした。夜も彼女達と一緒のテントで寝ていいそうだ。
心配事をクリアした私は軽い足取りとなった。表情も明るくなっていたのだろう。
「機嫌がいいな」
声がして、人混みの中からスッと抜け出したエンが私の横に並んだ。彼も馬車へ帰るところらしい。
「まぁね。女性の兵士さん達とお知り合いになれたんだよ。あなたはマキアと一緒じゃないの?」
「アイツとはバディだが、毎回連れションするという訳ではない」
男の人はいいよね。用足しが楽で。
そうだ、マキアがここに居ないのなら丁度いい。エンにさっき思ったことを伝えておこう。
歩みを止めた私に合わせてエンも止まった。
「どうした」
「……あのねエン、馬車の中でのマキアへの態度、あれはあんまりだと思うの」
「………………」
覆面だからエンの表情は窺い知れないが、私の言葉を聞いてくれている。
「私はね、交際経験ゼロってことが凄くコンプレックスなんだ。マキアもきっと……恋を知らないってこと、気にしてるんじゃないかな? だからそこら辺にはあまり踏み込むべきじゃないと思うんだ」
「解ってる。指摘したのは今日が初めてだ」
「えっ、そうなの?」
意外な返答だった。
「何で今日に限って……、それもみんなの前で暴露しちゃったの?」
「アンタに聞かせたかったからだ」
「え、私に?」
淡々とエンは訳が解らないことを述べた。
「マキアと言う男がどういう人間か、アンタに知ってもらいたかった」
「マキアを嫌えってこと?」
「逆だ。アイツの駄目な部分を知った上で、それでもアイツと仲良くして欲しいと思っている」
んん? どういうことよ?
「マキアは相手に合わせて自我を押し殺すことが有るんだ。だが最初からこういうヤツだと、お互いに知っていれば無理をしなくて済むだろう?」
「あー……、なるほど」
ようやく合点がいった。エンはマキアを純粋に心配していたのだ。彼によるとマキアくんたら、親し気な態度で女性を勘違いさせてしまい、そのまま付き合うということを数回やらかしたらしいから。
私も洗顔時に彼のタオルで顔を拭かれた時はドキッとしたものだ。あの時もエンがマキアには下心が無いと教えてくれたんだったね。
気が無いのなら交際を申し込まれてもキッパリと断った方がいい。けれどマキアは相手を傷付けると思って、拒絶することができなかったんだね。それは優しさではなく優柔不断なだけとも言える……。でも私だって似たようなものだから非難はできない。
「解ったよ。マキアがスキンシップしてきてもそれは下心無し、変に意識しないで友達として接すればいいのね?」
「そうしてもらえると助かる」
「エンはマキアが大切なんだね」
「バディだ」
「……言葉が足りないって、言われたことない?」
「……………………」
私のツッコミにエンはしばし黙ったが、答えた。
「よく言われる」
プッと私は噴いてしまった。親切の自覚が無い覆面忍者が可笑しい。
「何だ」
「いや思い出し笑い。さ、馬車へ戻ろうか!」
エンは納得していない様子だったが私と並んで歩いた。
「お帰りなさぁい♡」
馬車で出迎えくれたリリアナの隣に座った。彼はどうやって用を足してきたのかと気になった。男性陣にも女性陣にも混ざる訳にはいかないだろうから。
「ほっほっほ」
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