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23の扉 新世紀
主という実存 2
しおりを挟む「この私」は 「ほんとうの私」では ない。
だから「新しい人間」になった私が
「物理的側面から」そこへアプローチしようと思うと
ずれるし
なにか違うところへ行き着いて
結局「なんだかよくわからないこたえ」に なる。
だからやはり「私のこたえ」は
「現実的じゃなくてよくて」。
「これまでいいと言われていた方法」や
「歴史的に行われてきたこと」、
「科学的実績」
「物理的効果」
「金銭的利益があったもの」でなくてよくて
「私のいろ」で あればいいし
それでしか 成らないのだ。
だから それもどれもをまるっと踏まえて、
明晰君が印を付けた網の部分を 感覚で編んでいく。
そして
「そうして」。
「さて」、とこたえを繊細に選びながら口に出そうとして
ふと、あることに 気が付いた。
そう、「この状況」を 例によって「客観的に眺めると」
「その真理」が 視えてきたんだ。
「 そうだね。 先ずは「瞬間を貴重な素材と考えて過ごすこと」かな 。 シンプルに言えば。」
「瞬間…。」
二人はなんとなく、「私の言いたいこと」を察しているだろうが 聴きなれない人は意味がわからないに違いない。
まあ それはそれで いいのだけど
これは「今の瞬間」を観て「その空気」から気付いたことで
「私は毎瞬、それをやっているのだ」。
"いちいち微細に吟味していること"
"必ず それでいいのか自問自答すること"
それは「単純」「シンプル」なことだけれど
純粋な瞬間を構築するのに欠かせない作業で
もっと言えば「己をそう丁寧に扱うことにより積み上げられる質を変えるもの」だ。
実際「古い世界」は 「雑多な世界」である。
「まあいいや」「面倒くさい」「やってなんの得があるの」
それが多い世界は「光の精度が低レベルで」
だから「世界の空気が雑だ」。
しかしそれは「然るべき結果」なだけで
「世界の一部である私達」が雑なのだから
その「全体」「完成形」が美しい筈がないのである。
"一瞬一瞬を 丁寧に生きること"
それは一見「意味のない様なこと」に見え
「少しやれば忘れてしまう」が
世界を構築する上での大切なステップであり
「見えない創造である」。
直ぐには出ない 答え
時間のかかる 結果
直接の利益に繋がらない 行動
それは確かに「得には見えない」けれど。
「存在の何故」を問うには とても良い方法で
単純にできるから、
きっと私は「このかたち」を取った。
「今 どの位置か」
「なにを指しているか」
「越えなければいけない扉」
そんな幾つもの説明しない「こと」はあるけれど
それもどれもとっ越して、「シンプルに取り組める事柄」である。
「 ただ、「自分の時間」を丁寧に扱って。自分が自分の世界を創ってるから、貴重な素材として。 ビーズの向きを揃えて、一つ一つ嵌める様に 縫う様に 丁寧に瞬間を構築していくんだよ。 あ、それで「毎瞬きちんと選択する」んだ、ほんとうにそれでいいかを。」
「…………なるほど?今お茶を淹れるティーセットをどれにするか、とかそういう話よね?」
「 流石パミール。 そう、そういう感じで「なにに対してもぜんぶ」、選択していくんだよ。「どのことばを口に出すか」とか 「返事のニュアンス」から 「どこを見るかの視線の先」、「今日の服」とか まあ、できるところぜんぶ。 そうすれば「自分になる」。」
何故だか部屋は シンとしていて。
いつの間にか「場」が 「私の場」になっているのを 感じる。
そういうつもり は ないんだけど
まあいいか
ついでに思ってること
つらつら 漏らしておけば いい
うん
今 私が「広めよう」とすることはないが。
まあ「この状況になった」のも必然で
「采配」なのだろうから、有り難く受け取り
「全開にして」100%、そのままのことばを晒してゆく。
「その、「自分になる」って言うのがヨルらしいわよね。…確かに、なに、そのホラ。「理想の体型になる」、とかじゃないって事でしょう?」
「 そう」
「成る程ね。確かに「それぞれの魅力」って、私もよく勧めてるもの。みんな同じ格好して言われてる事守ってるだけ、そんな時代は終わったしね。」
「 ふふ」
キッパリとそう言うガリアが面白くて、そのエローラと重なる姿にクスクスと笑う。
そう、「これまで」が悪い、訳じゃないけれど。
それがあったから「ここから」が面白いし、
私達はもう「羽を広げる季節」なのだ。
だから
「あれが効くらしい」とか「これがいいらしいよ」と
いろんなもの、ことを試すのもいいけれど
先ずは自分に還って「一つ一つを丁寧に聞いてやっていくこと」
それが一番「しっくりくる方法」で、私がお勧めするやり方だ。
「うーん、確かにそう考えると「決まってるから」って深く考えてない事なんて山程あるものね。」
「そうよ。私なんて最近殆ど無視してるもの。以前はもっと目が厳しかったから、まあ向こうにいる時だけとか、家を出る時に少し、って感じだったけど。今は家でも好きな格好してるし、結婚話も上手くかわしてる。…最近は母も諦め気味よ、ふふ。」
「………それについては結婚も悪くないってだけ言っておくわ。でも今の貴女なら、まだ一人がいいわよね。………神殿とか、その、服関係でいい人いないの?」
「え~、全然。周りは女性ばっかりだもの。その方が気楽だしね。」
「まぁね…」
そうやって「上手く飲み込んでくれる二人」を 観ながら。
私も「そんな自分」を 改めて眺めるけれど
「貴重な瞬間を素材として丁寧に積むこと」は
確かに自分にとっても大切なことで
「それを成して」「目的を果たす光景」が ぼんやりと 視えてくる。
そうなんだ 私は。
"長期スパンを見据え、
「自分にある充分な時間を意識して在り」
楽しく 緩やかに生きながら
時間を織っていく 職人"でもあるのだ。
緻密な細工を する様に。
「好きなこと」を
「丁寧に」、積んで
そして「それ以外も丁寧に波及させて」、
"世界にせかいを浸透させてゆく"
今「その図」が視えるのだから きっと「それはそう」で
「今のこのいろ」は 波紋の様に拡がってゆく。
いつの間にか「騒めきを取り戻したお茶会部屋」も。
「然るべき様に」、成っただろうし
私はそれも踏まえて 目の前のお茶を楽しめばいいだけだ。
「 ふむ。 すべては そうなる様にできている。 と 」
「はい、どうぞ。」
「 あ、ありがとう。」
そうして今度は「ガリアお勧めのハーブティー」が
目の前に置かれたことに ほくそ笑んで。
有り難く 温かなカップを手に取り
香りを堪能することにしたので ある。
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