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20の扉 愛の層
眼を開けて生きること
しおりを挟むいつもの様に 帰り道を
静かに テクテクと歩いて行く。
見慣れた 黒の廊下
私を 静かに見守っている調度品達
その重厚で温かな雰囲気は 今「新しい安心感」を齎す色として作用していて
やはり「私が「反応する」のは「人」なのだ」と 改めて思う。
いや でも
それも どれもこれも「同じ」
「 だよね。」
そこまでスペースが廻るとすべてのカケラは一旦退場して
歩もスムーズに もう直ぐ青いスペースへ到着しそうだ。
「 ♪ 」
その「軽い足取り」と 共に。
ふと 気が付くとスペースに
「今日の晩御飯」
「食べるか 食べないか」
「なにをして過ごすか」
「片付け」
「使えること」
「メモしておくこと」
「明日やりたいこと」
そんな「こと」が 自然と廻っているのに 気付く。
「 いや、 うん、そうなんだけど 「そうじゃなくて」。」
「わかっちゃいるが」
「つい そっち方向へ行こうとする」、
カケラの流れを「フイ」と止めて。
大きく 息を吸い
意識して吐いて、「自分という器」の隅々へ
「スペースに舞う 新しい光のカケラ達」を送り込んでゆく。
それは「いつもの習慣で」
「タスクを課そうとしている自分に」、
「新しい在り方を沁み込ませる星屑」で
ついつい、
「頭で行動しようとしてしまう癖」を より効果的に塗り替えてゆく、私なりの手段だ。
"どんな 些細な「こと」でも
インスピレーションで行動すること"
"自分にとって「大事な予定」以外は
すべて「そうする」こと" 。
そう、
「明日の予定」、それ自体は立てて悪いことではないが
その癖が抜けないと どうしても自分に「なにかを課しがち」だ。
"繊細に 発すること、ひとつひとつを
「自分の思う質」にしてゆくこと"
"スペースの調質は 私の要であること"
細か過ぎると思われるだろうが、
「私の意識で 今世界は創られていて」
「浮かべているいろで 世界は廻る」。
だから「やれること」ひとつひとつを極めて「自分の納得いく様にする」
それは隅々まで美しく保ちたい自分の性質に起因した「納得の行動」であるし、それは私にとって苦ではないのだ。
そして「この動き」は
勿論いつでもどこでも有効利用するが吉であり
この黒の廊下を歩いている時にも非常に効果を発揮する「やり方」である。
そもそも、「頭で考えているから」萎縮する。
そう
いつでも
どこでも 「感じて」、生きていた ならば。
「いつ 何時 何を見たとしても」、きちんと「それに準じた相対方法」を私は持っていて
「何が起きても大丈夫」だし
そもそも「なにも起きてなどいない」。
「 そう、 だから もっと俯瞰、ただ、「いろを視て生きる」なんだな。」
だから また一人でそう頷いて。
「いろんな 収穫物」を胸にホクホクと
青い廊下へ 入って 行った。
青の廊下を抜けてホールへ出ると、私の足は自然と「大きなアーチ扉」の方へ向いていて
どうやら「本体」は夕食を食べることにしたらしい。
まだ 「夕飯」という時間でも ないけれど。
なんとなく、向かった食堂の扉を開けると
「私がここに来た理由」
それは ちゃんと待っていたのだった。
「ああ、ヨル。これが届いていたけれど、何か頼んでいたのかい?」
「 あっ。 わぁ 」
私の顔を見るなり、小さな包みを上げた彼女が持っているのは
「それとわかる 空の青をした包み」で
コーネルピンが私に「なにか」を送ってくる時に使う、「私専用の色」である。
いつも 不意に贈り物をくれる彼だけれど
今回は私がお願いした「もの」を 届けてくれた筈だ。
「 ふふふ 」
「失礼?何が入っているか、聞いても?」
「勿論。 少し前に、「どうしても私が出せない色」があって。 その時に絵の具の話になったんですけど、ここ特有の顔料があるらしくて。 それをひとつひとつ、調達するのは手間だろうって、サンプル? 色見本みたいに、カードにしてもらったんですよ。 勿論、「私の欲しい色リクエスト」も、含めて。」
「ふぅん?それはいいね。」
イストリアにも見てもらおうと、早速カサカサと包みを開けていく。
几帳面で 手先の器用なコーネルピンからの贈り物は
いつも「ピッチリ」と美しく筋が通った梱包になっていて
開けるのが 勿体なくも 感じるけれど。
それ以上に「中身」が楽しみだから
丁寧に糊を剥がし、青い紙が破れない様 くるくると脱がせてゆく。
「 わぁ 」
「ほう。素敵だ。」
それは 素敵な真っ白い箱に 入った
"いろんな「いろ」のカード"
ここ最近「感覚が変わってきた」自分が
「こういうのがあればいいな」って。
ピンときて、取り掛かった「神具」のうちのひとつで
「漠然とした感覚のみ」を表す私なりのツールであり
「具体的な物」「事」ではない、「もの」
それを自分に定着させる為に 彼と相談して創った「いろのカード」だ。
「具体的な物」では なく
「今 私の感じているいろ」。
そう、以前は「思い描く景色」として 自分に用意しようとしていた私であったが
この頃「自分の観たいもの」が「かたちではないこと」、そこに気が付いたのだ。
「まだ かたちにはなっていないもの」
だけれど
「私の「なか」に 生まれ始めている もの」。
それは「ことば」で表すならばやはり「いろ」が最も的確で
「その いろの靄」が段々とかたちを取り
「なにだと 私が認識するか」
スペースは今 そんなかたちで 創造をしているんだ。
「 ふぅむ。 いいな。 」
一枚 一枚 カードを確かめ
「自分のその感覚」を 確認して。
「やっぱりそうだ」と 思うけれど
今 ここの境地で言えば。
「私は一番居心地のいいいろだけ感じていれば良くて」
「それが 形になる」。
そして
それに大切なのは「センス」と「バランス」で
「センス」は
「自分の望む色を組み合わせ配置する能力」で
「バランス」は
「その配分、丁度いい具合」である。
だから
要するに。
私は もう「なにか」を思い浮かべるでなく
「センスとバランスで生きていれば良くて」、
その「仕上げの工程」まで、
なんでもぜんぶ やらなくていいのだ。
せかいが「それ」に「せかい成分をプラスして より美しく仕上げる」のを
楽しみながら、待てばいい。
その「委ねるこころ」が 大切なので ある。
「 ふむ。 ほう。」
「いや、やはり「いい」ね。」
「 はい。」
そうやって 二人で
カードを堪能しながらも。
"なにか どこかを指すでなくて
感覚で 生きる"
だから
「私」は「整ったわたし」を保っていればそれだけで良くて
その「わたし配分」が「センスとバランス」なのである。
「 そう、だから。 なんだかんだ、ごちゃごちゃ考える癖をポイして。 私はお気に入りの色を感じて、後はお任せすればいいって わかったんですよね。」
「………フフ。成る程、言い得ているね?君の仕事は先頭を好きな様に歩く事だけだし、そこから私達はいろんな事を得て、必要を作り出している。あの子だって、そうだ。………今は君の言う「水の質を高める事」に夢中な様だ。」
「あ、よかった。 どうです? あれから。」
「う~ん、一朝一夕には行かないが、徐々に屑石の利用法は見出せている様だね?その、「濾過する」のだっけ?君がいろんなアイデアを提供してくれるお陰で、選択肢が増えてやり易そうだよ。」
「 それなら良かったです。 質の良い、石って。 限られちゃうけど、「質のいい石」の「質」も、用途によりますからね。 」
「そこが、私達には思い付かなかった所なんだな…。」
「 ふふ。まあ、私には「わかっても」、「それを具体的にどうするのか」はわかりませんからね。 やはり適材適所。 」
「その様だ。さて、それでこれはどうやって使うんだい?君の託宣に使用するのかな?」
「 いや? 積極的に「視る」気は、ないんです。 」
「そこは変わらずか。」
「 はい。」
「…………それがいいね。まだ、なにしろ全ては、途中だ。」
「 です ね。」
そうしてまた「私を尊重してくれる 優しい瞳」を
有り難く感じながら。
さぁて これで 「なにいろ」を 視ようか
そう「想像するだけ」で 楽しくなってきた私は
しめしめ、と
自分の思惑とコーネルピンの仕事に感謝して。
ふわり と漂ってきた「美味しい匂い」に
ヒクヒクと鼻を 動かしていたので ある。
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