透明の「扉」を開けて

美黎

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20の扉 愛の層

変化してゆく景色

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朝、「掲げているいろ」を 観に行って。

 その「いろ」を 自分のなかに充満させてから
 「一日瞬間」を 始めて ゆく。


 「それ行為」は
日のうちに「何度やっても」「いつやっても」、いいもので
 自分が「そうだ」と思った時に「満たし」、「そう」「ある」為に使う、「もの」だ。


 だから それカードをその都度
  「自ら選ぶのか」
  「みんな光達に 出してもらうのか」
 その実験検討をしながらも 
  着々とそれ行為は積み上げられていて。


 そんな「こと」を 日常の何処にも、幾つか散らばせながら
私の日々は相変わらず静かに過ぎて いる。


 「     だよね 。」

だから 「青と 紫」
    「ライムと青」
    「新緑とターコイズ」

 そんな組み合わせの「今日」を観ながら。

「いろんな景色」
 その「観えているものの変化」について
 いろを 追いかけて行った。









「    さて ?」

 積み上げられた 数冊の本
 渋い色の背表紙

その「年季の入った革」が齎すものは「重み」と「重厚さ」
 しかし「やっぱり中身」は「私の好きな色」で満たされている、「図書館の本」である。


 白い礼拝室から真っ直ぐ ここ魔女部屋へ向かった足は
どうやら「本を読むこと」がご所望の様で 
 「感覚をピッタリ合わせること」を生業としている今は、その感覚にただ 乗るだけで良くて。

素直に机の前に座った私は「どの本から読もうか」
 「何色を手に取ろうか」
その選択を 自分に尋ねている。


「    深緑     いや  寧ろ「黒」? 逆に銀 か。」

 「装丁」 「印字」 「ヤケ」 「箔押し」

 その「丁度いい加減」を観ながら。

「自分の欲している いろ」を探るけれど
 勿論、「色の持つ意味」は
 「センサー」によって違うし
 「見たいもの」も 違う。

  そう 思うと 
     ふと「今朝の色」
 それがきちんとスペースに展開されて
 「今朝の色」と「今 目の前にある色」を照合し始める。

 だが
私の欲しいいろ」は 勿論ここには無い。
 
だから、無いことを踏まえ「その共通項」を探ってゆくのだ。


「    ふぅん ?  えっと  」

 「そこ」を踏まえて。

 「今日は みんな光達に尋ねたこと」
それも思い出して、「みんなが囁くいろ」を つらつらと思い浮かべてゆく。


     ふぅん?


 その
今朝みんな光達が出してきた色を自分の解釈として「いろ雰囲気」に翻訳していくと
 「私という器を完全にコントロール支配し」
 「新しい自由で創り上げる」、そんないろで

「支配という 強いワードを使こと」
「高く眺め 地上をよく観ること」
そして
「浄められた眼で 新しきを視ること」
 そんな要素が垣間見える。

だけど あくまで「これは いろ」で
 「かたちはなくて」
 「私が保つ空気」なのだ。

「  だから。 「言葉」、じゃなくて「いろ」で観る。」

 その「感覚」を強くするけれど
確かに この「なんにもない いろだけ」を観ていると。

  「そこから 派生し 生み出されるエッセンス」
 
  それだけでいいし
  それが大切なのがわかる。

そう、「描けば」、それは既存に成るなってしまうからだ。


「   さて。  んで、どう しましょうかね。」

 そう言いながらも
くるくると廻しているうちに目星が付いた、一冊を手に取り
ソファーで読もうと、すっくと立ち上がる。


「あら。」
「  おや。」

「なぁに、気付いてなかったの?」

「  うん。 いや、気付いていた、とも 言うのか。」
「なにそれ。相変わらず訳わかんないわね。」

そうして
 立ち上がると同時に、眼が合った
 朝と 軽口を言い合いながら。

とりあえずはお茶も用意しようと、いそいそとお湯の支度をしに奥へ向かった。







 熱いお湯を丁寧に注ぎ、
 蒸らしている間に カップを温める。

「今日の喉は 優しい潤いを欲している」
 そう感じてフリジアのハーブティーを選んだ後
その「絶妙な香り」を確かめながら。

 「今日の本は どれにしようかな」と机の前で選び始めた私に、不思議そうな声が掛かった。


「ねぇ、最近ずっと本、読んでるみたいだけど。いや、本好きなのは知ってるけどね、まだあそこにあんたの好きな本があるのかと思って。…だってなに、小難しい本ばっかりじゃないの?」

「   ああ、うん  そうだね?」

「何その返事。」

 朝がそう言うのも、無理はない。

私はずっと本が好きだけれど、勿論「字ばっかり」や「小難しい本」は好きじゃないし
だけど「私の好きそうな本」で言えば、「図書館にそう沢山ある訳ではない」
 それは正解だ。

 だが しかし。

「う~ん ?   なんて、いうか。 そりゃ勿論、字ばっかりの本は読む気しないんだけど、そもそもほら。 「その字が綺麗」、いや「美しい」のか。 なんて言うの?「印刷」じゃないから。 「その人の字」が、出てる。あまりにも美しいと借りたりするし、あとは   「絵」? と「本全体の雰囲気」。」

「…………うーん。まあ、確かに分かんなくも、ない。字はその人を表すしね。」

「 そうなんだよ。 それで、多分「似た様なの」を 観てると落ち着くし、なんか 「ヒントが降りてくる」。」
「………成る程ねぇ。そういうものか。」

「  そういうもの、だねぇ。  なにか。 これ本達は喋る訳じゃないけど、沢山のこと情報を 持ってるよね。」
「それはわかる。」

 
  いつもの私を ようく知っている 朝にとって。

 「この 私の感覚」は「当たり前」のものだし
 朝も普通の猫じゃないから 
 私と同じ様に「感じ取れる」のだろう。

そりゃ
勿論
 「感じ方」は 違うのだろうけど。

匂いの多さだったり、朝自身の記憶だったりして
「私とは違ういろ」を 沢山感じている筈だ。


そうしてそのまま、いつもの様にくるりと丸くなった背を観て。
 改めて そう感じた自分をもじっくりと眺め
 「思えば初めから不思議な環境にいた 自分」も 眺める。


  そもそも「家の中が なんか不思議だったこと」
  学校でも「個性的」「落ち着きがない」と
   「普通」とは言われていなかったこと

上の兄姉とは歳が離れていて「基本的にいつも一人で 本を読んでいたこと」。


 確かに私の一番の友達は 朝としのぶだし
ここから観れば二人とも「現実的ではない存在」だ。
 なんと言うか、「世間一般」「世界基準」で言う「普通」
それには当て嵌らず、まあ「変わっている」し
そもそも朝は猫だ。

 幼少期から「半ファンタジーの世界」にいた私にとって
「猫が友達なのは普通」
「本の中には沢山の世界が広がっているし」
「いつだってそこに飛び込んでゆける」。


「   確かに。 だから、没入できる書き方の作者が好きだし なんだ、壮大なドラマが 好きなのか 」

 「魔法」とか
 「歴史」とか
 そこから派生する「人の絆」とか
  「約束」
  「愛」
  「光の繋がり」
  「信じる 強い心」。

 私が「そうだよね」って思うものが「物語」には沢山詰め込まれていて
「それ」は 現実には見ることが叶わないもので。

 きっと「どこかには ある」んだろうけど
私の周りには「もう 殆ど現存していなくて」、だからこそ「この旅」を始めることになったのだろう。


「     不思議  だよね。 」

  そう 考えると。


 そのまま すうっと
  視線を 手元から机の上に 移して。

「積んである本」の すべてをパラパラとめくり、眺め
 「いろんな色」を 静かに 映していたんだ。


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