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聖女時代
謁見
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国王との謁見。
この場にいるのは王族だけではない。
貴族の姿もある。
誰もが遅れて発見された聖女に注目している。
「あの方が……」
「平民だそうですね」
「遅れて発見されて良いことないのに……」
「能力も一人だけ違うそうですよ」
「……まさかですが、あの方も聖女……婚約者候補なんてなりませんよね?」
「そんなこと、あるはずありませんわ」
「公爵令嬢を差し置いて平民が聖女になるというのは面白いですが、王妃は別です」
「あんな者に傅かなければならいなんて、我々貴族は認めませんよ」
本人に聞こえているかは分からないが、一人が噂しだすとあちこちから始まる。
国王が登場すれば、静まりかえる。
私たちは頭を下げるのだが、司祭の小声が聞こえてしまった。
「ソミール、あなたも頭を下げなさい」
あれだけ礼儀作法に時間をかけたというのに、初手で躓いた。
司祭の声が聞こえてしまった瞬間、体が強張った。
「面を上げよ。そなたが聖女候補となった者か?」
「はい。ソミールと申します」
「聖女の能力を発揮する者は一人でも多い方が、国にとしても安心する。この度、ソミール嬢の聖女候補発覚は喜ばしいことだ」
「いえ、そんなぁ……ぇっ……とんでもないことでございます」
隣に立つ司祭に肘で小突かれ、子声で正しい言葉を囁かれる。
その後もソミールが発言する度に、司祭の訂正が入る。
どれが失態となるのか分からないが、何とかソミールの聖女候補発表の謁見は終え教会に戻る。
「ほらぁ、大丈夫だったじゃないですかぁ」
あっけらかんと今日を振り返るソミール。
彼女の発言に、思うことはあっても誰も言い返さない。
その方が、楽だから。
「……そうですね」
この日、一番の立役者は司祭だ。
「あ、コルネリウスさん。私に会いに来てくれたんですか?」
候補者は司祭を労おうとするも、約束のないコルネリウスの登場で変わる。
「謁見の間では話せなかったからね」
「私と話せなかったから、わざわざ来てくれたの?」
「フフッ」
国王へ挨拶した後に、彼が教会へやって来たことは一度もない。
今まではソミールの一方的な話だと真に受けていなかったが、ここにきてコルネリウスとソミールの関係を疑い始める。
「なら、紅茶の準備しますね」
「私も行こう」
ソミールを追うように、コルネリウスも調理場へと向かう。
「皆……さん?」
そんな二人の姿を強制的に見せられた候補者を心配する司祭の姿が目に入る。
「……私、今日はこれで失礼いたします」
「私も失礼いたします」
候補者たちは怒りを露わにすることなく、静かに屋敷に帰っていく。
「司祭様。私も失礼します」
「……はい。また、明日」
私を含め、この状況に何も思っていないわけではない。
ただ、私たちには貴族としての誇りがある。
平民相手に感情を露わにしては、品位が損なわれる。
そんな自分になりたくないため、先ほど見た記憶を忘れようと屋敷に戻った。
内心はコルネリウスの『ソミール特別扱い』について不満はある。
「はぁぁぁ」
屋敷に戻っても、不意に思い出してしまいわだかまりが残る。
どう消化していいのかわからない。
この場にいるのは王族だけではない。
貴族の姿もある。
誰もが遅れて発見された聖女に注目している。
「あの方が……」
「平民だそうですね」
「遅れて発見されて良いことないのに……」
「能力も一人だけ違うそうですよ」
「……まさかですが、あの方も聖女……婚約者候補なんてなりませんよね?」
「そんなこと、あるはずありませんわ」
「公爵令嬢を差し置いて平民が聖女になるというのは面白いですが、王妃は別です」
「あんな者に傅かなければならいなんて、我々貴族は認めませんよ」
本人に聞こえているかは分からないが、一人が噂しだすとあちこちから始まる。
国王が登場すれば、静まりかえる。
私たちは頭を下げるのだが、司祭の小声が聞こえてしまった。
「ソミール、あなたも頭を下げなさい」
あれだけ礼儀作法に時間をかけたというのに、初手で躓いた。
司祭の声が聞こえてしまった瞬間、体が強張った。
「面を上げよ。そなたが聖女候補となった者か?」
「はい。ソミールと申します」
「聖女の能力を発揮する者は一人でも多い方が、国にとしても安心する。この度、ソミール嬢の聖女候補発覚は喜ばしいことだ」
「いえ、そんなぁ……ぇっ……とんでもないことでございます」
隣に立つ司祭に肘で小突かれ、子声で正しい言葉を囁かれる。
その後もソミールが発言する度に、司祭の訂正が入る。
どれが失態となるのか分からないが、何とかソミールの聖女候補発表の謁見は終え教会に戻る。
「ほらぁ、大丈夫だったじゃないですかぁ」
あっけらかんと今日を振り返るソミール。
彼女の発言に、思うことはあっても誰も言い返さない。
その方が、楽だから。
「……そうですね」
この日、一番の立役者は司祭だ。
「あ、コルネリウスさん。私に会いに来てくれたんですか?」
候補者は司祭を労おうとするも、約束のないコルネリウスの登場で変わる。
「謁見の間では話せなかったからね」
「私と話せなかったから、わざわざ来てくれたの?」
「フフッ」
国王へ挨拶した後に、彼が教会へやって来たことは一度もない。
今まではソミールの一方的な話だと真に受けていなかったが、ここにきてコルネリウスとソミールの関係を疑い始める。
「なら、紅茶の準備しますね」
「私も行こう」
ソミールを追うように、コルネリウスも調理場へと向かう。
「皆……さん?」
そんな二人の姿を強制的に見せられた候補者を心配する司祭の姿が目に入る。
「……私、今日はこれで失礼いたします」
「私も失礼いたします」
候補者たちは怒りを露わにすることなく、静かに屋敷に帰っていく。
「司祭様。私も失礼します」
「……はい。また、明日」
私を含め、この状況に何も思っていないわけではない。
ただ、私たちには貴族としての誇りがある。
平民相手に感情を露わにしては、品位が損なわれる。
そんな自分になりたくないため、先ほど見た記憶を忘れようと屋敷に戻った。
内心はコルネリウスの『ソミール特別扱い』について不満はある。
「はぁぁぁ」
屋敷に戻っても、不意に思い出してしまいわだかまりが残る。
どう消化していいのかわからない。
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