王子よ、貴方が責任取りなさい

天冨 七緒

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聖女時代

ヒロインの次の標的となった、私

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「レンスは、聖女活動って何してるの?」

 ついに私のところまで来たか、と身構える。
 ソミールの行動は、聖女候補同士で情報を共有している。
 ファヴィオラにラヴィニア、アルテーアにフィオレ。
 エリベルタはまだ十一歳で、教会の講義を優先するべく聖女活動を許可していない。
 なので、ソミールのにとって私が最後の人物となる。

「……最近は、何をするべきか悩んでいます」

「そうよね。私も分からなくて、皆が何しているのか見学しているの」

「何か得られましたか?」

 口には出していないが『功績の他に』と表情にでてしまった。 

「う~ん。今のところは、まだ……というより、皆の活動って私が普段していることなんだよね」

「そうなのですか?」

「はい。平民は使用人を雇わないでしょ。自分のことは自分でしないといけなくて……子供の面倒は年上の子たちがするのは当然。掃除や食料配布も、助け合わなきゃいけない平民には日常のこと。それを、『慈善活動』といわれると、なんだか違う気がして……聖女候補としての活動と言われると、思い浮かばないんですよね」

「そうなんですね。普段からそのように行動できることは、素晴らしいですよ」

「素晴らしい……よくわかんないけど、そうしないと平民は大変なの」

 平民全員がソミールのようだとは思いたくないが、彼女や彼女に対しての国民の反応から最近では私も平民に対しての印象は悪くなった。

「そんなソミール様が聖女になるべくする活動、とても楽しみです」

「皆の期待に応えられるのか不安だけど、考えている最中よ。それで、レンスはどんな活動しているの?」

 交わしたつもりなのだが、ソミールから逃げることができなかった。

「私は、卒業された先輩方の後を追っているだけです」

「それって、どんなことですか?」

「孤児院や教会を支援したり、チャリティーイベントに刺繍入りのハンカチを寄付したりとかです」

「支援に寄付……他にも何かしているんじゃないの?」

「新人の職人さんに仕事を依頼したりです」

「……仕事の依頼……私にはできないわ」

「誰かと同じことをする必要はありません。困っている人をどう助けるか、助け方は人それぞれですから」

「……レンスは、次の支援先とか決まってるの?」

「……いえ、今のところは決まっておりません」

「そうなんだね……もし、決まったら是非私に見学させてほしいな。いいかな?」

「えぇ、構いませんよ」
  
「絶対ね、約束よ」

 約束したことで、満足したのかソミールは去って行く。

「はぁ……今度は私の手柄を奪うつもりなのね」

 ソミールが私の活動に同行しようとするのは予想していたので、ソミールには出来ないであろう活動内容を準備しておいた。

「だけど、何しよう……」

 最近は聖女候補の一人として恥じぬように……という心掛けが薄れつつある。
 どんなに頑張っても、別の人の功績になるのであれば何もしない方がいいのではないかと思うように。
 そんな状況を、聖女候補として神に試されているのかもしれない……と、信仰心を捨てないよう努力するも頑張れなくなり出している。
 
「誰か……助けて……」
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