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聖女時代
私からのお願いって……
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婚約者候補である令嬢とのお茶会ではなく、コルネリウスの教会定期訪問中。
〈コルネリウスとソミールの会話〉
「コルネリウスさん、私ずっと待ってたんだよ? 最近来てくれないから寂しかったぁ」
「それは、すまない。最近は色々重なってしまってね」
「……コルネリウスさんも、大変なんだね。あまり無理しないでね」
「ああ、ありがとう。ソミール嬢の活躍は、王宮にも届いている」
「私の活躍……って何のこと?」
「孤児院や教会に出向いては食料を配布したり、王都にある花壇の手入れに、聖女候補のイベントの手伝いに掃除、騎士への激励と犯人確保の協力までしたと聞いた」
「そんなぁ。平民では皆がしていることだよ。助け合わなくっちゃ」
「そのような行動が自然とできるというのが、素晴らしいんじゃないか」
「そう……かな? 自分じゃわからないけど」
「その人の人物像は、周囲の方が見えていたりするからな。ソミール嬢は、今のままでいてくれ」
「はい!」
「……なぁ、ソミール嬢……祈ってほしいことがあるんだ」
「祈りですか?」
「最近、母の……王妃の容態が悪いんだ」
「王妃様の?」
「あぁ……個人的なことに聖女候補の祈りを使用してはいけないと分かっている……それでも……」
「家族のことは、心配だよね。いいよ。私一生懸命王妃様の健康を祈るね。だけど……私だけだと不安だから、皆の力も借りたいの……王妃様について話してもいいかな?」
「……あぁ。王妃の体調が悪いのは貴族たちの耳に入っているから、話して問題ない」
「皆、王妃様の容態について知っているの? それなのに祈らないなんて……」
「……聖女候補の第一優先は国の結界だからな」
「それでも、人の命がかかっていれば祈りの時間が長引いても構わないのに……あんなに早く帰っちゃうなんて……」
「……皆が皆、ソミール嬢のように考えていないということだ」
「私ならすぐに祈るのに……」
「ソミール嬢……君の思いだけで十分だ」
「コルネリウスさん……」
ソミールとの会話を終えると、コルネリウスは王宮へ戻って行く。
ソミールはすぐにコルネリウスからの要望を聖女候補に伝える。
「あの皆、最近王妃様の容態が悪いみたいなの。少しでいいから、皆に祈ってほしいの」
沈黙が流れる。
「お願い。私のワガママだから、掃除でもなんでも変わるから、皆に協力してほしいの」
王妃の健康を祈ってほしいと、必死に願うソミール。
「……ソミール様? 何を仰っているの?」
「レンス、私たちの祈りを国の結界だけでなく王妃様の健康のためにも祈っていいと思うの。少し帰るのが遅くなっちゃうから、予定があるなら仕方ないんだけど……王妃様の容態は国の一大事。お願い、レンス。協力して!!」
「……ソミール様は、司祭様のお話を聞いてはいないのですか?」
「司祭様の言葉より、王妃様の命だと思うの。司祭様には、私一人が怒られるから……皆、お願い。王妃様の回復を皆で祈ろう!!」
「ソミール様。あなたは今まで王妃様の回復を祈っていないの?」
「それはどういう意味?」
「何日か前に司祭様から王妃様の容態について話がありましたよ。その時から、『国の結界と、王妃様の容態についても祈りをするように』とお話がありましたでしょう? その時、ソミール様もいらっしゃったではありませんか」
「……えっ、そうだった?」
「はい」
他の候補者もソミールに向けて頷く。
「良かった……王妃様の容態が回復していないって聞いて、皆は祈っていないと勘違いしちゃった。私ってそそっかしいね……えへ」
ソミールに懇願されずとも、司祭から報告を受け何日も前から祈っている。
それでも王妃の体調が回復することはなかった。
司祭は、聖女候補全員を集めて話をした。
そこには、ソミールもいた。
わざわざ私たちが王妃様のことを祈るよう言わなくても、司祭の話があったことで祈っているものと思っていた。
王妃の容態が回復しないのは、祈りでは難しいと判断し聖女候補たちは各々別の方法はないか調べ始めている。
王妃がどのような症状を見せているのか、他に回復方法はないのか、薬物療法・物理療法・手技療法・運動療法など調べつくしていた。
祈っていると思っていたソミールからの『王妃の健康を祈ってほしい』と言われ、司祭の話を聞いていないのだと知った。
「王宮から王妃様の体調が回復されたという報告はありません」
ソミールから祈ってほしいと願われてからも、王妃の容態が回復したという報せはなく祈りではどうにもできないと知り教会内では不穏な空気。
それでも何かできないかと皆が必死に調べている間、ソミールは……
「コルネリウスさん。その後、王妃様の体調はどう?」
「日に日に弱っている」
「そうなのね……やっぱり、私一人では……」
「一人?」
「あっ……えっと……皆、忙しいみたいで……その……次期王妃になるために……ごめんなさい。私に皆を説得する力があればよかったんだけど……王妃様のことを話したんだけど、『祈りは今まで通り』って……私が平民だから……話、聞いてもらえなくって……」
「……ハッ……ハハッ……いや、ソミール嬢のせいではない……令嬢たちは、人の命より王妃の立場なんだな……」
「あっ、違うの。色んなことに対処するべく、動いているんだと思う。皆、王妃様のことを心配していると思う」
「令嬢たちが心配しているのは、『次期聖女』と『次期王妃』という立場だけだろう……本当に心配してくれているのは、ソミール嬢だけだ」
「そんなこと……ない……と思う……皆、口に出さないだけで心配してるよ……きっと……」
〈コルネリウスとソミールの会話〉
「コルネリウスさん、私ずっと待ってたんだよ? 最近来てくれないから寂しかったぁ」
「それは、すまない。最近は色々重なってしまってね」
「……コルネリウスさんも、大変なんだね。あまり無理しないでね」
「ああ、ありがとう。ソミール嬢の活躍は、王宮にも届いている」
「私の活躍……って何のこと?」
「孤児院や教会に出向いては食料を配布したり、王都にある花壇の手入れに、聖女候補のイベントの手伝いに掃除、騎士への激励と犯人確保の協力までしたと聞いた」
「そんなぁ。平民では皆がしていることだよ。助け合わなくっちゃ」
「そのような行動が自然とできるというのが、素晴らしいんじゃないか」
「そう……かな? 自分じゃわからないけど」
「その人の人物像は、周囲の方が見えていたりするからな。ソミール嬢は、今のままでいてくれ」
「はい!」
「……なぁ、ソミール嬢……祈ってほしいことがあるんだ」
「祈りですか?」
「最近、母の……王妃の容態が悪いんだ」
「王妃様の?」
「あぁ……個人的なことに聖女候補の祈りを使用してはいけないと分かっている……それでも……」
「家族のことは、心配だよね。いいよ。私一生懸命王妃様の健康を祈るね。だけど……私だけだと不安だから、皆の力も借りたいの……王妃様について話してもいいかな?」
「……あぁ。王妃の体調が悪いのは貴族たちの耳に入っているから、話して問題ない」
「皆、王妃様の容態について知っているの? それなのに祈らないなんて……」
「……聖女候補の第一優先は国の結界だからな」
「それでも、人の命がかかっていれば祈りの時間が長引いても構わないのに……あんなに早く帰っちゃうなんて……」
「……皆が皆、ソミール嬢のように考えていないということだ」
「私ならすぐに祈るのに……」
「ソミール嬢……君の思いだけで十分だ」
「コルネリウスさん……」
ソミールとの会話を終えると、コルネリウスは王宮へ戻って行く。
ソミールはすぐにコルネリウスからの要望を聖女候補に伝える。
「あの皆、最近王妃様の容態が悪いみたいなの。少しでいいから、皆に祈ってほしいの」
沈黙が流れる。
「お願い。私のワガママだから、掃除でもなんでも変わるから、皆に協力してほしいの」
王妃の健康を祈ってほしいと、必死に願うソミール。
「……ソミール様? 何を仰っているの?」
「レンス、私たちの祈りを国の結界だけでなく王妃様の健康のためにも祈っていいと思うの。少し帰るのが遅くなっちゃうから、予定があるなら仕方ないんだけど……王妃様の容態は国の一大事。お願い、レンス。協力して!!」
「……ソミール様は、司祭様のお話を聞いてはいないのですか?」
「司祭様の言葉より、王妃様の命だと思うの。司祭様には、私一人が怒られるから……皆、お願い。王妃様の回復を皆で祈ろう!!」
「ソミール様。あなたは今まで王妃様の回復を祈っていないの?」
「それはどういう意味?」
「何日か前に司祭様から王妃様の容態について話がありましたよ。その時から、『国の結界と、王妃様の容態についても祈りをするように』とお話がありましたでしょう? その時、ソミール様もいらっしゃったではありませんか」
「……えっ、そうだった?」
「はい」
他の候補者もソミールに向けて頷く。
「良かった……王妃様の容態が回復していないって聞いて、皆は祈っていないと勘違いしちゃった。私ってそそっかしいね……えへ」
ソミールに懇願されずとも、司祭から報告を受け何日も前から祈っている。
それでも王妃の体調が回復することはなかった。
司祭は、聖女候補全員を集めて話をした。
そこには、ソミールもいた。
わざわざ私たちが王妃様のことを祈るよう言わなくても、司祭の話があったことで祈っているものと思っていた。
王妃の容態が回復しないのは、祈りでは難しいと判断し聖女候補たちは各々別の方法はないか調べ始めている。
王妃がどのような症状を見せているのか、他に回復方法はないのか、薬物療法・物理療法・手技療法・運動療法など調べつくしていた。
祈っていると思っていたソミールからの『王妃の健康を祈ってほしい』と言われ、司祭の話を聞いていないのだと知った。
「王宮から王妃様の体調が回復されたという報告はありません」
ソミールから祈ってほしいと願われてからも、王妃の容態が回復したという報せはなく祈りではどうにもできないと知り教会内では不穏な空気。
それでも何かできないかと皆が必死に調べている間、ソミールは……
「コルネリウスさん。その後、王妃様の体調はどう?」
「日に日に弱っている」
「そうなのね……やっぱり、私一人では……」
「一人?」
「あっ……えっと……皆、忙しいみたいで……その……次期王妃になるために……ごめんなさい。私に皆を説得する力があればよかったんだけど……王妃様のことを話したんだけど、『祈りは今まで通り』って……私が平民だから……話、聞いてもらえなくって……」
「……ハッ……ハハッ……いや、ソミール嬢のせいではない……令嬢たちは、人の命より王妃の立場なんだな……」
「あっ、違うの。色んなことに対処するべく、動いているんだと思う。皆、王妃様のことを心配していると思う」
「令嬢たちが心配しているのは、『次期聖女』と『次期王妃』という立場だけだろう……本当に心配してくれているのは、ソミール嬢だけだ」
「そんなこと……ない……と思う……皆、口に出さないだけで心配してるよ……きっと……」
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