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番外編・それぞれの日々
番外編 薬師ノンナとカナメの思い出
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少し時間をさかのぼる。うちが辺境の薬師の所から追い出されてから、クロト師匠一家に拾われてすぐに、その家の娘のカナメちゃんにポーション作りを教えて欲しいと頼まれた時の出来事。
私の目の前にはカナメちゃんとコーくん、クロト師匠も陣取り手元を凝視してくるので、多少の緊張をもって、一通りの手順を見せようと思い、材料を全部用意して実践を試みようとしました。
「じゃあこの薬草を―――」
うちが始めようと一声発すると、ノートとペンをしっかりと準備したカナメちゃんが手を上げて質問してきました。
「はい!!ノンナお姉さん!その薬草は洗ってますか?」
「はい。きれいに洗って終わっています。このままポーション制作に使えますよ」
うちはニッコリ笑ってその質問に答えました。薬草の準備の時に葉や付け根に付いたモノはきれいに取り除かなければ上級ポーションは作れません。そこに気づくとはいい質問だなと嬉しくなりました。
「じゃあ、どのような所に気を付けて洗うのか、まずは薬草の洗い方教えてください」
びっくりした。学園でだって、最初に手順を先生が案内して、薬草は準備されている。薬草の洗い方は後半になって、準備から最後まで作る時に習うのだ――――。
それまではみな、気にも留めていない事なのに…凄いなこの子。下準備が一番大事な事を知っているんだ。薬師の師匠の所に行っているときも薬草の洗いや下準備は見習いが最初にする事で下積み時代はそれが当たり前になっている。自分で作るポーションは自分で納得のいく下処理をするのが一番いいと学園の先生方には教えてもらったけれど、勤めていた所2か所とも、薬師さんたちは自分たちですることは無かった…
うちの目の前にノートとペンを持ってキラキラ目を輝かせている5歳児。幼いとは思えない着眼点や、行動の多いカナメちゃん。この子がポーションを極めたらどんなものが作られるのか…見てみたいな。こんな心が温かくなって胸が躍る高揚感は、久しぶりだ―――。この子を育ててみたいなとそう思ってしまった。
「そこが大事ってよく気が付いたね。なんでそう思ったか聞いていい?」
うちがそう聞くと、キョトンとした可愛い顔の少女が紡いだ言葉は意外なものだった。
「料理の出来の半分以上は、下ごしらえで決まるって言うでしょ?だからポーションも一緒かなって――」
この子にとってポーション作りは料理と一緒?あら…でも…よくよく考えたらそうかも…?そう思うと、気負っていた気持ちがふっと抜けて、自然に声がこぼれた。
「ふふふ、そうね。ふふ料理―――そうね。大事な所は一緒だね」
「へへへ、一緒だよね。下ごしらえ大事だもん」
そう言ったカナメちゃんの頭を、横に居たクロト師匠がよしよしと嬉しそうになでる。こんな優しい顔のクロト師匠―――実はポーション界では異端児で有名だ。
闇魔法を組み込んだ錬金での魔法薬生成。
薬師の専売特許であったポーションを錬金術師が作れると言うのを広げた人物だ。学園の授業で名前が出るほど有名な人物―――。そんな人物は愛娘の頭を優しく幸せそうに撫でている。
「下ごしらえとはなんだ?」
そんな可愛い言葉を発しているのは幼児のコーくん。3歳くらいの容姿には似つかわしくない言葉使いで流暢にしゃべる。人間ではないとは聞いているけれど…可愛いから無問題。
「ほら、コーくんの好きなタマゴサンド、タマゴに小さな穴をあけてから茹でることで卵の殻がきれいに剥けて、素早く作ることが出来るの」
「ほ―――。タマゴサンドはうまいから早く食べたいし良い事だな!」
カナメちゃんのそれは…下ごしらえというより裏技なのでは?
「大根の煮物を作る時、皮は厚めにむいで米のとぎ汁で下茹ですると、アクやエグみがとれて味がしみ込みやすくなるよ。」
カナメちゃん―――それも!それも裏技だから!!
「あ!大根の皮はきんぴらにも出来るから無駄も無いよ」
そっちは節約術!!ホントこの子何者なの???こんな可愛らしいのに、どんな人生送ったらそんな裏技5歳児が習得するの?意味が解らない!!
それでも、この子の周りは温かい空気で満ちていると感じる。そんな子が作ったポーション…ワクワクする気持ちが沸き上がってくる。
カナメちゃんが作ったポーション凄く見てみたい。もしかしたら、その内この世界には存在しないようなポーションを作るような凄い薬師になるかもしれない。そんな事を思い描いて、うちは口角を上げた。
そんな素敵な未来、来たら最高じゃない?
私の目の前にはカナメちゃんとコーくん、クロト師匠も陣取り手元を凝視してくるので、多少の緊張をもって、一通りの手順を見せようと思い、材料を全部用意して実践を試みようとしました。
「じゃあこの薬草を―――」
うちが始めようと一声発すると、ノートとペンをしっかりと準備したカナメちゃんが手を上げて質問してきました。
「はい!!ノンナお姉さん!その薬草は洗ってますか?」
「はい。きれいに洗って終わっています。このままポーション制作に使えますよ」
うちはニッコリ笑ってその質問に答えました。薬草の準備の時に葉や付け根に付いたモノはきれいに取り除かなければ上級ポーションは作れません。そこに気づくとはいい質問だなと嬉しくなりました。
「じゃあ、どのような所に気を付けて洗うのか、まずは薬草の洗い方教えてください」
びっくりした。学園でだって、最初に手順を先生が案内して、薬草は準備されている。薬草の洗い方は後半になって、準備から最後まで作る時に習うのだ――――。
それまではみな、気にも留めていない事なのに…凄いなこの子。下準備が一番大事な事を知っているんだ。薬師の師匠の所に行っているときも薬草の洗いや下準備は見習いが最初にする事で下積み時代はそれが当たり前になっている。自分で作るポーションは自分で納得のいく下処理をするのが一番いいと学園の先生方には教えてもらったけれど、勤めていた所2か所とも、薬師さんたちは自分たちですることは無かった…
うちの目の前にノートとペンを持ってキラキラ目を輝かせている5歳児。幼いとは思えない着眼点や、行動の多いカナメちゃん。この子がポーションを極めたらどんなものが作られるのか…見てみたいな。こんな心が温かくなって胸が躍る高揚感は、久しぶりだ―――。この子を育ててみたいなとそう思ってしまった。
「そこが大事ってよく気が付いたね。なんでそう思ったか聞いていい?」
うちがそう聞くと、キョトンとした可愛い顔の少女が紡いだ言葉は意外なものだった。
「料理の出来の半分以上は、下ごしらえで決まるって言うでしょ?だからポーションも一緒かなって――」
この子にとってポーション作りは料理と一緒?あら…でも…よくよく考えたらそうかも…?そう思うと、気負っていた気持ちがふっと抜けて、自然に声がこぼれた。
「ふふふ、そうね。ふふ料理―――そうね。大事な所は一緒だね」
「へへへ、一緒だよね。下ごしらえ大事だもん」
そう言ったカナメちゃんの頭を、横に居たクロト師匠がよしよしと嬉しそうになでる。こんな優しい顔のクロト師匠―――実はポーション界では異端児で有名だ。
闇魔法を組み込んだ錬金での魔法薬生成。
薬師の専売特許であったポーションを錬金術師が作れると言うのを広げた人物だ。学園の授業で名前が出るほど有名な人物―――。そんな人物は愛娘の頭を優しく幸せそうに撫でている。
「下ごしらえとはなんだ?」
そんな可愛い言葉を発しているのは幼児のコーくん。3歳くらいの容姿には似つかわしくない言葉使いで流暢にしゃべる。人間ではないとは聞いているけれど…可愛いから無問題。
「ほら、コーくんの好きなタマゴサンド、タマゴに小さな穴をあけてから茹でることで卵の殻がきれいに剥けて、素早く作ることが出来るの」
「ほ―――。タマゴサンドはうまいから早く食べたいし良い事だな!」
カナメちゃんのそれは…下ごしらえというより裏技なのでは?
「大根の煮物を作る時、皮は厚めにむいで米のとぎ汁で下茹ですると、アクやエグみがとれて味がしみ込みやすくなるよ。」
カナメちゃん―――それも!それも裏技だから!!
「あ!大根の皮はきんぴらにも出来るから無駄も無いよ」
そっちは節約術!!ホントこの子何者なの???こんな可愛らしいのに、どんな人生送ったらそんな裏技5歳児が習得するの?意味が解らない!!
それでも、この子の周りは温かい空気で満ちていると感じる。そんな子が作ったポーション…ワクワクする気持ちが沸き上がってくる。
カナメちゃんが作ったポーション凄く見てみたい。もしかしたら、その内この世界には存在しないようなポーションを作るような凄い薬師になるかもしれない。そんな事を思い描いて、うちは口角を上げた。
そんな素敵な未来、来たら最高じゃない?
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