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第3章 精霊と新しい暮らしを始める元聖女
挿話12 商人ギルドの青年カイン
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「いらっしゃいませ。冒険者ギルドへようこそ……って、何だ。カインさんでしたか」
「はっはっは。そんな残念そうにしないでくださいよ。……ところで、レオナさんはいらっしゃいますか?」
「油を売りに来たんですか? それとも真面目にお仕事ですか?」
「もちろん、真面目にレオナさんを口説きに来ました」
冒険者ギルドの建物に入るや否や、ギルド職員のミーナちゃんからジト目を向けられる。
僕がレオナさんに夢中だからヤキモチを妬いているのかな?
でも、ごめんね。僕の心は既にレオナさんの物なんだ。
ギルドの奥へ進むと、いつも通りカウンターに大勢のイカツイ男たちが居る。
……何故か、いつにも増してレオナさんの所に並んでいる人が多い気がするんだけど、まぁいいさ。
こうして忙しそうに仕事をする君を眺めているのも、幸せだからね。
「レーオーナーさーんっ!」
僕の番が回ってきたので、早速声を掛けると、
「いらっしゃいま……あぁ、カインか。何をしに来たんだ?」
「頼まれていたポーションを納品しに来たんだけど……珍しいね。この時間帯なのに、レオナさんがイライラしてないなんて」
レオナさんが、いつもより優しく接してくれた。
普段なら、冒険者たちの相手で疲れ切っていて、相手が僕だと分かると、あからさまに不機嫌な表情を浮かべるのに。
まぁ、そもそもS級冒険者セーラの娘で、自身も元A級冒険者のレオナさんが、何故かギルドの受付嬢をしているから、皆が勧誘しようとして、大変な事になっているんだけどさ。
「ふふっ。凄いアイテムを身につけているからかもね」
「凄いアイテム?」
「これなんだけど……こうして身につけているだけでリラックス出来て、イライラが消えていくのよ」
「なっ!? なんて事だ! レオナさんっ! その可愛らしいネックレスは……ま、まさか男からプレゼントなのですかっ!?」
「違うけど……って、だからって貴方が喜ぶのは違うわよ? 貴方はただの商人ギルドのメンバーで、私は冒険者ギルドの職員。それ以上でも、それ以下でもないわ」
ふっ……またレオナさんは照れちゃって。
恥ずかしがり屋さんなんだね。
しかし、それよりも身につけるだけでリラックス出来るなんて、本当だろうか。
仮にそれが本当だとしたら、元々女性受けしそうな可愛らしいデザインのアクセサリーの商品価値が更に上がるのだが……A級冒険者のレオナさんともあろう方が、変な偽物を掴まされるとは考えにくい。
何といっても、A級のレオナさん一人でも、盗賊団を壊滅させられるくらいの戦力があると言われているのに、母親が規格外のS級冒険者だからね。
そんな母娘をだまそうとする命知らずの奴は……うん、居ないな。
「レオナさん。そのリラックス出来るアクセサリーって少しだけ貸してもらう事は出来ますか?」
「……いいけど、ちゃんと返しなさいよ? 出禁にするわよ!?」
「返すに決まってるじゃないですか。レオナさんの物はレオナさんの物。僕の物はレオナさんの物ですよ。……結婚してくれたら」
「何度も言ってるけど、する訳ないでしょ」
何故か真顔で冗談を言うレオナさんからネックレスを借りて身につけてみると、
「……凄いっ! 本当にリラックス出来る。まるで、レオナさんに殴られた時みたいに、頭が真っ白に――何もかもを忘れて空っぽになったみたいだ」
「余計な事は言わなくて良いのよっ!」
本当にリラックス出来たんだけど、突然レオナさんから軽めに怒られる。
さっきまで穏やかだったのに……このアクセサリーを外したからか?
「レオナさん。このアクセサリーって、どこで手に入れられたんですか?」
「内緒。とにかく早く返して」
「はいはい。では、僕はそろそろ商人ギルドへ戻りますね。また、よろしくお願いいたしますね」
……あのアクセサリーは、売れる。必ず金になるぞっ!
「はっはっは。そんな残念そうにしないでくださいよ。……ところで、レオナさんはいらっしゃいますか?」
「油を売りに来たんですか? それとも真面目にお仕事ですか?」
「もちろん、真面目にレオナさんを口説きに来ました」
冒険者ギルドの建物に入るや否や、ギルド職員のミーナちゃんからジト目を向けられる。
僕がレオナさんに夢中だからヤキモチを妬いているのかな?
でも、ごめんね。僕の心は既にレオナさんの物なんだ。
ギルドの奥へ進むと、いつも通りカウンターに大勢のイカツイ男たちが居る。
……何故か、いつにも増してレオナさんの所に並んでいる人が多い気がするんだけど、まぁいいさ。
こうして忙しそうに仕事をする君を眺めているのも、幸せだからね。
「レーオーナーさーんっ!」
僕の番が回ってきたので、早速声を掛けると、
「いらっしゃいま……あぁ、カインか。何をしに来たんだ?」
「頼まれていたポーションを納品しに来たんだけど……珍しいね。この時間帯なのに、レオナさんがイライラしてないなんて」
レオナさんが、いつもより優しく接してくれた。
普段なら、冒険者たちの相手で疲れ切っていて、相手が僕だと分かると、あからさまに不機嫌な表情を浮かべるのに。
まぁ、そもそもS級冒険者セーラの娘で、自身も元A級冒険者のレオナさんが、何故かギルドの受付嬢をしているから、皆が勧誘しようとして、大変な事になっているんだけどさ。
「ふふっ。凄いアイテムを身につけているからかもね」
「凄いアイテム?」
「これなんだけど……こうして身につけているだけでリラックス出来て、イライラが消えていくのよ」
「なっ!? なんて事だ! レオナさんっ! その可愛らしいネックレスは……ま、まさか男からプレゼントなのですかっ!?」
「違うけど……って、だからって貴方が喜ぶのは違うわよ? 貴方はただの商人ギルドのメンバーで、私は冒険者ギルドの職員。それ以上でも、それ以下でもないわ」
ふっ……またレオナさんは照れちゃって。
恥ずかしがり屋さんなんだね。
しかし、それよりも身につけるだけでリラックス出来るなんて、本当だろうか。
仮にそれが本当だとしたら、元々女性受けしそうな可愛らしいデザインのアクセサリーの商品価値が更に上がるのだが……A級冒険者のレオナさんともあろう方が、変な偽物を掴まされるとは考えにくい。
何といっても、A級のレオナさん一人でも、盗賊団を壊滅させられるくらいの戦力があると言われているのに、母親が規格外のS級冒険者だからね。
そんな母娘をだまそうとする命知らずの奴は……うん、居ないな。
「レオナさん。そのリラックス出来るアクセサリーって少しだけ貸してもらう事は出来ますか?」
「……いいけど、ちゃんと返しなさいよ? 出禁にするわよ!?」
「返すに決まってるじゃないですか。レオナさんの物はレオナさんの物。僕の物はレオナさんの物ですよ。……結婚してくれたら」
「何度も言ってるけど、する訳ないでしょ」
何故か真顔で冗談を言うレオナさんからネックレスを借りて身につけてみると、
「……凄いっ! 本当にリラックス出来る。まるで、レオナさんに殴られた時みたいに、頭が真っ白に――何もかもを忘れて空っぽになったみたいだ」
「余計な事は言わなくて良いのよっ!」
本当にリラックス出来たんだけど、突然レオナさんから軽めに怒られる。
さっきまで穏やかだったのに……このアクセサリーを外したからか?
「レオナさん。このアクセサリーって、どこで手に入れられたんですか?」
「内緒。とにかく早く返して」
「はいはい。では、僕はそろそろ商人ギルドへ戻りますね。また、よろしくお願いいたしますね」
……あのアクセサリーは、売れる。必ず金になるぞっ!
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