精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人

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第3章 精霊と新しい暮らしを始める元聖女

第37話 人は見かけによらない

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「あ、あの。クロードさん。夜の警護って……」
「はい。昼は王宮に行く為不在となってしまいますが、夜はこの家で寝泊まりしますので、リディア様に危険が無いように勤めさせていただきます」
「あ、そういう……そ、そうですよねー。む、無理し過ぎないようにお願い致します」

 もうっ! エミリーが変な事言うから、恥ずかしい事になっちゃったじゃない。

『えぇー。本当にウチのせいかなー? リディアも期待してた感じがするよー?』
(ち、違うもん!)

 エミリーのせいで、耳まで真っ赤に染まってしまい、

「あー、リディアちゃん。うちの愚弟がゴメンね。本当に気が利かないんだから」
「レ、レオナさんっ!?」
「そうよねぇ。どう考えても、今のはクロードが悪いわねぇ」
「セーラさんまでっ!?」

 二人から頭を下げられてしまった。
 それから、夕食をいただき、何故かレオナさんと一緒にお風呂へ入る事になり、就寝。
 翌朝になると、

「では、行ってまいります。母上、リディア様を宜しく頼みます」
「私も行ってくるねー。リディアちゃん。何かあったら、お母さんに頼るんだよー。何でも解決してくれるからさー」
「はいはい。リディアちゃんの事は任されたから、安心して行ってらっしゃーい!」

 クロードさんとレオナさんが出掛けて行った。
 クロードさんは騎士のお仕事だけど、レオナさんもお仕事なのかな?

「あの、レオナさんもお仕事ですよね? 何のお仕事をされているんですか?」
「レオナかい? レオナは冒険者ギルドの受付嬢なんだよ」
「へぇー。冒険者って、あの強そうな人たちですよね? あの人たちを相手にし続けるのは大変そうですよね」

 アメーニア王国からエスドレア王国へ移動する時に、護衛してくれた冒険者さんたちの事を思い出す。
 皆、凄く強そうな人たちだし、意見がぶつかる事があったら大変だと思っていると、

「はっはっは。レオナは私の娘だからね。この街で逆らおうって奴は居ないだろうから、案外楽かもしれないよ」

 セーラさんから意外な言葉が返ってきた。
 これを言葉通りに受け取ると、セーラさんがかなりの権力者だって聞こえるんだけど……あ、貴族って事かな?
 一先ず、外出はなるべく控えて欲しいと言われているので、私の部屋として貸してもらっている部屋で、ひたすらアクセサリーを作り続けていると、突然ドンっと、何かがぶつかったような音が外から聞こえてきた。
 けど、一度っ切りだったので、気にせず作業を続けていると、

「ただいまー」

 レオナさんが帰ってきた。
 それから暫くしてクロードさんも帰宅して、

「リディアちゃん。ご飯だってー!」

 レオナさんが部屋に飛び込んで来る。

「はい、ありがとうございます」
「いえいえー……って、それはなぁに? すっごく可愛いね」
「あ、私アクセサリー作りが趣味なんです」
「へぇー。凄い、器用なんだねー。……ちょっとつけても良い?」
「えぇ、どうぞどうぞ」

 レオナさんが、小さな木の枝をモチーフにした、緑と茶色のネックレスを身につけ、

「えっ!? どうしてかしら。不思議……今日の仕事で受けたイライラが治まっていく」

 不思議そうに、小首を傾げる。

「それは、煙水晶――スモーキークォーツっていう石を使っているんですけど、安らぎの効果があるんですよー」
「……リディアちゃん! このアクセサリー売ってくれない!? 言い値で買うわっ!」
「いえいえ、お世話になりますし、気に入ってくださったのなら、レオナさんにプレゼントしますよ」
「本当っ!? リディアちゃん、ありがとっ!」
「けど、レオナさんも、お仕事でストレスとかがあるんですね。セーラさんが権力者なのに」
「お母さんが権力者? うーん、権力者というより、実力者かな」

 実力者……って、どういう意味だろ?
 そんな事を考えていると、顔に出てしまっていたのか、レオナさんが笑いながら説明してくれた。

「お母さんはね、元冒険者なのよ。それも、国内最強のSランク!
 とはいえ、もう現役は引退しているんだけどね」

 あの温和で、優しそうなセーラさんが!?
 人って見かけによらないんだね。
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