精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人

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第3章 精霊と新しい暮らしを始める元聖女

挿話15 冒険者ギルドのマスターを説得しようとするギルド職員レオナ

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「マスター! 例の件、考えてくれましたー!?」
「ん? あぁ、レオナか。例の件っていうと、あのアクセサリーの事か?」
「はい。私が事前にお伝えした冒険者パーティの成績が、いずれも上がっていますよね?」

 仕事が一段落したので、リディアちゃんから聞いた、街の人たちにもアクセサリーを使ってもらう話……の前段として、もっと冒険者にアクセサリーを普及させる話をギルドマスターへ話に来た。
 今はリディアちゃんの行為に甘えて借りているけれど、先ずはこのアクセサリーをギルドでちゃんと買い取るなり、有償で借りる事にしなきゃ。
 でないと、アクセサリーを作ってくれるリディアちゃんだってモチベーションが上がらないと思うし、そもそも材料が買えなくなってしまうかもしれない。

「まぁ確かにレオナの言う通り、試験導入だって言っていた十組の冒険者パーティは、怪我が減って、依頼達成も早くなっている」
「ですよね。依頼が早く終われば、冒険者たちだってしっかり休養を取って更に負傷する可能性が減りますし、依頼主も早く依頼が解決されて助かりますよね?」
「その通りだな。だが、今回レオナが例のアクセサリーを貸し出したのは、いずれもA級に昇格間近と呼ばれる、勢いのある冒険者パーティばかりじゃないか。だから、アクセサリーに関係なく、偶然成績が良くなった可能性も考えられる」
「マスター。それ、本気で言っているんですか? 確かに、目を付けていたパーティに声は掛けましたけど、声を掛けた全てのパーティで成果が出ているんですよ? 十組中、十組全てが」

 マスターの言う通り、声を掛けた中の一部だけ……であれば、偶然と言われても仕方がないけれど、百パーセントだからね?
 流石にこれは偶然とは言わせないよ!?

「だが、そもそもの声を掛けたパーティに偏りがあった事は事実だろう? 例えば、C級やD級の冒険者だとどうかね?」
「成果は上がると思います。ですが、元の階級が低いので、それこそ偶然の結果の割合が高くなると思いますが」
「しかし、レオナは全ての冒険者に貸し出しを行いたいのだろう? だったら、本来は新米冒険者も含めて試験すべきだと思うのだが、どうかね?」
「……わかりました。では、C級とD級の冒険者にアクセサリーを貸し出し、結果を報告させていただきます」

 もうっ! リディアちゃんに借りているアクセサリーは数に限りがあるのにっ!
 そもそも、あの凄い効果を体験すれば、確認も何も……って、もしかして、

「マスター。ところで、マスター自身はあのアクセサリーを身につけられたんですか?」
「俺が!? いや、俺みたいなオッサンが、アクセサリーなんて着ける訳がないだろ!?」

 やっぱり効果を自身で確認していなかった。
 論より証拠。早速私が貰ったネックレスマスターに身につけさせようとして、

「おい、レオナ。そういうのは止めてくれ。俺は無理強いされるのは嫌いだって知っているだろ?」

 あっさり避けられてしまった。

「くっ……最近は運動不足だって言っていませんでしたっけ?」
「それはレオナも同じだろ?」

 ……現役を引退しても、流石は元S級冒険者――お母さんの元仲間だけはあるか。
 強制的にアクセサリーを身につけさせるのは、またの機会にするとして、一先ず信頼出来るC級冒険者パーティを探す事にした。
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