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第3章 精霊と新しい暮らしを始める元聖女
第43話 商店街でのお買い物
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先日現れた、商人ギルドに雇われたという男性を捕まえてから、数日。
何故か家を監視してくる変な人もいた訳だし、暫くは家の中で大人しく隠れて居ようと、家事のお手伝いをしつつアクセサリー作りを楽しんでいたんだけど、
「しまった……。材料が無いや」
作ろうと思ったアクセサリーに必要な材料の、手持ちが無い事に気付いた。
『ん? いつもレオナに頼んでいなかったっけ?』
(そうなんだけど、今日は違う物を作りたい気分になったから、材料をお願いしてなかったの)
『じゃあ、昨日と同じ物を作ったら?』
(ダメダメ。もう私の手と心が、あのアクセサリーを作れって叫んでいるからね。この熱い衝動は覆せないよ)
『……どこの芸術家なのさ。まったく』
エミリーには呆れられてしまったけれど、今まで作っていた可愛らしいアクセサリーに一区切りがついた所で、クールな感じのアクセサリーが作りたいって思ってしまったんだもん。
この想いは、絶対アクセサリーにぶつけないとね。
『で、どうするの?』
(もちろん買いに行くよ。幸い、この前空から街を見たおかげで、だいたい場所が分かったしね)
『ふぅん。でも、商人ギルドには行かない方が良いんじゃない?』
(あー、確かにそうだね。じゃあ、商店街にある個人商店を見て回ろうっと。案外、そういうお店の方が、穴場的に良い物を扱っていたりするもんねー)
念の為、工房――と勝手に呼んでいる私が使っている部屋から、完成したアクセサリーや作りかけのパーツなんかを、全てイドちゃんの力、何でも収納箱へしまってもらい、
「セーラさん。ちょっとだけ、お出掛けしてきますねー」
「あらリディアちゃん。お散歩かい?」
「はい、そんな所です。インスピレーションを得る為には、散歩が最適なので」
「いんす……? よく分からないけど、気を付けてね」
セーラさんに外出する旨を伝えて商店街へ向かう。
平日のお昼過ぎだからか、そこまで人も多くないし、人混みに紛れて襲われたりする事もなさそうね。
「何かしら、凄く良い香り……あの串焼きのお店ね」
「あ! この雑貨屋さん、可愛い!」
「こんな所に、手芸屋さんがあるんだ! ……そう、これ! こういう生地が欲しかったの!」
商店街を歩き、いろんなお店を見て回って、目当ての材料を見つけた。
『途中、関係ない所へ立ち寄りまくっていたけどねー』
(あはは。まぁでも、ちゃんと目的の物を見つけたから良いじゃない)
『まぁウチは別に構わないけど……って、あれ? リディア。あの前の方に居る男……この前言ってたカイルって男だよ』
(えっ!? あの、クロードさんの家を見張れって他の街の人を雇ったっていう?)
『うん。あ、どこかの建物に入るね。えーっと、冒険者ギルドって書いてあるね』
(本当だ。どうしよう。私たちも入って様子を伺ってみる?)
あれ以来、一応誰も家の近くには来ていなさそうだけど、依然として何が目的だったのかは分かっていない。
なので、放っておいても良さそうだけど、気持ち悪いので確認してみたいという思いもある。
『リディアが行ったら危ないからダメだってば』
(でも……)
『だから、リディアじゃなくて、ウチが行けば良いじゃない。という訳で、行ってくるねー!』
そう言って、私の返事も待たずにエミリーが冒険者ギルドの中へと入って行った。
なんだかんだ言っていたけど、エミリーはこういう人の秘密を聞くのが好きな所があるから、ただただ好奇心で行っているだけのような気もするんだけど。
そんな事を考えていると、早くもエミリーが戻って来た。
(エミリー。随分と早かったけど、どうしたの?)
『リディア、大変だよ! あのカイルって男が、レオナと談笑してるっ! あれは顔見知りっていうより、仲間……なんじゃないかな?』
え!? ど、どういう事っ!?
何故か家を監視してくる変な人もいた訳だし、暫くは家の中で大人しく隠れて居ようと、家事のお手伝いをしつつアクセサリー作りを楽しんでいたんだけど、
「しまった……。材料が無いや」
作ろうと思ったアクセサリーに必要な材料の、手持ちが無い事に気付いた。
『ん? いつもレオナに頼んでいなかったっけ?』
(そうなんだけど、今日は違う物を作りたい気分になったから、材料をお願いしてなかったの)
『じゃあ、昨日と同じ物を作ったら?』
(ダメダメ。もう私の手と心が、あのアクセサリーを作れって叫んでいるからね。この熱い衝動は覆せないよ)
『……どこの芸術家なのさ。まったく』
エミリーには呆れられてしまったけれど、今まで作っていた可愛らしいアクセサリーに一区切りがついた所で、クールな感じのアクセサリーが作りたいって思ってしまったんだもん。
この想いは、絶対アクセサリーにぶつけないとね。
『で、どうするの?』
(もちろん買いに行くよ。幸い、この前空から街を見たおかげで、だいたい場所が分かったしね)
『ふぅん。でも、商人ギルドには行かない方が良いんじゃない?』
(あー、確かにそうだね。じゃあ、商店街にある個人商店を見て回ろうっと。案外、そういうお店の方が、穴場的に良い物を扱っていたりするもんねー)
念の為、工房――と勝手に呼んでいる私が使っている部屋から、完成したアクセサリーや作りかけのパーツなんかを、全てイドちゃんの力、何でも収納箱へしまってもらい、
「セーラさん。ちょっとだけ、お出掛けしてきますねー」
「あらリディアちゃん。お散歩かい?」
「はい、そんな所です。インスピレーションを得る為には、散歩が最適なので」
「いんす……? よく分からないけど、気を付けてね」
セーラさんに外出する旨を伝えて商店街へ向かう。
平日のお昼過ぎだからか、そこまで人も多くないし、人混みに紛れて襲われたりする事もなさそうね。
「何かしら、凄く良い香り……あの串焼きのお店ね」
「あ! この雑貨屋さん、可愛い!」
「こんな所に、手芸屋さんがあるんだ! ……そう、これ! こういう生地が欲しかったの!」
商店街を歩き、いろんなお店を見て回って、目当ての材料を見つけた。
『途中、関係ない所へ立ち寄りまくっていたけどねー』
(あはは。まぁでも、ちゃんと目的の物を見つけたから良いじゃない)
『まぁウチは別に構わないけど……って、あれ? リディア。あの前の方に居る男……この前言ってたカイルって男だよ』
(えっ!? あの、クロードさんの家を見張れって他の街の人を雇ったっていう?)
『うん。あ、どこかの建物に入るね。えーっと、冒険者ギルドって書いてあるね』
(本当だ。どうしよう。私たちも入って様子を伺ってみる?)
あれ以来、一応誰も家の近くには来ていなさそうだけど、依然として何が目的だったのかは分かっていない。
なので、放っておいても良さそうだけど、気持ち悪いので確認してみたいという思いもある。
『リディアが行ったら危ないからダメだってば』
(でも……)
『だから、リディアじゃなくて、ウチが行けば良いじゃない。という訳で、行ってくるねー!』
そう言って、私の返事も待たずにエミリーが冒険者ギルドの中へと入って行った。
なんだかんだ言っていたけど、エミリーはこういう人の秘密を聞くのが好きな所があるから、ただただ好奇心で行っているだけのような気もするんだけど。
そんな事を考えていると、早くもエミリーが戻って来た。
(エミリー。随分と早かったけど、どうしたの?)
『リディア、大変だよ! あのカイルって男が、レオナと談笑してるっ! あれは顔見知りっていうより、仲間……なんじゃないかな?』
え!? ど、どういう事っ!?
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