137 / 143
第6章 太陽の聖女と星の聖女
第307話 イナリVSトリスタン王子
しおりを挟む
「ふはははっ! またお前か! 昨日、見逃してやったと言うのに愚かだな!」
「ふっ。魔王の力を得たという以上、放ってはおけぬ」
「魔王の力を使いこなせるようになった俺様に、挑もうとする事が如何に無謀か教えてやろうではないか」
イナリが凄い速さで動き、トリスタン王子に向かって行った。
だけど、トリスタン王子もイナリと同じくらいの速さで動いている!?
二人の動きを目で追うのが精一杯で、私たちだけでなく、教会の大部屋に居た各国の精鋭さんたちも動きを止めた。
「あの銀髪の男は何者なのだ!? 魔王と同等の速度で渡り合うなんて」
「いや、それより魔王の速度……あんな速さで動けたのか。あんなのに、どうやって勝てというんだ」
「今までは高笑いを上げながら、雷を撃ってきただけだったが、あの速さで動かれたら……正直、お手上げだ」
おそらく、各国を代表して来ている凄い人達なのだろうけど、その人たちが絶望する程の戦いなんだ。
普段からイナリが凄い速さで魔物を倒しているから慣れてしまっていたけど、やっぱり人の域を越えた戦いなのかもしれない。
そう思ったところで、トリスタン王子が距離を取って動きを止める。
「くらえっ!」
「くっ……」
「ふはははっ! 多少、動きが速かろうと、雷を越える事は出来まい!」
トリスタン王子がかざした手から黒い雷が放たれ、イナリが貫かれる。
慌てて駆け寄り、神水を生み出したのだけど……トリスタン王子の声が響き渡った。
「アニエス! その男と共に消えろっ!」
「えっ……」
トリスタン王子が再び手をかざし、視界に黒い何かが飛び込んでくる。
だけど、何の痛みも衝撃も感じない?
「お姉さん! 間に合って良かった!」
「これは……ミアちゃん!? ありがとう!」
黒い何かはミアちゃんが生み出した土の壁が防いでくれたようで、私もイナリも新たなダメージは負っていない。
とはいえ、先程の一撃があるので、ミアちゃんが出してくれた壁の内側で、イナリに神水を飲んでもらった。
「アニエス。すまぬ」
「お礼ならミアちゃんに」
「そうだな。ありがとう」
イナリが素直にお礼を言ったところで、ミアちゃんが照れ隠しのように口を開く。
「えっと、土の壁で雷を防ぐ事は出来るけど、イナリもバカ王子も速過ぎるよっ!」
「うむ。だが、一つわかった事がある。どうやら奴は、動きながら雷の力を放つ事は出来ないようだ」
確かにイナリの言う通りなのかも。
もしも動きながら雷を放って来られたら、イナリはともかく私たちは避ける事が出来ないもの。
とはいえ、あの攻撃は速過ぎるので、動きながらじゃなくても避けられなさそうだけど。
「だけど、トリスタン王子がイナリと同じくらいの速さで動けるなんて……どうすれば良いんだろう」
「それについては、我とコリンの策がある。ただ、使う為に条件があり、かつ一度しか使えないだろう」
「じゃあ、その一度に賭けるしかないのね」
私の言葉にイナリが頷き、再び高速でトリスタン王子と渡り合う。
その間、コリンが弓矢を構えたまま、ジッと二人の戦いに目を向けている。
もしかして、二人の策って、コリンが矢でトリスタン王子を射抜く事なの!?
幾らコリンが弓の練習をしていたとはいっても、あの速さのトリスタン王子を射抜くのは無理じゃない!?
ど、どうするつもりなのっ!?
「ふっ。魔王の力を得たという以上、放ってはおけぬ」
「魔王の力を使いこなせるようになった俺様に、挑もうとする事が如何に無謀か教えてやろうではないか」
イナリが凄い速さで動き、トリスタン王子に向かって行った。
だけど、トリスタン王子もイナリと同じくらいの速さで動いている!?
二人の動きを目で追うのが精一杯で、私たちだけでなく、教会の大部屋に居た各国の精鋭さんたちも動きを止めた。
「あの銀髪の男は何者なのだ!? 魔王と同等の速度で渡り合うなんて」
「いや、それより魔王の速度……あんな速さで動けたのか。あんなのに、どうやって勝てというんだ」
「今までは高笑いを上げながら、雷を撃ってきただけだったが、あの速さで動かれたら……正直、お手上げだ」
おそらく、各国を代表して来ている凄い人達なのだろうけど、その人たちが絶望する程の戦いなんだ。
普段からイナリが凄い速さで魔物を倒しているから慣れてしまっていたけど、やっぱり人の域を越えた戦いなのかもしれない。
そう思ったところで、トリスタン王子が距離を取って動きを止める。
「くらえっ!」
「くっ……」
「ふはははっ! 多少、動きが速かろうと、雷を越える事は出来まい!」
トリスタン王子がかざした手から黒い雷が放たれ、イナリが貫かれる。
慌てて駆け寄り、神水を生み出したのだけど……トリスタン王子の声が響き渡った。
「アニエス! その男と共に消えろっ!」
「えっ……」
トリスタン王子が再び手をかざし、視界に黒い何かが飛び込んでくる。
だけど、何の痛みも衝撃も感じない?
「お姉さん! 間に合って良かった!」
「これは……ミアちゃん!? ありがとう!」
黒い何かはミアちゃんが生み出した土の壁が防いでくれたようで、私もイナリも新たなダメージは負っていない。
とはいえ、先程の一撃があるので、ミアちゃんが出してくれた壁の内側で、イナリに神水を飲んでもらった。
「アニエス。すまぬ」
「お礼ならミアちゃんに」
「そうだな。ありがとう」
イナリが素直にお礼を言ったところで、ミアちゃんが照れ隠しのように口を開く。
「えっと、土の壁で雷を防ぐ事は出来るけど、イナリもバカ王子も速過ぎるよっ!」
「うむ。だが、一つわかった事がある。どうやら奴は、動きながら雷の力を放つ事は出来ないようだ」
確かにイナリの言う通りなのかも。
もしも動きながら雷を放って来られたら、イナリはともかく私たちは避ける事が出来ないもの。
とはいえ、あの攻撃は速過ぎるので、動きながらじゃなくても避けられなさそうだけど。
「だけど、トリスタン王子がイナリと同じくらいの速さで動けるなんて……どうすれば良いんだろう」
「それについては、我とコリンの策がある。ただ、使う為に条件があり、かつ一度しか使えないだろう」
「じゃあ、その一度に賭けるしかないのね」
私の言葉にイナリが頷き、再び高速でトリスタン王子と渡り合う。
その間、コリンが弓矢を構えたまま、ジッと二人の戦いに目を向けている。
もしかして、二人の策って、コリンが矢でトリスタン王子を射抜く事なの!?
幾らコリンが弓の練習をしていたとはいっても、あの速さのトリスタン王子を射抜くのは無理じゃない!?
ど、どうするつもりなのっ!?
98
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。