女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
71 / 1,519

星のマークでお馴染みの

しおりを挟む


 朝食を摂りながら、昨日からの思案を纏めてる。
箱を作るのは簡単だ。真っ直ぐな素材があれば良い。しかし船は曲線が入るので一筋縄にはいかん。どうやって曲げるか…、最初から曲げて切るか…。

「イゼッタ、板を曲げる事って出来るか?」

「丸太から切り出す事は出来る。けど勿体ない」

「そうだな」

「板を水でふやかして曲げる?乾くと戻りそう」

「大きく切って組み上げた後、削ると言うのはいかがでしょう?お茶が入りましたよ」

「ん…、テイカに同意」

「それしかないかー…、ん?」

「閃いた?」

「ああ、別に曲げる必要なくね?って思っただけだが」

「流石カケル様です」

「四角い箱に三角を付けるだけだよ」

船の胴体はこれで良いや。荷車は何度か見たが、車輪は木製でサス無しなんだよな。勿論ステアリングも無い。

「何考えてる?」

「車輪、車軸、車輪の舵取り、耐震装備」

「んー…」

「車輪をどうにかする何て発想自体ありませんね。ホルストの移動する方向に車輪を滑らせるだけですし。耐震装備?は言葉すら初めてです」

殆ど地球の知識だから仕方ないか。頭で考えるにも限界はあるし、模型でも作って多角的に考えてみるか。

「考えても始まらん。模型作るぞー」


 そんな訳で、三人で模型作りに取り掛かる。
荷車自体は四角い木っ端で良い。問題は足回りだから。
テイカにシャフト、イゼッタに車輪を作って貰う。
四つ合わせた車輪の真ん中にシャフトを通し、車輪を回しながら削って径合わせと真円出し。
車体の木っ端に穴を開けてもらい、シャフトを通したら、左右から車輪を差し込んで車の模型の完成だ。
フェルトを作った時の板を地面に敷いて斜面にし、転がして遊ぶ。

「子供向け玩具」

星のマークでお馴染みの模型だな。
差し込んであるだけなので走らせてるとタイヤ取れちゃうけど、タイヤ一本毎に稼働するのは曲がりやすいと思った。これは採用だな。

イゼッタの風魔法でシャフトの通る穴を垂直方向に少し伸ばしてもらい、テイカには鋸で斜めに切って貰う。因みに鋸は絶対に貸してくれない。
イゼッタの伸ばした穴の上にバネ代わりの布を巻いて押し込む。実車でどうするかはまだ決めてないが仮のサスが出来た。

板に砂等を撒いて走らせてみる。敢えて言おう、模型じゃ判らん。何度か斜面を走らせてると、二人が無加工のマシンを作り上げたので一緒に走らせてみる。うん、無加工の方がガタガタしてる。

走らせた時に浮上した不具合を修正し、作りを単純にする為に何度か作り直した結果、模型としては上出来な感じになった。
おかげで今は夕方。昼飯を食いそびれた。おもちゃ遊びで日が暮れるとか子供か!?

 テイカが夕飯を作ってくれてる間、俺は端切れ板に考えを纏め、イゼッタはマシンの後ろから器用に風を当て、走らせながら追いかけてる。すっかり四駆女子だ。

「かっとべー」

部屋でやるんじゃない。足元に転がって来たマシンを掴みあげる。

「カーケールー、カーケールゥー」

甘えて縋って躙り寄る。可愛いかよ。

「夕飯終わるまでダメ。テイカが踏んだら困るだろ?やるなら寝室でやんなさい」

優しく手渡し窘める姿はまるで父娘である。ヤダーと言って抱き着いて来る娘。そこに料理を持った妻が現れる。

「イゼッタ様、夕飯ですのでお片付けなさって下さいね。カケル様も手を休めてください」

そこはイゼッタちゃんとあなた、で頼む。
そんなこんなで飯風呂寝る。
テイカ、俺、マシン、イゼッタの並びで寝た。
マシンに寝盗られた感…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...