240 / 1,519
鉄板作り
しおりを挟む今日は朝から鉄板作り。とは言え出来るだけ加工は効率化したいので、飯食いながら考えます。今《収納》してあるのは一ドン厚のデカい鉄板が五枚。これを重ねて型抜きすれば…って思うけど、型抜きの時間が結構掛かると予想出来るのでそれを何とか短縮したいのだ。抜き終えた残りを板にして再び型抜き作業をする事にもなるしな。《散開》や《伸縮》が細かい作業に向いてないのもある。
「鋳物の手法かー。型を量産しないといけないな」
「考えるのは食事を済ませてからに致しませんか?せっかくのスープが冷めてしまいますよ?」
リアの言も最もだ。スープに浮かぶ野菜を掬い、閃いた。
「考えてたのが馬鹿みたいだ。すぐ近くで答えが見つかったよ」
食後のお茶もそこそこに、未完成の鉄板を数枚用意して玄関前へ。
「カケル、一体何を始める気だ?」
「型を作るだけだよ」
空に上がり、《収納》から鉄材を取り出し浮かべる。デカい円盤なので地面に出せないのだ。其奴を一旦直径四十ドンの鉄柱にして、十ドン程の厚みで《伸縮》させて千切り取る。先ずは此奴で型を作るのだ。
地面に降りて、未完成の鉄板を重ねたら《集結》でくっつけて、凸凹を《伸縮》で真っ直ぐに均す。その鉄塊に、先程千切った鉄材を横から《伸縮》で巻き付けて密着させる。内側の鉄塊は《集結》で縮めればスポッと取れた。最後に、鉄材の片方の端を鉄板が入る大きさ迄伸ばして拡げたら型の完成だ。
「それが型?」
「ご主人、どう使うのだ?」
「刮目して見るが良い」
空に上がって鉄板の先に型を宛てがい、鉄板に重力を与えてやる。勿論《伸縮》で柔らかくするのも忘れずに。型に押し込まれた鉄柱が、ニュルニュルと型の形に押し出されて行く。
「何か、凄い」
「取っ手なんて作らなきゃこんな面倒しなくても済んだのにな」
「カケル様、取っ手は必要です」
「俺もまあ、そう思うがな」
型取りした鉄柱は、長さが大体五十ハーン。一ハーンで百枚取れるので、これだけで五千枚取れる計算である。《収納》されっ放しの無加工の円盤は後四枚。取り過ぎたな。
柔らかい状態の鉄柱なら、粘土を切るように紐で切れてしまう。が、紐が無いので頭を使う。型の基になった鉄塊を少し毟って細い糸にした。直接持って作業すると手が切れそうなので端は太い輪っかにしといた。
「鉄板、切る?」
「もうちょっとだけ準備するのだよ」
イゼッタが作り置きしてる板に、一ドンの出っ張りを付ける。これをガイドにして切れば厚みが均等になるって訳だ。指示したらテイカが直ぐに作ってくれたよ。これで作業に取り掛れる。
鉄柱を板に乗せて鉄線で切り、新たな板に乗せて切る。切られた鉄板は魔石を埋めたら空に浮かべ、ある程度溜まったら《伸縮》を解いて固めると言う工程となった。鉄柱を切り出して直ぐに属性魔石を作り忘れていた事に気付き、魔石作りをする羽目になった。
「カケルは意外とうっかりさん」
「人らしくて良いじゃないか」
「完璧成らざる方が魅力的に映りますしね」
「足掻く姿が好きですよ、ふふっ」
「疲れたら何時でもあたしに飛び込んで下さい」
「カッケー!」
皆に格好良い所見せられるように、パパ頑張る。
その後、火の属性魔石を三千粒、魔導コンロを千枚作って夕飯を待てずに泥のように寝た。明日からは少しゆっくり過ごしたいと思う。昼近くまで寝て、遅い朝食を食べて外に出ると、浮かんだ鉄柱に子供等が弓矢を撃ち込んで遊んでた。柔らかいのでブスブス刺さって楽しそうだ。仕舞い忘れた後悔は、子供等の笑顔で帳消しとなった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる