女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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胃を掴まれている

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 焼肉パーティーの二次会も焼肉パーティーだった。両親殿も帰って来てママ上殿の野菜料理が胃に優しい。

「カケル様、モリタケが焼けましたよ?」

「はいママー」

すっかり胃を掴まれている俺である。

「カララちゃんもモリタケ食べましょうね?」

「クルアキャー」

すっかり胃を掴まれているカラクレナイである。

「カララちゃんが取られてしまいました。ママ寂しい」

「この家の女は何故龍に好かれているのか?第二夫人はまだ分かるが、その母も唯の人だろうに。加護でも付いているのか?」

「カケルまで懐いてる」

「これが母性と言う物なのでしょう。私達に欠けている物です」

「私も母なんだが…」

モリタケ美味いんだもんしょうがないじゃないか。そんなこんなで和気藹々と食事は進み、カロは仕事に戻って行った。

「そう言えば、街の事を聞くのを忘れてた」

「それなら私が教えてやろう」

タマリー曰く、戦争に出ていたこの国の船が戦争もせず帰って来るのだと言う。
宰相はちゃんと働いてるみたいだな。
で、街に入って来るのは正規の兵隊だけで無く、傭兵や賞金稼ぎのようなゴロツキも多数居る為、一時的に治安が悪くなる。そうなると、街に居る冒険者や露天商は被害に遭いたく無いって事で他の街に避難する。と言う訳でここ数日街からの移動者が多いのだそうな。
両親殿の寄り合いでもその話が出ていて、出来るだけ店は開けない、用心棒を雇う等の対応を取りましょうって話だったらしい。

「カケル様、家では買い溜めして、店も閉めて、家でゆっくりするのが一番だと結論を出しました」

家長である親父殿がママ上殿と相談して出した答えだ。異論は無い。

「それが良いね。何かあったら俺達が助けになろう。んで、タマリーさんや、其奴等は何時頃帰って来ちゃうんだ?」

「もう船は港の外に居るぞ?明日にでも主立った船は小舟に牽引されて入港するだろう。唯、全ての船は入らないから有象無象共の入港はそれよりも後になるだろうな。治安が悪くなるのはそこからだ」

「こんばんはー」「カケル様が居ると聞いて来ました」

裏口から顔を覗かせシトンとアズが来た。討伐依頼の帰りだそうで、ギルドで俺が居るのを聞いたらしい。

「すげー肉食ってるって聞いたぞ?」

「腹減ってるんなら食ってけ」

「カケルさん大好きー」

抱き着いて来るシトンを《洗浄》して、好きなだけ食うが良い。食いながら聞く所に依ると、二人はカロ邸の護衛をして治安悪化状態を凌ぐそうだ。

「カケルよ、お前はどれだけ妾が居るのだ?」

「これで多分全部だよ」

「などと供述しており」

「あ、冒険者のシトンだ、よろしく」

「同じくアズです。宜しくお願いします」

「ミーネだ。お前は宜しくしてやろう」

「えー酷くね?」

「シトン、カケル様の連れ合いに私達より弱い人が居ると思う?」

「…サミイ」

「経済的に上でしょうが」

「ぐぁー!ミーネ様底辺冒険者にも宜しくして下さいー」

「断る」

「うわーん」

「ミーネ、可愛いくて構っちゃう系の娘だろ?」

「ふっ。愛玩動物としてなら宜しくしてやる」

「うわーん」

街の雰囲気に反して、この家は平和だ。その後シトンとアズにカラクレナイを紹介してパーティーはお開き。皆で片付けカロ邸に向かった。

 今夜はお話もあるのでサミイもカロ邸に泊まる事にしてもらった。カラクレナイはサミイの部屋でお泊まりしたかったようで少しだけグギグギ言ってたが、サミイに装備されたら全てを許してた。うちの子マジ天使。
カロ邸に着いて、アルネスに詫びた。家主と居候の分のご飯作っちゃってたんだって。明日の食事分の材料はあるので、これで勘弁して下さい。
たっぷり野菜と鳥肉見せたら許された。
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