344 / 1,519
罪な女
しおりを挟む夕方までハーク坊っちゃまを持て囃し、今日は素直にメイドと一緒にハーク邸を後にした。前にジジババのゾーイ車も居るし、職質はされないだろう。
「貴様!何故麗しのライナ嬢と一緒に歩いている!」
西通りの出口でフラグ達成。メイドに気がありそうなので引導を渡してやろう。
「ライナと言うのか」
「はい。カケル様にご迷惑をお掛けして申し訳ございません」
「呼び捨て!」
「良いさ。所でライナ、誰彼構わず怒鳴りつける男を旦那にしたいと思うか?」
「いいえ、思いません。力をひけらかさず、優しい物腰の男性が理想です」
もう立ち上がれないな、ご愁傷様である。メイドも笑ってる。罪な女に別れを告げて、星が瞬く東に向けて歩き出した。
「甘~いお菓子の匂いがする」
宿に帰ると受付の前で待ち構えていたワーリンに抱き着かれてクンカクンカされた。犬か。ああ、犬系獣人だったな。
「女の匂いじゃ無いのが驚きね」
「女の匂いはするけど…、おばあちゃんかな?取り敢えずコレは使ってないねー」
「そうだな。午後になってハークに拉致されたけど昼間は外で仕事だったからな」
「そこでお菓子をご馳走になったのね」
「食ってないぞ?昼飯をご馳走になって腹一杯だったし、ハークの幸せそうに食う顔を見て満足した」
立ち話も何だし、食堂に移動して夕飯を食べながら二人の話を聞いた。二人は公共浴場に行ったそうだ。良いなぁ、股間のアイツがこんなになってからは一度も行ってないよ。アイツに《阻害》を掛ければ何とかなりそうな気もするが、ジョンくんみたいなのが入って来たらバレてしまうだろし、萎えさせる事も出来無くも無いが、混浴での揉み揉まれに慣れてしまった俺にはもう公共浴場には入れないと思う。
話は変わり、明日からはまたランク上げの依頼をこなす事になったのだが、二人でいくつか依頼を見繕って来たらしい。キュルケスが居るおかげでDランクの依頼を受けられるのが有難い。もう一人か二人Cランクが居ればCランク依頼も受けられるそうだがワーリンに伝手は無く、諦めざるを得ない。やれる事をやろう。
ヤりたいだけヤっての翌日。今日は西門に直行だが、ダンジョンに潜る訳では無い。その先の森での討伐依頼だ。とは言え折角だし、序にダンジョンの入口を見学してく。
「話には聞いてたけど、地下迷宮なのね」
小さな神殿風の建屋が入口を塞ぎ、衛兵が立っている。その横の建屋に冒険者共が列を成し、ガラガラ籤を回して一喜一憂してた。当たった者はチケットと金を交換してダンジョンへ、外れた者は走ってギルドに向かってく。冒険者は勤勉だ。
一通り見物して俺達も仕事先に向かう。今回の依頼は野良ゾーイの生け捕りだそうで、一頭単位の出来高払い。雄雌子供問わず一頭分支払ってくれるそうな。
子ゾーイを放置すると生き残れないだろうしな。それに、調教するなら子供の方が良いのだろう。橇風呂を蹴って街道を進んだ。
雪深い時期のゾーイは、木の皮や雪に埋もれた枯れ草等を食べて飢えを凌いで居ると言う。昨日乗ったゾーイも俺が除雪した途端モグモグ始めてた。飼う方も、餌を工面するのが大変なのだろうな、サイロも無いみたいだし。
《感知》を使い、ケブを殴りながら野良ゾーイに近付いて行く。
「お前さん、オレの拳じゃゾーイを殺しちまうよ。どうやって捕まえたら良いんだい?」
「私は一度やった事あるわよ?ロープで足元なり首なりを縛って木に繋げると、木の周りをぐるぐる回って木にくっ付くの。それから一旦木に縛り付けて、目隠ししたら落ち着くまで待って街まで連れてくの」
「大変な仕事だな」
「お金にはなるのよ。私が参加した時は八十人くらいで三日掛けて二十頭くらい捕まえてたかな?それで一人十五万ヤンくらい」
「えーと、十五万×八十÷二十…十五の四倍で一頭当たり六十万ヤンか」
「変な計算だけど合ってるわね」
変かな?
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる