女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
345 / 1,519

洗脳は禁呪

しおりを挟む


 野良ゾーイの群迄後五百ハーンの位置で空に上がる。匂いで気付かれなくなるし上は死角だからな。

「お手並み拝見」

「オレも見てる」

「見ても真似出来んけどな」

《感知》で確認してる十二頭を《集結》にて一箇所に集めてやると、ゆっくり集まりおしくらまんじゅうが始まる。ギュウギュウとひしめき合う迄に集まった所で弱い《洗脳》を掛けて空に浮かせる。
捕獲完了。七百二十万ヤン也。

「凄い凄い!」

「何したの?」

「浮かせるだけでも良いんだが、暴れると調教に影響が出そうだったから落ち着くように洗脳したんだ」

「魔法の洗脳は禁呪だから注意してね?スキルの洗脳なんて初めて聞くから何とも言えないけど」

「敵以外にはしないさ」

「それが良いわね」

これ以上捕まえても買い叩かれる可能性があると言うので街に戻ろう。昼飯に間に合うに越した事は無いからな。ダンジョンの五百ハーン程手前で街道に降り、野良ゾーイの背中に乗ってゾロゾロ移動します。一応、用心の為に四頭ずつ雑木製のロープで繋いで、これまた雑木製の目隠しをしてあるが、視力以外の感覚でも普通に歩けてるみたいだ。

「おいおいおい、お前等そのゾーイ多過ぎだぜ?俺達に半分よこしなー」

野盗と思うだろ?冒険者なんだぜ?パッと見五人、《感知》で八人のゴロツキ…否、野盗に囲まれてしまった。

「お前さん…」

「ヒヒッ。その犬っころ雌みたいだぜ?俺等と一緒に来いよ。良い目見させてやんぜ?」

「三人隠れてるから気を付けとくれ」

「安心しろ、バレバレだ」

「それはご愁傷様ね」

「お前ぇ等ダンジョンにも入れねぇ低ランクのクセに物分りが悪りぃみてぇだな」

「御託は良いから早く得物を抜けよ。昼飯が遅れるだろうが」

抜かせないけどな。
隠れて魔法を使おうとした奴を筆頭に、全員を《威圧》にて動けなくさせると、全員の装備を《収納》して全裸にひん剥いた。《集結》で一箇所に集めて《洗脳》し、解放した。

「お、お前さん。これどうするつもりだい?」

「此奴等は変態だから裸で街に帰ると思うぞ?」

「入れたら良いわね…」

変態共は俺達がその場から見えなくなる迄、物言わず立ち尽くしていた。


「大儲けしたわね!」

「金銭感覚狂いそうだよ…」

街の南西、ゾーイの厩舎に野良ゾーイを持って行くと、その状態の良さから報酬に色が付いた。全十二頭、内子ゾーイ三頭で八百四十万ヤン。三人で割って二百八十万ヤンをギルドにて振り込んでもらい、今はギルド横の安酒場で昼飯中である。腹が減ったワーリンの鼻にヒットした店で、量も多くて味もそれなり。店の主人が怖いのか、フラグを立てれば直ぐにでも絡んで来そうなゴロツキ顔も、目の前の肉に集中している。
ドウドウの肉を切らずに被り着くワーリンはやはり犬系獣人だな。長い舌を出しながらガジガジしてるのだが、舌を噛まないか不安になるな。一方、ちまちま切ってつまつま食べるキュルケスは何だかエビやカニみたいだ。歯に詰まるのが嫌だと言う。
お腹一杯。客も増えて来たし、食後の水では一息着けないので宿に戻ってお茶にしよう。道具屋で獣人をダメにしないお茶っ葉を買って帰路に着いた。

「くぅ~ん、お前さぁん」

俺の部屋に集まりお湯を沸かす間、ワーリンにデレられた。背中を俺の胸に擦り付けてくねくねすりすり。ちゃんと獣人をダメにしないお茶っ葉を買ったんだがなぁ。

「よーしよしよし。しかし随分とデレデレしてるな」

「ご飯をお腹一杯食べられたからじゃない?」

「そうなのか?」

「違うけど、違わないかも?」

「もしかして、発情期とか?獣人の事詳しくないけどそう言うのあるんでしょ?」

「人とラビアンは万年発情期だが、ワーリンの種族はどうなんだろうな」

「わう~、子供は雪の降り始めくらいによく産まれてたかもぉ?」

季節感が分からないから何時が発情期か分からない。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~

蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。 情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。 アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。 物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。 それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。 その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。 そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。 それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。 これが、悪役転生ってことか。 特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。 あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。 これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは? そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。 偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。 一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。 そう思っていたんだけど、俺、弱くない? 希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。 剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。 おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!? 俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。 ※カクヨム、なろうでも掲載しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...