女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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熱い

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 目覚めて朝。殆ど寝た気がしないけど、仕事したそうな目でリュネが俺の手を握握してるので起きなければ…。他の子達は皆それぞれの仕事に向かい、ちょっと遅めの朝食をリュネとアルネスの見守る中食べた。少年隊の出征を見送る事が出来無かったのは残念だ。今からでも行って見守りたい。
飯食って糞したらアルネスにお弁当をもらってリュネを伴い外に出た。

「乗って、乗って、早く、乗って」

「まだ門前だよ。も少し行ったらな」

腕に巻き付きテンション高め、背中に乗られるのはさぞかし嬉しい事なのだろう。腕に掛かる圧が強くなって来たので二人に《阻害》を掛けて空に上がった。周りに居た人達はイチャイチャカップルが突然消えてびっくりしたろうな。その後で龍の魔力が溢れて更にびっくりした事だろう。ああ、元傭兵が祈ってる。俺の《阻害》じゃバレちまうマジ困る。

「意志の力を強く持つんですよ」

「阻害したいー…ってか」

「そんなもんです」

きらり輝って急降下、ゴーと噴かして急上昇。長い尻尾を振り乱し、ブレスを吐くのは止めなさい!

「嬉しいの?」

「とーっても!」

「高高度とは言えブレスは我慢してくれ」

「ああん、いけずぅ」

龍の姿で言っても可愛くないぞ、キレイだが。口の端からボフボフ食み出すブレスが熱い。熱い!

「熱い!!」

「ご、ごめんなさい」

単純な火のブレスだから熱いで済んでるが、海竜装備だから熱いで済んでるのだ。毒とか放射熱線だと死んじゃうぞ?目がシパシパするので回復掛けとこ。
そんなこんなで島に着き、先ずは《感知》で生命反応を探す…、人は居ないな。タマゲルが十八匹も居る!蟹は無数に居て数えられん。木のモンスターは三本で、増えにくい種族なのかも。

「なるべく蟹達の住処を侵さないように作りたいな」

「確か、トイレの穴に住まわせるのでしたっけ?」

「そのまま垂れ流すと湖がダメになるからね」

 人型になったリュネに待てをして、島の中央に降りた俺は、足元に直径二ハーンの穴を《収納》で開けた。深さは五十ハーン。光の棒を持って穴の中に入り、地下水が出て来ないか確認しながら降りてった。十ハーン程に岩盤があり、そこから水が出てたので《集結》で堰き止める。後で全体的にやらなきゃいけないな。更に十五ハーンにあった帯水層も堰き止め、最下層も岩盤だった。
《感知》でしっかり周りを把握し、縦横高さ十ハーンの空間を《収納》してスペースを確保すると、前後左右に二十ハーンずつ空間を作り十字路とし、通路の突き当たりから左右に二十ハーンずつ、四辺《収納》して田の字となった。これだけあれば多少人が多くなっても問題無いだろう。全ての壁を《集結》で固めて地上に戻った。

「お疲れ様」

「トイレ用の地下室作って来たよ」

「でしたら蟹を入れましょう」

「まだ餌がな…くはないな。捨て忘れた内臓があったわ」

今度は二人で穴に入る。この穴から蟹を入れると十ハーン落下して死んでしまうかも知れない。貴重な蟹を滅ぼしかねないので新たに通路を作ろう。外側の壁の端からスロープ状に削り取って行く。

「カケルさん、私にもお手伝いさせて下さい」

「地下水が出るから固めながら頼むよ」

「はぁい」

結果、見事な白磁の螺旋階段になった。そう言うのは人の来る所だけでええんやで?長い長い階段を上がり外に出ると、俺が以前作った排水升の中だった。偶々にしてはやりおるな。

「人の子が遺跡だ等と言っていたのでそれっぽくしてみました」

偶々じゃなかった!恐ろしい龍である。だがこのままでは雨が入るし臭いも上がってきちゃうので煙突を作ろう。蟹やタマゲルの入る隙間を開けて排水升を高さ十ハーン程の円筒で囲い、上に屋根を付けた。リュネに下から風を送ってもらい通風を確認したら、再び中央の穴から中に入って餌を出し、蟹を《集結》。集まった蟹に混じってタマゲルもぴょんぴょんしてるよ。餌に集るのを確認したら、中央の穴を塞ぎながら外に戻った。
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