女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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昭和のアイドル

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 地下室を作るつもりは無いが、三十五ハーンまでは掘れる事をリュネに説明し、家の土台を考える。

「カケルさん、何人が住み着いて、何人が遊びに来るかを考えるのが良いと思います」

「洞窟の奥の方で暮らしてそうなのに、よくその発想が出るな」

「あら、偏見ですよ?海の見える洞窟に住んでるのも居ますし」

洞窟なのは確定なのな。住み込みは少年隊、足繁く通ってもらうのはアズとシトン。買い物等で俺、カラクレナイ、妻三人、メイド三人、テイカにワーリン、大人龍三頭。他にも居るなぁ。

「人型十七とカラクレナイ。カロ達兎達を含めると更に増えるか…」

「島みたいに、食事の場所と寝る場所を分けるのも一つの方法ですね」

「全部引っ括めてワンフロアにしても良いな。
地下一階はお風呂とトイレ、地上一階は食堂、二階以降は居住スペースって感じでな」

「おトイレが遠くなりますね」

「作っても二階までだな。排水管は詰まると面倒臭いしな。蟹達が溺れるから水を流しっ放しにも出来無いし」

カラクレナイが入る事を考えると地上一階は高さ二十ハーンは必要か。その周りに居住スペースを作れば良さそうだな。

「なあリュネよ、カラクレナイは風呂とかトイレはどうしてるんだ?」

「カララちゃんは常にキレイですし、うんちなんてしません」

昭和のアイドルかな?

「魔力のある龍は常に《洗浄》したような状態なんですよ。大きな汚れは洗った方が早いですけれどね。それに、食べた物はほぼ全て魔力に変えられるので殆ど排泄しません」

「小さい頃入ってたのは、入れる大きさだったって事だけだったのか」

「遊びの一つですね。カケルさんとイチャイチャ出来ますから」

 取り敢えず直径七十二ハーンを整地して、一ハーン《収納》して凹みを作ったら、浴室用に地下十六ハーン、広さは中心から直径五十ハーンで地面を《収納》し、露出した地面を二ハーンくらいの幅でがっちり《集結》して固めた。その中に直径五ハーン程のぶっとい煉瓦の柱を何本も立てて埋め込む。そして天井と地上一階となる床を厚み一ハーンで蓋をするように嵌め込んでくっ付けた。

「内装を頼んでも良いか?」

「お任せ下さい」

返事をしたリュネは俺がガッチガチに固めた床にあっさりと穴を開けて地下に入って行った。力の差が埋まらないぜ。
俺はと言うと一階、食堂の壁に取り掛かる。と言っても厚み×二十二高さ×五十外周ハーンの壁を建てるだけだ。屋根はまだ付けない。更に同じ厚み、同じ高さで外周七十二ハーンの壁を建て、居住スペースの外壁とした。

「カケルさ~ん、此処に階段作りますよ~?」

「カラクレナイも入れるようにするのか~?」

「そのつもりで~す」

「気を付けて宜しく~」

「は~い」

円の端っこ、入った穴とは違う所に穴を開けたリュネが、顔だけ出して呼び掛ける。あの反対側を入口としよう。リュネの居る穴と、中心の延長に印を付けて、左右十ハーンにも印を付けて入口予定地とした。
リュネの方は大回りの螺旋階段にするみたい。幅十五ハーン、内径三十ハーン程の扇型を切り取って、白磁の階段をニョキニョキ生やしてる。建物をニョキニョキ生やすと言う概念が俺には無い。家はキノコじゃないのだから。リュネのやり方を見学しに行こう。

 地下大浴場とトイレ。螺旋階段から見下ろす光景は正にそんな感じ。壁には、最初から此処は岩場であったかのように白い輝石で囲まれて、鍾乳石や石筍が並んでいる。トイレの個室と思われる丘は段々畑のように水盤が広がっている。風呂とトイレの間仕切りは、淡い乳白色のクリスタル。間接照明なんて置いたらマジファンタジーだなこりゃあ。
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