女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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物足りぬ

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 バフが掛かっているかと思ったが、本当に掛かっていたようで、森を壁で囲う作業が1オコン足らずで終わってしまった。速度を上げるバフでは無いな、時間を縮めるバフかも知れない。

「ネーヴェのおかげでとにかく早く片付いたよ。ありがとう」

「お腹空いた」

「食堂で何か作ってると思うから食べに行こう。その前に、門に魔物が出られなくなる結界を張りたいんだけど、出来るか?」

「うん」

「弱くて良いからな」

門が薄いベールに包まれた気がした。ネーヴェの結界だろう。さてさて飯飯。道の上を飛んで家に帰った。

 玄関入って直ぐ食堂。入口からだと通気が良くて匂って来ないが、何やら焼いてる姿が見える。皆で配膳してるので俺達も手伝いに行こう。夕飯は謎野菜の磨り下ろしが乗ったトカゲの焼肉とマタル粉団子の入った赤いスープに香草を練り込んだソーサー。磨り下ろした野菜は大根より蕪に近い味。辛味が無くて食べ易いが、大根に慣れた俺にはちと物足りぬ。美味いけどね。

「シャリシャリ」

「脂っ気がスーッとしますね」

「消化に良さそうだと思って買ってみたのだがどうだろう?」

  「良いと思うよ?」
「美味しかった。お肉おかわり」「「「俺もー」」」

「そう言えば、このトカゲ、リュネが取ったのか?」

「はい。島に送るのを少し此方に使いました。まだまだありますよ?」

一生に一度見ないトカゲを何匹ストックしているのやら…。龍のおかげでトカゲ被害が無いのかも知れないな。


 食事を終えて、一息着いて、部屋に雑木マットを敷いてって、風呂にお湯を張りに来た。しかしこれだけの広さの浴槽にお湯を張るのはちっちゃい魔石じゃ足りないな。カラクレナイの部屋で寝てるリュネに力を借りよう。

「リュネ、起きてる?」

「ねてますー」

仰向けで大の字になって寝てる。何処行った野生。

「お湯の出る、大きい魔石を作ろうと思ったんだがなぁ。後、排水はどうしたのかなーって」

「排水は蟹の巣の下に捨ててますー」

「蟹の巣の下…」

《感知》で見ると、蟹の巣の更に下に空洞があるな。柱の中に排水管を通して、排気は蟹の巣に繋がってる。温まった空気が排気塔に流れやすくしてるみたいだな。後は火と、水の属性魔石があれば問題無い訳か。
《収納》に入ってるトカゲの魔石を二つ取り出し、普段作るように《集結》させると一抱え程もあった魔石が掌大になった。これに魔力を注いでく。ミズゲルの核とは比較にならない程入るな。

「カケル、何してるの?」

リュネの近くで寝てたネーヴェが魔力に反応した。

「起こしちゃったか、ごめんな。お風呂にお湯を張るのに使う属性魔石を作ってんだ」

「美味しそう」

「食べるか?」

「食べない。カケルとお風呂入りたい」

「いい子だ」「いい子ですねー」

「水魔法は俺にも出来るけど火魔法はリアしか使えないんだ。リュネ、頼む」

「わかりましたー。人の魔法で良いですよねー?」

「人ので頼むよ」

ネーヴェを抱き寄せ寝転がりながら小さな火を飛ばして来たので光る魔石でキャッチすると、光が消えて属性魔石になった事を示した。水の属性魔石は濡れるのでお風呂でやろう。
再び風呂場に着いた俺は、浴槽に光る魔石を置いて水魔法を垂らした。光が消えたので成功してる筈だ。さて何処に設置するか…。
段差の上から流した方が絵にはなるよな。上の方にある水盤に少しづつ穴を掘って、溜まる水の量を増やす。そこに火の属性魔石を置き、更に上に水の属性魔石を置く凹みを作った。
場所はこれで良いので先に浴槽に湯を張る事にした。掛け流しは時間掛かるから先に浴槽だけでもお湯を張っておきたいのだ。

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