女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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おろろろろろろ…

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 浴室の一番下段にある大きな浴槽へ、属性魔石から水を放出させる。一般人レベルの軽い魔力を注ぐとドバドバと水を出し始めた。かなりの量だが浴槽がデカいので俺の水魔法も追加して水を張る。五リット程垂れ流して半分程溜まったので、今度は火の属性魔石を浴槽に沈めて魔力を流す。一般人レベルで流したのに直ぐにジュワジュワ言い出したよ。普通に流したら大爆発だ。危険極まりないな。
湯船に水が張るのを確認したら一旦水の属性魔石を止めて、先程作った場所にセットする。更に魔力を絞って流すが、それでもジョバジョバ大した量だ。火の属性魔石を置く凹みなんて直ぐに一杯になって、下へ下へと流れ始めた。
浴槽に戻り、湯温を確認。端っこの方はまだちと温いか。ジュワジュワしてる属性魔石を浮かせて動かし掻き混ぜるとそれなりに暖かくなった。普通の風呂でも対流させないと下の方水だったりするもんな。
魔力を流して一旦止めるが、触ったら多分火傷するので浮かせたまま移動する。属性魔石を置く水溜まりは小さな滝壺のようだ。滝壺に属性魔石を設置して魔力を流す。ジュワジュワする湯気が滝壺から放たれる水煙に見えるよ。
滝壺から溢れ出した湯温を確認すると結構熱い。長く触れてられない程の温度だが、下に行くまでどれ程下がるか分からないので暫く様子を見ようと思う。

 大部屋で昼寝して暫し。少年隊が船を作ってと強請って来た。無いと行き来するのに泳いで渡らねばならないからな。

「どんな船が良い?」

煉瓦で桟橋を作りながら聞いてみた。

「デカいの!」「速いの!」「すっごいの!」

うん、五人乗りの手漕ぎボートで良いな。雑木の板を二×五ハーンを一枚、長辺二ハーンを高さ一ハーンの位置まで曲げる。一×五ハーンの二枚を左右に、一×二ハーンの一枚を船尾に付けてくっ付けたらはみ出したのを切り取って完成だ。板でオールを作って三人に渡し、乗せてみる。

「浮いた!」

「水が染みたりはしないと思うがちょっと漕いでみてくれ。椅子とか欲しければ足してやる」

「よっしゃぁ行くぜー!」「せーので行くぞ」「はよ!はよ!」

いっせーので漕ぎ出して、くるくる回って遊んでる。楽しそうで何よりである。

「おい前に進めよ!」「力弱めろって!」「うげぇ~」

違ったみたい。余り曲がらないような船にした方が良いな。もう一度作り直しだ。
船底と船尾はそのままで、左右に付ける二枚を二×五ハーンに変えた。左右二枚の板が下に一ハーン分垂れ下がった形になっている。確かキールとか言うんだっけ?

「お前等、今度はこっちに乗ってみろ。曲がりにくくしたぞー」

「戻れなーい!」

仕方無い奴等め。浮かせて寄せて乗り換えさて、今度こそちゃんと漕いでらっしゃい。

「お、いける」「けどすっげー曲がりにきー」「後ろも斜めがいいー」

ガットが冴えてるな。船底を二×七ハーンに伸ばして前後の二ハーンを曲げ、左右も二×七ハーンに伸ばして余るのも気にせずくっ付けた。序に座礁しないように前後のキールを切り取ってやった。

「今度は良さそうだぞ、乗ってみてくれー」

「「はーい」」「おろろろろろろ…」

ガットはリタイアだな。《抵抗》掛けてやるから陸で休んでなさい。

「今度のが曲がる!」「いいと思うよー」

お墨付きが出たので同じのを三挺作り、対岸にも桟橋を作ってやった。

「お、カケルさん船か?」

「無いとお前等移動出来無いからな」

シトンとアズが船を見て遊びに来た。二人にもオールを渡して漕いでもらうと、初めてなのに息ぴったりで進んでいた。

「姐さん達うめぇな!」「勝負しよーぜ!」

「したいけどまた今度な。食料が足りないから帰るんだって」

「家具もまだ足りてないし、お風呂と布団しかないからね」

「わかった!」

友恋の二人は姐さんと呼ばせてるのか。帰るならお風呂の様子を見ておかないとな。


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