女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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高等テクニック

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 ちゅぱちゅぱどぷどぷ。魔力を吸われて目が覚めた!回復回復…。

「カケル、ご飯だって」

ネーヴェがちゅぱってたのか。

「起こしてくれてありがとう」

危うく飯にされる所だったぜ。どろどろの寝具等を《洗浄》して身形を正したらネーヴェを担いで食堂へ向かう。

「ネーヴェ、カケル、こっちなの!」

皆待っててくれたようだ。一言詫びてカラクレナイの隣に座り、皆揃って頂きます。カラクレナイの対面にはリアが居て、スプーンの持ち方を教えてる。

「この持ち方はスプーンを効率良く動かす事が出来るのです」

「なんでなの?これでも食べれるの」

カラクレナイはスプーンを握って持って食べている。子供に見えて中身は赤ちゃんだからそんなもんだろうとは思う。

「こうする為ですよ。カケル様、あ~~ん」

「「「「「「「「ごくり…」」」」」」」」

バランス良くスプーンに乗せられたスープを此方に差し出しあーんしてくる。皆の注目が集まる中、俺は給餌された。小さく切り分けられた具の数々が口の中で広がって、スプーンの中にスープの全てが詰まっていた。自分が巨人になったようにさえ思えてしまった。

「カララもするの!」

周りの手を見ながら何とかスプーンを握り直し、水分たっぷりのスープを差し出すが、勢いに負けて殆ど零れてしまった。

「ぎゅぅ」

「リアのそれは高等テクニックだからな。先ずは自分で食べて慣れて行こうな」

「カケルにあ~んできるようにがんばるの!」

 それからの食事に、握り手で食べる者は居なくなったと言う。彼女等の名誉の為に、どの子が握り手であったのかは伏せておこう。因みに今セカンドハウスに居る少年隊は基本手掴みだ。

カラクレナイは目の前のお手本を見ながら比較的お行事良く食事をしていた。手やら口やらに付いた食べカスはその内消えて行くと以前聞いたが、拭いてやると喜ぶので拭かざるを得なかった。

「カケルは過保護」

何度も聞いたフレーズだ。
口元に付いたソーサーのカスを拭ってやると、ネーヴェは大人しくなった。文句は言わせないぜ!?


 それから五日程掛けて移動の準備をした。今回の道程はセカンドハウスとバルタリンド、そこからメルタル大陸に渡りエディアルタへと向かうのだ。短い旅路にはならないだろう。

「お肉は私に任せて下さいね」

野菜やその他諸々も頼む。旅行中の物資搬入はリュネにお任せした。買い物関係はメイド達に頼む。そんな訳で、今回の同行者はカラクレナイ、リュネ、ミーネの三龍に、リアとサミイの身重ペア、そしてフラーラとノーノのメイド隊。そして俺の総勢八人となった。

 乗り物のメンテナンスも欠かさない。最速のノーズコーンに風の抵抗で音が出る欠陥が見付かったので静音の為の修正を施す。更に人がすっぽり入れる大きさに長さを延長した。ネーヴェのトゥルトゥル加工を参考に、つるつるを目指して磨き上げた。
UFOにも出来るだけつるつるになるよう磨きつつ、推進方向の抵抗抜きを施した。五日間の準備期間の内、四日はこの改修作業だった。

「忘れ物は無い?」

見送りのイゼッタに抱き着かれる。

「輸出用の各種属性魔石。移動中の食料に調理器具。衣類に各種雑貨。全て《収納》してあるよ」

見送りの女達にキスしたら乗り込み確認して出発した。上空に上がってそこからは水平移動。身重が二人居るので飛行テストで出した最高速度は出せない。それなりの、と言うより何時もの速さで飛んで行った。

 セカンドハウスに着いたのは昼前。飯を食うには良いタイミングだ。飛べる人用の入口である天井に乗り付けるとネルトとタウトのブチ姉妹が迎えに出て来た。

「「いらっしゃいませカケル様、皆様」」

「久しぶり。カラクレナイを連れて来たよ」

「久しぶりなの」

「「あらかわい~」」

可愛い女児に目の無い二人がカラクレナイに絡み出し、皆を放ったらかしにし始めたのでとっとと下に降りよう。

「飯にするから手伝ってくれー」

「「「は~~い」」」

折角作った階段を、使わず飛び降りて行く兎達…。いきなりダイブするからびっくりしたぞ。

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