女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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モコモコ

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 ギルドに両替に行こうかと迷ったが、多分ギルド証でも買えるだろうって事で店に入る。ダメならシャリーを置いて両替して来ても良いんだしな。

「いらっしゃいませー」

随分可愛らしい感じのおばちゃんが出て来たな。

「以前ラビアンの三人の服を見繕ってもらったろ?あれは俺の仲間でな。今日はこの子の為に温かい服を見繕ってやって欲しい」

「ああ、あの可愛らしい子等かい。ギルドの娘共にくちゃくちゃにされてたからよぉく覚えてますよー。先ずはこっちに来て温まりなさいな、スカートの下は下着だけかい?」

店の中央に置かれた薪ストーブがなんともノスタルジックな雰囲気を醸し出している。真っ直ぐ伸びた煙突は天井で曲がり外に出てはいるが、売り物に炎の匂いが染み付いたら噎せてしまわないか?

「其方のお嬢さんは、そんな薄着でよく我慢出来ますねぇ」

「うふ、種族特性です」

お嬢さんと言われて嬉しいみたいだ。店主はリュネが無理してない事を悟ると店内を徘徊してシャリーの防寒着を掻き集めていった。
モコモコしたブーツにモコモコした靴下、そしてふわふわのタイツに毛糸のパンツ。更にモコっとしたズボンが下半身装備。上半身はふわふわの長袖シャツに厚手のコート。そしてモコモコした手袋。毛編みのマフラーはふわっと真知子巻きにされた。

「ラビアンの子達から温かい所から来たって聞きましたからねー。女の子ですし、このくらい着込んでも良いでしょうね」

「ギルド証で払えるかい?」

「勿論ですよー」

問題無く払えるようで良かった。ギルド証で支払って、シャリーが着替え終わるのを待つ間に店主と野菜や塩の話をした。やはり値上げが続くのは痛いらしい。煎り豆をお裾分けしてポリポリサクサクしながら温まった。

「お待たせしてしまい申し訳ありません」

「お帰り。可愛らしくなったな」

全体的にモコっとしたシャリーは手足がピッタリ閉じられなくて仁王立ちぬいぐるみみたいだ。お礼を告げて店を後にした。

買い食いはしにくいが、ネーヴェに上げる小遣い銭が欲しいのでギルドに寄って行く。やはりギルド証では開かないのでノックして開けてもらった。

「寒いので早く閉めてくださ……ペニスケース…?まさか?」

「とにかく入れてくれ。ドアを閉められん」

「はっ、はい!」

ドアを開けてくれた職員は逃げ出して階段を駆け上がって行った。そして…。

「カケルくーん!」

ジョンである。

「ジョ~ンくぅ~ん」

「久しぶりだな!其方の二人は奥方か?」

「きゃ、奥方ですって。うふふふふ」

「リュネだ。わかるな?」

「様…、マジかよ…。ネーヴェ様も来てるのか?」

「まあな。こっちのモコモコしたのはシャリーだ」

「どうも、シャリーと申します」「リュネですっ」

リュネはご機嫌なので更地が広くなる事は無いだろう。今の所はな。
事務処理や金の引き出しなんてカウンターでも出来るのだが、問題が起こると更地になるのでジョンの部屋で処理される事となった。

「そんな程度でギルマスの部屋に通されるなんて…」

ソファーに掛けてお茶が出た。シャリーは恐縮しているが、俺一人だと絶対お茶なんて出ないぞ。

「街の外の更地を見たろ?これ以上広げられると狩りが泊まり掛けになっちまうんだ」

「まだ土地使って無いのか」

「商業ギルドが地上げしてんだよ。名目上はアルアの屋敷を作るってんだから文句も言えねぇ。まあ、後一月も経てば畑が使えるようになる筈だがな。で、カケルは何しに?ダンジョン行くか?」

「今日は商売だ。乾燥野菜や塩を売りにな」

「また商業ギルドと揉めそうな物を…」

「値上げ、辛いみたいだぞ?今回は先に家政婦組合に話をするし、元商業ギルドの職員も連れて来たから出血も脱糞もしなくて済むかもな」

「お手柔らかにな。俺は食うだけだから何も出来ねぇ」

事務処理と金の引き出しを終えてギルドを出る。次に向かうはヤリ部屋だ。
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