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高っ
しおりを挟む「カケル様が街を拡げてくれたおかげで大きい獲物が増えたみたいよ?」
俺とネーヴェが更地にした土地の奥に大型の獣が集まると言う。日当たりが良いからかな?
「それなら何よりだよ。そうだ、街では干し野菜って食べてる?」
「そりゃあもちろん。今食べてるスープの具も干し野菜よ?」
「干し野菜、作って見たんだが、売れると思う?」
「うーん、お母さんに聞いてみないと分かんないかなー。ちょっと待っててね、お母ーさーん…」
中座するのは行儀悪いぞ?まあ貴族でもないし従業員だから問題無いか。
「カケル様、お呼びかい?干し野菜を作ったって聞いたけど」
ティータと一緒に女将さんがやって来た。干し野菜の事を説明すると、あればある程欲しいと言う。宿屋は食料切れさせる訳には行かないし、暖かくなるまで値上げし続けるのだと。塩についても聞いてみたが、此方も干し野菜同様値上げされ続けると言う。
袋に二ナリちょっと詰めてパンパンになった干し野菜と、一ナリ袋の焼き塩を提供すると、中身を確認しに厨房へと戻って行った。
「カケル様、今更ですが幾らで売るつもりなのですか?」
「そこなー。確か塩は一ナリ二千とかだよな?」
「場所にもよりますが、エディアルタでは千八百から、バルタリンドでは二千からと言う感じですね」
「海水塩作って無いみたいだしな」
「鍋五つで五百ナリは取れるからなあ。四十人で割って日給一万ヤンでも儲けが出るな。二回は取れるし」
「払い過ぎです!日給が金貨なんて悪い事してないと手に入りませんよ。しかも半日ですよね?二千五百です」
「ははは、国が塩を独占する気持ちが分かるよ」
地球では一キロ二百円そこら、高くても五百円ちょいだったけどな。
「それなら塩の値段は四百でも儲けが出るな」
「…安過ぎて地元の業者から苦情が出ますよ…千八百。この辺りが限界ですね」
「それでも安過ぎさね。こっちの値段は今一ナリ二千八百だよ」
「「高っ」」
ハモった。女将さんが戻って来て値段交渉に付き合ってくれた。洗い物の任を賜り、目から光が消えたティータは厨房へ…。
塩も野菜もとても良いと言う事で、塩、野菜共に一ナリ二千ヤンで買いたいとの評価を受けた。何方も値上げ前の値段だそうだ。
「そうだ、これ食ってみてくれ」
袋に入った煎り種を出すと、ここでも種食は馴染みが無いのか眉が曲がる。
「種だね?」
「食えるように加工してあるんだ。腹持ちが良くてそのままでもスープの具にしても食えるんだ」
「種は実にして食べるモンですよ…。ん、サクサクしてるねぇ」
サクサクサクサクサクサク…
腹減ってたのか、止まらなくなってしまった。
「マルサヤノクサは一ナリ五百ヤンです。加工の手間を考えて、此方も二千は頂きたいですね」
「一ナリなんてあっという間に食べちまいそうだよ…。喉が乾かなきゃ危なかったねぇ」
「ずっと家畜の餌にされてたとは思えないだろ?」
「塩と干し野菜にこの焼いた種を二ナリ、買わせてもらうよ!」
「お試しだからもらってくれ。その代わり、家政婦組合に推して欲しいんだ。食料品店に卸すからさ」
「なる程ねぇ、もらった分は働かせてもらうよ。それと、これ」
鍵だ。誰も住まないと壊れてしまうので、偶にで良いので使ってくれってさ。
女将さんは仕事に戻り、解放されたティータはネーヴェを連れてテッチー姉妹の所に遊びに出て行った。俺達も出よう。
「そそそそそとばざぶいでででですすす」
雑木紙で再び梱包されたシャリーを担いで服屋に向かう。少年隊の服を揃えた店を聞いていた筈なんだが、何処だったか…。
ん?《威圧》か?
軽い衝撃が股間を揺らす。これは暗部の何方かだろう。
「カケルさん」
「大丈夫。知り合いだよ」
《威圧》の先を見てみると、路地の間に服屋らしい看板の店があった。どうやら教えてくれたみたいだ。
「あそこの店が良いってさ」
暗部の何方かは既に居なくなってしまったが、雪に足跡が残ってて、鉄貨が一枚置いてあった。ここの金、模様が違ってるんだった…。
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