女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
666 / 1,519

舌っ足らず

しおりを挟む


 玄関前に座り込み、大きめのお椀にミズゲルの核を流し入れ、手で掻き混ぜながら《洗浄》したり《集結》したりしていると、集荷を終えたシャリーだろうか、バスがこっちに向かって来た。

「何時もありがとうな」

「本当は奥様に付いていたいのですが、体を鈍らせるのも良くないですからね」

「お産が近くなったらこっちは休んで良いからな。後、七日に二日は休んでも構わないぞ?」

「そんなに休んだら供給が足りなくなりますよ」

「地元業者も居るんだ、その程度じゃ無くなりゃしないさ。休みは必ず取る事」

「わ…、分かりました。街で調整してから休む事にしますね」

渋々と言った様子でシャリーは行商に向かって行った。シルケ人は勤勉か何か知らんが、仕事は定時で毎日出勤…みたいなのが刷り込まれているようで、休むのも仕事だと言わないと休んでくれない。家も農家だったし理解は出来るけどな。

 暫くするとリームも帰って来て、魔力を込めた砂粒に、パパッと火の付与を施してくれた。リームの魔法は人のレベルの最高峰を少し超えている。なので付与の調節がとても上手だ。お礼とご褒美を兼ねて脱力する迄撫でてやった。

「主しゃまは、われをなめくじにれもしゅるつもりか…」

なめくじ居るのか。ぬめぬめなめなめしたい所だが今日はここ迄。腹も減ったしチューして島に戻った。

「カケル様、おはようございます」「おはようございまーす」「お、おはようございますっ」

朝食にテッチー姉妹と借りて来た猫状態のティータが来てた。樵に遊びに行った二人の話を聞いて、女将さんが勉強して来いってさ。

「もうシャリーは仕事行っちゃっただろ」

「あ、明日から頑張ります!」

「ティータちゃん、食べたら寝具店の見学だよ?」

「ご飯食べたら頑張ります!」

まあなんだ、頑張れ。

 食後、出掛ける見学女子三人とお友達のネーヴェ、実家に帰らせてもらいますのサミイと赤ちゃん見たいイゼッタとリア、お付のメイド二人。大所帯でバルタリンドへ向かって行く。

「ああ、ネーヴェ。済まないが寒い国の部屋に付与を掛けて欲しいんだが」

「ん、やっとく」

「旦那様よ、私も出掛けて来る」

ミーネはリームを連れてウラシュ島に行くようだ。俺?ジョンの街に行きたいが絶賛カラクレナイからべろべろ中。

「…いってらったい」

舌っ足らずで可愛く聞こえるが、歯と歯の隙間に俺の右上腕が挟まっているのだ。今首を振られたらブチッと行くぞ…。

 女達が各々の仕事や予定で出払って、やっとカラクレナイから解放された。女児とリュネが魔法の練習するのに付き合うのだとさ。

「只今戻りました。カケル様、奥様は何処に行きましたか?」

「ママ上殿の赤ちゃん見に行ったよ」

「成程。それでサミイ様やリア様もいらっしゃらなかったのですね」

行商に出ていたシャリーが帰って来たので今度は俺がジョンの街に向かう。ダンジョンで拾った魔石は要らないから売ってしまいたいんだ。

 街に出て挨拶行脚の寄り道したらギルドの三階へ飛んで窓をノックする。

「開けて~」

「下から来いよ。もう鍵掛かってねーぞ?」

「そうなのか」

「鍵掛けてんのは雪の時期だけだからな。まあ良いや、入れよ」

ギルマス部屋で仕事する振りをしていたジョンに窓を開けさせソファーに座り、テーブルの上にジャラジャラと魔石を山にした。

「あ?売りに来たのか。お前にしちゃ常識的な量だな」

「目的が違うから大して狩らなかったんだ」

「目的?魔装か?」

「否、モンスターの雌とセックスしてた」

「お前、常識ねーな…」

「一応同意の上だからな?」

「ダンジョンのモンスターは理性無くして人に襲い掛かる…ってのがこの世の常識なんだがな」

「会話は出来無かったが意思の疎通は取れてたぞ?」

「新発見だなそりゃあ。常識が覆るぜ」

サブマスが来て魔石を鑑定する間、アラクネやハーピー、ミノタウロスの雌の話や魔力を注ぐ程対応が良くなるホテルオナホの話をしてやったら女のサブマス顔真っ赤にしてたよ。

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...