女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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報いは必ず

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 葬儀には兵士と一部の男衆が集まった。亡くなった兵士は何れも独身で親も無く、女と言えば俺の横に立つリュネと、形だけ女の子のゴーレムちゃんのみである。属性魔石増し増しの鉄箱は充分に機能して、兵士や強制労働者達を真っ白な炭酸カルシウムに変え、兵士達の手で石の壺に納められて行く。

「これが、ギネウにジャースか…」

「こんなになっちまうと、強制労働者と一緒だな」

兵士達の呟きに、俺は返す。

「奴隷も貴族も獣人も関係無い。皆人なんだよ」

「仇、取りてえな…」

「軍艦と騎龍が居るけど、やってみるか?」

「……」

出来る訳が無い。

「まともな船が無いから移動で頓挫するな。まあ、キネイアッセンの…、敵に指示を出していた王は《洗脳》して略奪を辞めさせる命令を出してある。少し時間をくれ」

「何だそれ、賠償金でも踏んだくるつもりか?」「金なんて貰っても使えねえよ」

「否、単純に俺が少し忙しいだけだ。手が空き次第あの国の貴族を殺して家財一切略奪して来てやるよ」

「カケル殿、そんな事をしては真面な街に入れなくなるぞ」

「そんな事言ったら戦争してた奴全員街に入れないだろ?」

ボーデンフェルトの忠告は有難く聞く。聞くが従うとは限らないがな。

 属性魔石増し増しの鉄箱であっても火葬が終わるのには時間が掛かる。朝食の後から始めて昼飯を挟んで夕方になり、十五人の納骨を終えた。兵士とボーデンフェルトが残りの火葬をすると言うので俺とリュネは一度島に戻る事にした。

「モヤモヤしますね」

「ああ。だが皆殺しにも出来んしな」

龍の巣に着いて、リュネが愚痴を零す。

「おかえりなさいませ、カケル様、リュネ様。もうすぐ夕飯ですので食堂へどうぞ」

出迎えたテイカは何かを察して、それだけ言うと下に降りて行った。

「報いは必ず…な?」

「はいっ。ご飯に行きましょう」

食堂へ向かうとバジャイがネーヴェに捕まってた。ベルベットのスベスベが気に入ったようだ。

「カケル、おかえり」

「カケルさま…」

「バジャイ、敵は居なくなったから安心しろ?」

「うん、よかった」

揃った食事を一杯食べて腹が満たされると、バジャイはその場で寝てしまった。少し静かになった食堂でリームが口を開いた。

「主様よ、我が目が節穴だったばかりに、無駄に命を散らしてしまった。詫びる言葉も無い」

「気にすんな。俺達が居ない時に防衛出来る程度には、あの街の兵士は強くならにゃならん。それが出来なかったのはこっちの兵士が弱かったからと言うだけの事だ」

「愚妹よ、それを言うなら小島の王たる私も同罪だ。私等見てもいなかったのだからな」

「二人共、明日にでも戦没者の墓に手向けの言葉でも掛けてやってくれないか?」

「そうだな」「ああ。それと私は、出来るだけ小島に滞在してやろうと思う。少なくとも昼はあちらで過ごす事にしよう」

「カララは?」

「カララちゃんはもう少ししたらねぇ」

「ぐぇー」

「カラクレナイ、ママは仕事に行くんだ。撫でてやるから良い子で待ってような」

「カケルゥ~ン」

鼻っ面で押し込まれる圧が強い。《強化》重ね掛けで耐えて撫で散らかした。

 朝、早起きしてリームとシャリーの仕事に同行する。鉄箱に使った分の火の属性魔石を作る為だ。

「俺は海で集めてからまた後で合流するよ」

玄関先で二人と別れ、たっぷり揺蕩うミズゲルを狩り捲る。火の属性魔石は沢山使うので今日採れた分は全て火の付与をしてもらうつもりだ。今日は体感三千個、これでも足りないくらいだが、沖まで行って採るのは魚が居たりして危険だ。
それにしても、キネイアッセンの略奪軍は何故港から攻めてこなかったのだろうか。俺達の住む小島は外から外観が丸見えな筈だし、偶に結界を張る程度で何の防御もされてない。
そう考えると今回は運が良かったのだろうな。
陸側だけで無く、海からの防衛も考えなきゃ…。
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