女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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メイド長は心配性

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 アルアをメイド達の待つ家に連れて行くと、メイド達は泣き崩れた。勿論アルアも泣いていた。俺に出す口は無い。リュネと二人、部屋の隅でイチャイチャして落ち着くのを待った。

「この御恩、末代まで語り継ぎましょう」

「尾鰭が付きそうだから止めてくれ」

深々と頭を下げるメイド長を制し、何とか踏み留まってもらう。とっとと帰って身軽になりたい。しかし回復はしたが移動手段のゾーイ車がアレでは移動もままならん。俺達や平民ならこの家を飛ばして街に…と出来るが、アルアの場合は街の端に着いたら先触れ出して凱旋しなければならない。税金で生活してるのだから貰ってる分は働かなきゃならんって訳だ。

「カケル様、お風呂いただきましたー」

湯上り女児が湯気出しながらトテトテして来る可愛い。俺に抱き着こうとしてリュネのたわわに挟まれた。気持ちは分かるぞ。

「カケルさぁん、私もこんな子が欲しいです~」

「やめっ…らめれぇ」

暫く後、ぐったりと寝てしまったアルアはメイドに連れられベッドイン。

「…ふぅ、一先ずは落ち着きました。改めてお礼を」

メイド長が再び頭を垂れる。

「まだだな。敵を排除してやっと一件落着だろ?」

「…そうですね。しかしそれでは先が長いかと」

「ハークにはブルランさんが居るのにアルアには用心棒が居ないのは何故だ?女で強い奴、居ない事は無いだろうに」

「騎龍相手では荷が勝ち過ぎでございます」

「カケルさん、いざとなったら女は弱いのですよ?」

「母は強し、とか言わない?」

「強さにも程度がありますので…」

「早く母にして下さいねっ」

「カッ、ケル様っ。只今戻りました!はぁっ、はぁ…」

息咳斬らせて帰って来たのは貴様だ。アルアの街に知らせを入れて、新たなゾーイ車等を手配して貰っていたのだ。回復してやろう。

「お疲れ様。問題無かったか?」

「万事抜かり無く。護衛の監視にお前が着きますので裏切りの心配も無いかと」

「もう動けるんだな。それは良かった」

「カケル様は、何故暗部の方と繋がって居られるのです?もしや…諜報部…」

メイド長は心配性だな。

「唯の冒険者だよ。二人とは共通の趣味で知り合っただけさ」

「御意。趣味に興じております」

「趣味が高じて?」

「わ、弁えておりますっ」

リュネが怖くなる前に寝てしまおう。部屋の隅でリュネのおっぱいを枕にして寝た。風呂の部屋は作ったが、それ以外は何も無いワンフロアなのでイチャイチャ出来ん。アルアも居るしな。

 息が詰まって目覚めると、メイドが食事の支度をしていた。リュネが持って来た肉の焼ける匂いで腹が鳴る。

「おはようございます。もう暫くお待ち下さいね」

起き上がるにもリュネがガッチリホールドしてるので動けないのだが。再びたわわに顔を埋めていると、今度は背中をホールドされた。

「カケル様は赤ちゃんみたいですね」

「…ばぶ」

音も無く忍び寄っていたのはアルア。お前も飛べるようになったのか…。適性は水だったよな?この天才め。

「お嬢様、殿方を起こして差し上げるのも良い女の努めにございますよ?」

「カケルさぁん、おっきしましょうね~」「あ、ずるいです!」

良い女だぜ…。
メイド長に唆されて起きたら朝食を摂って迎えが来るのを待つ。朝一で駆けて来ると言うので、何も無ければ着くのは昼前程になるらしい。

「何も無ければ、か」

「何もさせませんよ」

「頼もしいな。助かるよ、リュネ」

「カケルさぁ~ん」

リュネの助力が奮われる事無く、昼前にゾーイ車三台と護衛の騎士十人が到着。何故か俺だけ誰何され、アルアが壁になり権力パワーで説き伏せた。…何かこんなシチュエーション、前にもあった気がする。
また襲われても馬鹿馬鹿しいのでゾーイ車に乗せてもらい、六オコン掛けてアルアのセカンドハウスがある街に向かう。一度行ったけど名前聞いてなかったわ。
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