女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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球と、棒

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 寝てる間の食事は流動食を口移ししたとか、オムツと清拭の練習をしたとか、飯が出来る迄の時間に恥ずかしくて穴に入りたい気持ちになった。もしかして、三日とか寝てた時も…まさか?

「おしっこが大変だった」

「足を持ち上げましたら、アソコがお顔に…」

「それでブシャーって」

もうやめて!俺の人の尊厳はゼロよ!?セルフ顔面聖水の話は秘密にしていて欲しかった。食事を持って来てくれたアルネスとフラノノにも詫びを入れ、感謝の言葉と共に焼肉に齧り付いた。
ベッドに腰掛け、テーブルに供された飯を食いながら気付いてしまった。

「ちんぽ、萎えてる」

島に置きっぱなしの、股間の所が袋状になってる恥ずかしいズボンを履かせられているのだが、久しぶりに見る萎えチンは新鮮でいて不安になる。

「十日前からその状態でした」

と、テイカは言う。

「リュネ様が申されますに、体調が戻ればそれと共に…との事でした」

と、リア。確かに、勃起状態をデフォにしてもらってるから、その内天を衝くようになるのだろう。もしインポになったらアレを飲むしか無い。

 時間的には昼食を食べて、鈍った体を動かす為に庭に出る。が、ダメ。スタミナ何処行った?回復しながら庭をぐるぐると走り回り、《収納》されてたバットを振り、雑木の球を投げる。誰かノックか返球して欲しい。

昔を思い出しながら、久しぶりのトレーニングをこなして大体一オコン。もう少ししていたかったが、タオルを持ったフラーラが、皆が心配してると迎えに来たので居間へと戻る。

「棍棒と投擲がお好きなのですね」

皆上から見てたようだな。

「旦那さまが冒険者に見えました!」

冒険者なんだぜ?

「球と、棒…」

あいはばわんばっとつーぼーるず。

「早く此方の棒も振るえると良いですね」「ママ!」

「あ、そう言えば。名前付けたげなきゃ」

「カケル、遅い。先に付けちゃった」

「おう……」

皆、俺の苦悩を知らず、先に名前を付けてしまったそうだ。十日も寝たきりになってりゃ仕方無いか…。

「カケル、ジョー二アス」

イゼッタの子はおでこに☆が付いてる宇宙人みたいな名前だ。名前の通り男の子で、金髪がクルクルしてて可愛い。

「私はカーミンって付けました!」

サミイの子は赤っぽそうな名前となった。カケルのカに、サミイのミ。ンは何処から?ダワンのンか?茶色い直毛の女の子だ。

「私は、アーティエルと致しました」

リアの子は名前のルール的に女の子だな。此方も金髪だが色が濃くてゴージャスだ。ツインドリルにしたいと思うのは親馬鹿だからでは無い筈だ。

「あの、私は、シンクレイアと、させて頂きました」

カロの子は貴族の誰かの名前じゃ無いそうだ。幸せを願う名前だな。焦げ茶の髪がフサフサしてる。猫っ毛って奴か。触り心地がバジャイに近い女の子だ。

そしてママ上殿の子のメッツ君にタマリーの子のガンダー君。メッツ君は父似の茶髪で顔は母に似てくれと願うばかりである。ガンダー君はメッツ君の次に先輩なので丸々としてて、髪は濃い赤茶色。ご飯とオムツの時以外はあまり泣かないみたいだ。

「皆、良い名をもらったようだな。俺はカケルだ。よろしくな」

二人ずつ指をニギニギしてもらったら、風呂で汗を流して夕飯まで赤ちゃん達とお昼寝した。

…で、大合唱で起こされる。これは大変だな。母親となった女達がわらわらと集まって来て、抱っこしたりオムツチェックしてる。

「《洗浄》してやろうか?」

「カケルのは冷たいからダメ」

ダメだってさ。オムツを脱がし、清拭したら換気して、その間に汚れたオムツ類を《洗浄》したよ。これは喜ばれた。

「カケル様は良いパパでちゅね~」

メッツ君のパパは良いパパでは無いのか?聞くと、男はあまり子育てに参加しないんだって。慣れない事するより金を稼ぐ方が子供の為になるのだとか。一昔前の日本みたいな感じだな。これには共感出来無かった。
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