女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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食レポ

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 それから更に四日経ち、俺のアイツも反り立った。バットを振ると、一緒になって振られてる。

「カケル、おやつ~」

イゼッタが庭に降りて来た。おやつを作ったから一緒に食べよう。では無く、おやつが食べたいから何か作って。と言う意味だ。卵もミルクも手に入れ辛いシルケでは、おやつと言えば果物だ。俺はスキルを使って色々作れるので最近ハマりつつある。卵だけは仕方が無いが、ミルクの代わりに豆乳が使えるのが大きい。

 《洗浄》して厨房に向かい、シャリーが持って来た豆乳と黒糖。カロ邸にあるマタル粉と油。そして俺が海を渡って採って来た酸っぱい丸い実を使う。あの、糖の実と間違えて食べたプルンプルンの奴だ。ノノペディアに拠ると、この丸いのはサンの実と言うらしい。
豆乳とマタル粉と黒糖を混ぜて、《拡散》しながら油を敷いた浅い鍋で焼くと、ふわふわしたホットケーキみたいな物になる。そこに、豆乳と黒糖を全力で撹拌し、トロッとしたらサンの実の汁を入れてよく混ぜる。すると酸味のあるホイップが出来上がるので、魔力を流して冷ましたホットケーキにぶち撒け撫で付け完成、甘酸っぱいケーキとなった。《収納》を駆使してキレイに切って、メイドと一緒に居間へと持って行く。

「待ってた!」

「旦那さま、今日のはなんておやつですか?」

「冷やしたホットケーキに甘酸っぱいホイップを乗せたのだ」

「けーき?ほいっぽ?」

「ホイップ、な。泡立てたクリームだよ」

「聞き慣れない言葉ですが楽しみでなりません。ノーノ、お茶を皆さんに」

  「はい、奥方様」
お茶が供されおやつの時間。肝心のケーキの味は、レモンケーキ的な味で、ケーキを食べなれてない俺からは良い食レポが思い付かなかった。それでも女達からはかなり好評で、甘いだけの黒糖味のスイーツとは一線を画す物であるようだった。

「濃厚なクリームが強い酸味を包み込み、口の中で甘くてふわふわとしたケーキ?と共に溶けて行きます。そしてお茶を頂くと、サンの実の爽やかな香りが鼻を抜け、口の中をスッキリとさせてくれます。マタルで作るお菓子はサクサクした物が殆どでしたのでとても新鮮な感覚でした。とても美味しゅう御座いました」

リアは食レポ上手いな。ちょっと鼻息荒いのは、清々しさを堪能しているのだろう。

「海綿みたい。んまい」

貴族のお尻拭きに例えているが、スポンジは海綿の事なので正解だ。

「味も食感も、食べたことありません!旦那さまはすごいです!」

サミイはキラキラしてる。たくさんあるからいっぱいお食べ。

「所でだ、島には何時戻ろうか?」

「カケルさまぁ~…」

カロが雨に濡れた捨て犬のような顔をする。

「カロも育児休暇使うんだろ?長居はさせられないが連れてってやるよ」

「クァ~クェリュ~しゃまぁ~~~ん」

とてもギャップ萌えする笑顔だ。早くキリッとした美人に戻って欲しい。俺はキリッとしたカロも好きなんだ。

「カケル様、お子様の移動となりますと、何か乗り物が要りますね」

テイカはベビーカーが欲しいようだ。四人乗りの動くベビーベッドを作るべきだろうな。

「なら俺はそれを作ったりするので、皆は移動の支度をしてくれ。買い置きしてある食料はあっちで使ってもらうから、悪くなる物は全部持って行こう」

「畏まりました」「承りました」「了解しました」

  「消耗品等、此方から持って行く品物はありますか?」
「買い出しか。それもしときたい所だな」

テイカが同行すると言う。おやつを終えたらそれぞれの仕事に向かった。

 俺は客室の片付けから。浄化の魔石のおかげで塵一つ無い客室に敷かれたマットを全て回収し、《収納》してあった家財を配置して行く。前のレイアウトは忘れちゃったけどこんな物だろう。浄化の魔石は一つだけ置いておこう。それを二部屋やっつけて、次は移動出来るベビーベッドだ。
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