女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
753 / 1,519

お久しぶりです

しおりを挟む


 文化的な姿になったバジャイが乗り込んで、UFOを空に上げる。

「先ずはエディアルタに向かおうか」

「ん」

指示を出し、速度を上げて飛んで行く。さて、エディアルタの上空に着くまで暇になったぞ。

「イゼッタよ、ウルルゲン王国のナントカって街はナーバーグから見てどの辺りにあるんだ」

「タイメワノール。家からホルスト車で四十日くらい」

「遠いな」

「貴族の挨拶しながらだから、長い」

集落毎に一泊し、貴族の館だともう少し長くなったりするそうだ。ホルストの休息や車の修理、物資の調達等も兼ねているらしい。
シャリーの淹れたお茶とおやつの干し肉を齧りながらゴロゴロして、エディアルタの上空に着いた。そのままだと降りられないので少し離れてUFOを《収納》し、荷車に乗って街道の上に降りた。少し浮かせて街へと向かおう。

「バジャイが無いのは分かってるけど、お前と貴様は身分証あるか?」

「ありますが、新規に作るのが良ろしいかと」

「ノースバーから来たと言ったら不審がられますから」

「確かにな。海を渡るにしたって途中で事務処理くらいするだろうしなぁ」

取り敢えず入街料を払って街に入ったら、冒険者ギルドでギルド証を作る事にしよう。売り物もあるしな。


 門前でバジャイと暗部の金を払い、荷車を仕舞って直ぐ側のギルドに入る。女を五人も連れてると視線が刺さるが、先ずは受付けだ。

「いらっしゃいませ。初めての…え?シャリーさん?」

「あ、どうも。お久しぶりです」

どうやら古株の受付嬢に当たったらしい。ギルドは違えどシャリーの事を知っていた。丁度良いので此処の交渉はシャリーに任せてしまおう。俺達の事務処理と、バジャイと暗部のギルド証作り。そしてギルマスにアポを取ってもらう。水や光の棒を持って来たと伝えると、直ぐに対応してくれた。

「イゼッタ嬢か、久しぶりだな。そっちのは商業ギルドに居た女だな。他の四人は連れか?」

「シャリーです。今はイゼッタ様の専属メイドをさせて頂いております。此方はバジャイさんに…」

「サンクレットです」「ソロンです」

それは偽名か?それとも本名なのか?お前はサンクレットと名乗り、貴様はソロンと名乗った。まあお前や貴様と名乗るよりは良いか。

「俺はスキルでマッチョになったカケルだ」

「カケル…カケル!?お前カケルだったのか!」

胡麻塩角刈り髭マッチョこと、ギルマスはがなり声で驚いていた。

「今回もたっぷり作って来たからな。此処と彼処に行き渡らせてくれ」

「冒険者からの催促がひっきりなしでな!余った分は其奴等に流すからな!?」

「数は持って来たけど、行き渡らんと思うがなぁ」

「だろうよ。先ずは高ランクからだ。雑魚に持たせると奪い合いになりかねんからな」

ギルマスが職員を集め、皆で倉庫に向かい、荷を下ろす。島でコツコツ内職してもらい、持って来たのは水の棒一万、光の棒一万、火の鉄板千となる。検品に時間が掛かるので金はギルド証に振り込んでもらう事となった。

「光と水が各一万に、火の鉄板が千枚だ。庶民に売り渋るなよ?」

「分かっとるわい。ああ、そうだ。旧ナーバーグだがな。街の名が変わったぞ」

「新たな領主でも居座ったかな?」

「否、商業都市として認められた。各ギルドと家政婦組合が持ち回りで代表を務めるようになった。貴族が絡まん代わりに税は高いそうだ。その分光熱費と水には困らんがな。それと、イゼッタ嬢」

「ん?」

「ナンシー達旧ナーバーグの者は元の街…、で良いのか分からんがムルシエレルに戻ったぞ」

「それが、新しい街?」

「そうだ」

商業都市ムルシエレル。今はまだ、下地作りの段階の為唯の中継地点であると言う。軌道に乗ったらこの街を流通の中心にしたいそうだ。
軌道に乗ったら奪いに来る貴族が絶対現れると思う。

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...