女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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お土産に丁度良い

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 商業都市とは聞こえが良いが、要はくれてやる貴族が居らず王直轄地になっただけの事。悪さしなけりゃ好きにやれ。その代わり税は踏んだくるって事だろうよ。

「さて、此処の用事も終わったしタイワメノールに行くか」

「カケル、タイメワノール」

タイメワノール、タイメワノール…。千葉滋賀佐賀みたいな短い名前の街は無いのか?

「何だ、王都まで行商か?」

「ちょっとケンカしにな」

「そりゃあ穏やかじゃねぇな。イゼッタ嬢の事は終わったんだろ?」

「ん。私じゃない」

「悪りぃこた言わねぇ。程々にな」

「大丈夫、女を泣かせる野郎をぶちのめすだけだ」

「俺んトコには迷惑掛けねぇでくれよな。な?」


 金を引き出しギルドを出たら、再び街の外へ出る。荷車に乗って森へと進み、空に上がった。

「タイ…メワノールに直行するぞ」

「いよいよ私達の仕事ですね」

「調べ方は任せる。上手い指示出せないしな」

「「御意」」

「ぎょい~?」

借りて来た猫状態だったバジャイを撫で回し、UFOに乗り換えて一路タイメワノールへ。

「帰りに寄りたい所とか、あるか?それと暗部にはこれを渡しておこう」

イゼッタは特に無いと言うが、幼馴染とかに会わなくて良いのかと聞くと会えるなら…って感じで頷いた。
シャリーは王都で買い物したいそうだ。おいそれと旅行が出来無いシルケでは、話に聞く王都は憧れの都なのだと言う。
バジャイはお腹空いたって。干し肉お食べ。
で、暗部の二人にはさっき引き出した金を渡す。ノースバー大陸とはデザインが違うからな。硬貨を持ってまじまじ見てるよ。外国のコインってお土産に丁度良いよな。

「私達も先ずは買い物ですね」「土地の服を着て紛れ込みます」

「成程な。俺のこの服だと派手過ぎるかな?」

「見る人が見ればとんでもない物であるとバレますね」

「バジャイさんの服もですが、冒険者であるならギリギリ何とか」

「俺も冒険者なんだがなぁ…」

「カケル、私も装備欲しい」

「今回は戦わんぞ?キレイなおべべにしなされ」

「ダンジョン行きたい」

「だいぶ鈍ってるよな。それならエージャを連れてった所にしよう。本当は勇者の件が終わってからにしたかったが…」

「なるほど。なら今回は良い。服だけ買う」

産後太りの解消…とか考えてるのかな?ミーネに鍛えてもらえば十日せずにガリガリになるぞ?


 腹時計が昼を指し、干し肉と少しの甘味しか持って来なかった俺達は、お湯とそれ等で飢えを凌いでタイメワノールの近く迄やって来た。流石に王都の上空に留まるのは見付かりそうだからな。
街道に降りて静かに進む。偶然なのか、何時もの事かは分からんが、ブフリムの群れに囲まれてしまった。《感知》で数えて五十匹を超えている。他にもちょっと大きい奴が十匹程と、人よりデカいのが三匹。結構居るなぁ。

「毛の無いケブですね」

「カケル様、殺りますか?」

「そうだな。イゼッタは荷車の運転、シャリーはイゼッタを守れ。バジャイは入って来る奴だけ相手しろ」

「わかった」「お守りします」「うー…」

荷車の運転をイゼッタと代わり、後部の開口部に寄って来るブフリムをざっと十匹程《収納》してスペースを確保すると、俺と暗部が外に出る。暗部の二人は出入口の左右に陣取り、ナイフでチャクチャク斬って行く。この程度の有象無象でどうにかなってたら暗部なんてやってられんわな。
俺は荷車の上でふわりと浮いて、前と左右を相手する。少年隊につまんねーと言われるだろうが雑魚なんて脳味噌《散開》して終わりだ。暗部が殺った奴と一緒に全て《収納》する。
ちょっと大きいのは多少動きが良かったが、座標は自動追尾なので関係無し。力なく倒れてその場から消えるだけだ。

「カケル様の戦い、初めて見ました」

「敵にならないで下さい。敵になるなら寝返りますので教えてください」

「戦って無いけどな」

こんなの唯の虐殺だ。殲滅速度のあまりの速さにデカいの三匹狼狽えてるよ。そっと脳味噌粉にする。

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