女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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頑張り次第

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 怒っているでも嫌がっているでも無く、モジモジと俯くキキラを部屋に入れる。

「オレだって妾なんだぞ?嫁なんてダメだ」

「ん…。とにかくもらってもらえって」

女の操はもらってしまったし、頂けるものはもらっておこう。しかし脳筋テンプレが過ぎるぞ。

「キキラは、俺の事が好きか?」

「え、まぁ、今迄男をそんな目で見て来なかったからさ…。初めてなんだよ。こんなにドキドキすんの」

「うわぁ、恋しちゃってるよ。お前さん、連れてくのかい?」

「妻には出来ん。三人居るし、妾には龍も居る。それでも良ければ妾に加えてやるよ」

「うん…、頑張る」

「お前さん、それならお土産は気張らないとだね」

小言を言われないくらいの土産を用意せねばならん訳か。

「お土産?ワタシも何か持ってく?」

「キキラは気にしなくて良い。俺が皆への土産を気張らねば解決しないからな」

「キキラも考えな。あンたの頑張り次第でこの人が小言を食らう時間が短くなるんだからね」

小言を食らうのは確定のようだ。

「土産ねぇ…。地元の特産なんて石ころくらいしか思い付か無ぇよぅ」

「分かる。けどなんか無かったかなー、んー…」

地もピー程、地元の名物を知らない。地元あるある。

「輸出用とか金持ち用で食った事無い食い物とか無いか?酒は美味かったが強過ぎてダメだけど」

「アレもオレ達ゃ滅多に飲めない良い酒なんだけどね」

「赤ちゃん居るから、酒はちょっとな」

「あ、ワーリン。アレならどう?」

「あれ?」

「ワームの糸」

「ああ~。数が採れたら良いけど、あれ献上品だよ?買えんの?」

「坑内に居る天然のなら採ってもへーきへーき」

「ワームの糸とは何ぞや?」

二人の話に割って入る。ワームとは、芋虫の状態で一生を過ごす虫だそうで、大きいモノは全長二ハーンを超えると言う。暖かい季節には外に出て木の葉を食い溜めし、ママ様が来る頃になると地中に繭を作り越冬する習性を持つようだ。時折坑道内で越冬する事があり、坑内を糸だらけにして居るそうだ。とは言え糸はキレイに採れば金になるし、人を襲わないと言う事で放置されていると言う。
二人はその、坑内に放置されている繭殻を拾って土産にしようと言う目論見だそうな。

「少し調べてみるか…」

《感知》で地下を見て回る。地下四階迄人が住んでるのな。で、その下袋小路になってる所に確かに楕円のでかいのがあるな。十個近く集まってる場所もある。あ、宝箱発見。

「ワーリン、坑内に宝箱があるんだが」

「それミミッキュ」

「ミミッキュ?ミミック?」「「ミミッキュ」」

ミミッキュだそうだ。ダンジョンでも無いのに現れるからバレバレの魔物で、中に何か入ってるけど不用意に近寄らなければ襲われる事も無く、やはり放置されているそうな。

『ミミッキュを叩いて鉄を得る』

無駄な労力は使うな、と言う格言まであるようだ。

「場所は分かった。夕飯迄一狩りして来るかな」

「オレも行く~」

「明日ならワタシも行けるよ?親父が強引に辞めさせやがったし」

悪い親父だな。夕飯迄は軽く見て回り、明日は三人で潜る事で決まった。


 で、地下五階。《感知》が無ければ二度と地上は拝めないだろう。そのくらい入り組んでた居住区を抜けて坑道に入ると、真っ暗で生温い。光の棒を浮かせて照らし、近い所から採りに行く。
真っ暗な中から人が出て来るのである意味ドキドキだ。顔が真っ黒で目だけギョロギョロ光ってんだもん。
袋小路に近付くと、俄に糸が見えて来る。白くてキラキラ。集めたら絹になるのかな?ワームスレッド、ワームクロスって言うんだって。

「お前さん、アレだよ」

「デカいな」

既に住民は引き払っているのか、穴が空いて少し凹んだ繭殻は、長さは一ハーン半から二ハーン程もあり、これだけで服一着出来そうな量だ。それが三つ、岩壁に張り巡らされた糸で宙吊りになっていた。繭殻をキレイに剥がし取り、中に入ってる黒いポロポロを捨てて《収納》した。
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