女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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 ゆらゆらされてうとうとなメッツくん可愛い。刺激して起こしたら可哀想なのでそっと見守る。

「皆は?」

心做しか声量も落とし気味になってしまうのも仕方の無い事だろう。

「サミイとカララちゃんは上で遊んでますね。メイドのお二人は荷物を置きに行くそうで、一度島に戻られましたよ」

「なら俺も一度戻るかな」

「あら、連れない事」

この人妻め。親父殿居るのに色目使いよる。メッツくんも抱っこしてんだぞ?

「また遊びに来て下さいね、歓迎するので」

「うふ、そうしますね」

夢の世界に飛び立ったメッツくんを抱え、ママ上殿が部屋に戻るのを後ろから付いて行く。ママ上殿のお尻、柔らかいなり。

「カケル様、私にもお零れください」

ママ上殿の代わりにドアを開けるとエージャが待ち構えていた。来ないと思ったら待ち伏せしてたのか。

「メッツくんをベッドへ」

「はい」

「良いのよ、私が連れて行くわ」

「あ、ありがとうございます、大奥様」

ママ上殿はスタスタ一人で寝室に向かおうとするので、俺とエージャはワタワタしながら補助をして、無事メッツくんをベッドに安置した。
で、サミイの部屋に来た。

「カケルー見てー」

カラクレナイの頭や体にに色んなアクセサリーがくっ付いてる。サミイのコレクションかな?

「可愛いカラクレナイがもっと可愛くなっちゃったな。それはサミイのか?」

「そなの」

「ちっちゃい頃から買ってもらったり頂いたりした物なんです。材料集めて作ったりしたのもありますよ?」

「へー…え?」

「どうしました?」

「これだな?サミイの作ったの」

首元を彩るには少し色味の少ないネックレスが気になった。

「そうですが…どうせわたしのは酷い出来ですよーだ」

「否、出来は悪くないと思うぞ?それより、これ…」

サミイの作品を一目で見抜いたのは造りの出来云々では無い。価値が段違いなのだ。

「この石ですか?これはパパ達と行商に行った先の川で拾ったんです。半透明でキレイですよね!」

「これ、石じゃない。龍の鱗だ」

歪にギザった凹みに革紐を括り付けたソレは、半透明で厚みもあり、にわか知識程度では水晶と見間違うかも知れない。しかし魔石でも無い限り、石が魔力を滲ませる事は無いのだ。

「それ鱗だったんですか!?」

「うろこ?カララのこんなに厚くない」

「カラクレナイはまだ小さいからな。多分大人の龍の鱗だろう。川の流れで砕かれたり削られたりしてこんなに小さくなったのだろうな」

「へー、良い物だったんですね!いくらくらいで売れるかな…?」

「商売っ気出してる所悪いが多分ギルドだと二束三文だと思うぞ?鑑定師に出しても反応出来るかどうか…」

「Fランクの持ち込みだと買い叩かれたりするんですか?」

「そうじゃ無くてな?鑑定出来無いと思うんだ」

俺の《鑑定》ですら詳細が出ないのだ。多分だが、龍の《鑑定》でないと詳細は分からないと思う。鑑定水晶の能力が如何程かは分からんが、俺の予想は間違ってはいない筈だ。

「大事に取っときなされ。加工出来る職人が居るなら作り直してもらっても良いかもな」

「サミイ、返すの。大事にするの」

「ご利益分かんないのに大事にと言われても…」

「転売されるより良いだろ?」

「まあ、確かにですねー」

カラクレナイがアクセサリーを外してく。そしてサミイのお宝袋に仕舞われた。

「ねえサミイ。カララのうろこ、いる?」

「使い用が無いよう。それに、カララちゃんが一緒に居てくれるだけでわたし嬉しいもん」

「サミイはいい子なの」

「良い子だ」

「良い子ですね」

「良い子だぞ」

  「本当に」
「やめてよもー!」

フラノノが島から戻り、話に乗っかって来た。

「ノーノよ、龍の鱗ってどんくらいの価値があるか分かるか?」

  「龍ですよね?我が国にもありませんので確実に国宝級かと」
「だそうだぞサミイ」

それを聞いて、大事に大事に保管される事となった。木箱作ってあげたよ。
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