女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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長い物に巻かれた

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 仕入れ等で家を空けるのは仕方の無い事なので待たざるを得ないが、それならそれで代理を立てて契約すれば良いと思う。

「売りたくないのかな?」

「見積もりを取らせた時点でそれはありませんよ」

「ですね。島を買おうとした時は売らないの一点張りでしたものね」

「次に、土地の面積に関しましては此方の地図をご覧下さい。それと、崖に関してですが…」

土地の広さを確認して、予想通りの広さであると確認出来た。裏の崖に関しては、街を隔てる壁でもあるので触らないで欲しいと言われた。だが放置すれば崖崩れの危険があるのも事実。崖の補強を此方でする提案を出すと、それならば問題無いとの回答を得た。だが、あくまで街の持ち物であると言うので売る訳には行かないそうだ。

「建屋の背面の壁を崖にするのは問題無いか?」

「大きく削り取るような工法で無ければ問題ありませんが、お勧めは出来ません」

バレないように掘ればイケるって事だな。だがシャリーは渋い顔してる。やらない方が良いって事か。

 聞きたい事は聞けたので礼を述べて商業ギルドを後にする。今回も女達がお見送りしてくれた。甘いの物の力だな。

「カケル様、それでは私はこれで」

「偶には島に来いよ?エッチ専用の部屋も作ったからな」

ギルドに帰ろうとするカロを少しだけ引き止めた。

「それは、何れ必ず」

別れを告げるとお尻フリフリ、ギルドに入って行った。良い尻だ。

「良いお尻だとか、思ってます?」

「よく分かったな」

「視線が丸分かりでしたから。カケル様はこの後どうなさいますか?」

「島に戻って設計図の描き直しだな。シャリーは?」

「特に此方での用はありませんので、ご一緒しますよ」

カロ邸迄は遠いので、寝具店経由で帰ろうか。


「カケル様、いらっしゃいませカケル様。シャリー様もようこそ」

 裏口をノックすると、何時ものようにエージャが飛び掛って来る。

「修理中ですか?」

「穴開けちゃってな」

「ならば私の陣羽織を着てください。そんな物カケル様に似つかわしくありません」

「十日もしないで出来上がるし、このままで良いよ。それにアレは、お前の命を守る物だ。お前の体を長く楽しみたいんだから、つまらん事で防御を落とすな」

「今直ぐお楽しみください」

「夜になったら一人で島に来い。リュネには断っておく」

「必ずや…」

「エージャ、お客様を何時まで立たせているの?」

ママ上殿に叱られちゃったエージャを押して、中に入る。

「カケル、終わった?」

「確認は終わったよ」

女達は寄って集って、お茶の支度をしていたようだ。フラーラが居ないのはメッツ君の様子見かな?

「カケル様もシャリーちゃんもお茶にしましょう?」

「え、それではお言葉に甘えて」

シャリーは長い物に巻かれた。とは言え断るような事で無し、俺もご相伴に預かろう。

「カケル様、メリクヒャー邸のお向いを買われるそうね」

 客間に揃ってお茶の時間、ママ上殿が話を振って来る。

「お風呂と休憩スペースのある施設を作ろうかと」

「素敵な計画ね。出来上がったら私も行かせて欲しいわ」

「お友達連れてどうぞ。まあ、まだ買えても無いのだけど」

「彼処の主人は長い事あの土地に執着していましたからねぇ」

「お知り合いで?」

「旦那さんとはそうでも。けど奥さんとは仲良くさせてもらっているわ」

ママ上殿のリークに拠ると、あの土地を入手してから、王都と此処を行き来する事が増えたのだとか。王都はメルタールの更に東。品物の買付けには遠過ぎると言う。行商ならば売り買いしながら移動するのでそれでも良いが、店舗持ちがそれをやると店の品が無くなる。旦那が王都に出掛けると、代理の者を買付けに行かせねばならず、無駄が出るのだと愚痴を零していたそうな。

「奥さんの所に直接出向いて売ってもらうか」

「貴方様、主人に代わって勝手に手放す等、あり得ますでしょうか?」

「家ならしますねー」

真の主人はママ上殿だからな。
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