982 / 1,519
長い物に巻かれた
しおりを挟む仕入れ等で家を空けるのは仕方の無い事なので待たざるを得ないが、それならそれで代理を立てて契約すれば良いと思う。
「売りたくないのかな?」
「見積もりを取らせた時点でそれはありませんよ」
「ですね。島を買おうとした時は売らないの一点張りでしたものね」
「次に、土地の面積に関しましては此方の地図をご覧下さい。それと、崖に関してですが…」
土地の広さを確認して、予想通りの広さであると確認出来た。裏の崖に関しては、街を隔てる壁でもあるので触らないで欲しいと言われた。だが放置すれば崖崩れの危険があるのも事実。崖の補強を此方でする提案を出すと、それならば問題無いとの回答を得た。だが、あくまで街の持ち物であると言うので売る訳には行かないそうだ。
「建屋の背面の壁を崖にするのは問題無いか?」
「大きく削り取るような工法で無ければ問題ありませんが、お勧めは出来ません」
バレないように掘ればイケるって事だな。だがシャリーは渋い顔してる。やらない方が良いって事か。
聞きたい事は聞けたので礼を述べて商業ギルドを後にする。今回も女達がお見送りしてくれた。甘いの物の力だな。
「カケル様、それでは私はこれで」
「偶には島に来いよ?エッチ専用の部屋も作ったからな」
ギルドに帰ろうとするカロを少しだけ引き止めた。
「それは、何れ必ず」
別れを告げるとお尻フリフリ、ギルドに入って行った。良い尻だ。
「良いお尻だとか、思ってます?」
「よく分かったな」
「視線が丸分かりでしたから。カケル様はこの後どうなさいますか?」
「島に戻って設計図の描き直しだな。シャリーは?」
「特に此方での用はありませんので、ご一緒しますよ」
カロ邸迄は遠いので、寝具店経由で帰ろうか。
「カケル様、いらっしゃいませカケル様。シャリー様もようこそ」
裏口をノックすると、何時ものようにエージャが飛び掛って来る。
「修理中ですか?」
「穴開けちゃってな」
「ならば私の陣羽織を着てください。そんな物カケル様に似つかわしくありません」
「十日もしないで出来上がるし、このままで良いよ。それにアレは、お前の命を守る物だ。お前の体を長く楽しみたいんだから、つまらん事で防御を落とすな」
「今直ぐお楽しみください」
「夜になったら一人で島に来い。リュネには断っておく」
「必ずや…」
「エージャ、お客様を何時まで立たせているの?」
ママ上殿に叱られちゃったエージャを押して、中に入る。
「カケル、終わった?」
「確認は終わったよ」
女達は寄って集って、お茶の支度をしていたようだ。フラーラが居ないのはメッツ君の様子見かな?
「カケル様もシャリーちゃんもお茶にしましょう?」
「え、それではお言葉に甘えて」
シャリーは長い物に巻かれた。とは言え断るような事で無し、俺もご相伴に預かろう。
「カケル様、メリクヒャー邸のお向いを買われるそうね」
客間に揃ってお茶の時間、ママ上殿が話を振って来る。
「お風呂と休憩スペースのある施設を作ろうかと」
「素敵な計画ね。出来上がったら私も行かせて欲しいわ」
「お友達連れてどうぞ。まあ、まだ買えても無いのだけど」
「彼処の主人は長い事あの土地に執着していましたからねぇ」
「お知り合いで?」
「旦那さんとはそうでも。けど奥さんとは仲良くさせてもらっているわ」
ママ上殿のリークに拠ると、あの土地を入手してから、王都と此処を行き来する事が増えたのだとか。王都はメルタールの更に東。品物の買付けには遠過ぎると言う。行商ならば売り買いしながら移動するのでそれでも良いが、店舗持ちがそれをやると店の品が無くなる。旦那が王都に出掛けると、代理の者を買付けに行かせねばならず、無駄が出るのだと愚痴を零していたそうな。
「奥さんの所に直接出向いて売ってもらうか」
「貴方様、主人に代わって勝手に手放す等、あり得ますでしょうか?」
「家ならしますねー」
真の主人はママ上殿だからな。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる