981 / 1,519
魔性の食い物
しおりを挟む夕飯を終えて食休みのお茶を飲みがてら、線だけの設計図を見てもらう。
「崖に、めり込む…」
「どうせ使って無いだろうし、ダメかな?」
「土地の範囲であるなら問題無いかと思いますが、でなければ使用の許可は取るべきでしょうね」
「成程な」
シャリーの言葉も尤もだ。明日にでも土地の確認と催促に行くかな。
「旦那さま?一階、こんなに広くして何をするんですか?」
「線を引いてないだけで、厨房やら食堂にしようかと思ってるんだ」
「でしたら、厨房から二階へ行くのが良いですね。宿屋の人はそんな感じですよ?」
確かに。ティータの宿はそんな感じだったな。
「ならば厨房と広間の入口は分けた方が良いかと」
「それに、客と我々のトイレも別にすべきだろう」
メイドの使うスペースは、客と同じにしない方が良いと言う。
「ふむ…。明日、確認したら改めて描き直そう。また意見を頼むよ」
妻三人に、シャリーとフラノノが同行すると言う。シャリー以外は別行動だろうけどな。風呂入ってエッチして寝た。
翌日、お土産の甘い物を持って俺とシャリーは直通で、妻とメイド達は寝具店への転移門を潜りバルタリンドへ向かう。しかしまだ連絡は来て無いとアルネスは言う。
「遅くは無いと思いますが、一度催促するのがいいでしょうね」
「時間が経って売り渋りたくなってるのかも知れないですね」
「ごねれば値上げ出来るとか思ってるのかな」
「どうでしょうね」
アルネスと別れ街に出る。向かうは商業ギルドだが、カロも連れてく方が良いとのシャリーからの進言を受けて冒険者ギルドに寄る。
「シンクレイア~、ガンダ~、おーはよー」
「あ、ぱぱぁー」「あだー」
愛娘がパパと呼び、色んなトコから視線が刺さる。何故だろう、嫉妬の感情が沸き起こっているのだが?シャリーに手続きしてもらってカロを呼ぶと、間を置かずカロが降りて来た。
「カケル様、シャリーさん。お二人が来たと言う事は、あの件ですね」
「一度催促しとこうかなって」
「分かりました。私も同行しましょう。シンク、行ってきますね」
「いえらー」
仲間を増やした俺達は、一路商業ギルドを目指す。
で、着いた。近くは無いが遠くも無いしな。
「カ、カケル様っ、いらっしゃいませ。カロ様もシャリーさんもようこそ。先ずは部屋を用意しますので暫くお待ちくださいませ」
ギルドに入るとプリニアが飛んで来て、挨拶を済ませると部屋を取りに走って行った。
「何だか慌てていましたね」
「交渉、上手く行ってないのかな?」
「予算の見積もりも終えてますし、後は支払いと受け取りだけでしょうに…」
ホントにな。プリニアが帰って来て会議室っぽい部屋に誘われ、席に着くとお茶が出た。
「これ、差し入れだ。甘い物だから仲間内で食べてくれ」
「え!これ、甘い種じゃあありませんかっ。それに箱入りでこんなに沢山、ありがとうございますっ!」
「甘納豆って言うんだよ」
「あまなっとー、アマナットーですね!大事に頂かせて頂きます」
甘い物に飢えているシルケ女にはコレが効く。カロも、普段食えてるシャリーでさえも、見てしまったら涎を垂らさんばかりになってしまう。コレは魔性の食い物だ。
「しょうが無いな、お前等もお食べ」
おやつ用に取っておいた、雑木紙に包んだヤツを三人に分ける。箱入りのは減らして持って行くと喧嘩になりそうだからな。三人が落ち着く迄、お茶を啜って待つ。
「ふぅ…。大変美味しゅうございました。えっと、本日は土地の件ですよね?」
「あれから数日、音沙汰無くて少し心配だったんだ。それと、土地の場所を詳しく教えてくれ。後、裏の崖について聞きたい事があるんだ」
「はい。先ずは…」
値段交渉について進展が無いのは、持ち主の商家が出払ってしまったと言うのだ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる