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全員犯す
しおりを挟む島に戻って朝食の時間迄寝たら、食事をして朝の部へ。
「海に出る賊共かい?ウチのは出るって聞いてるけど、生きて帰ってるから遭っては無いんだろうねえ」
「帰ってんなら旦那とシなよ」
「へっ、あンなの、一回ヤったら寝ちまいやがったよ」
船舶関連、商船会社に勤めて大陸を行き来する者の奥さんからはこんな感じ。漁民の奥さんからは外洋には出ないので賊とは遭わないみたい。情報の対価をたっぷり流し込み、欲しいモノを欲しいだけくれてやった。
昼飯迄の空いた時間で向かったのはクリューエルシュタルトの冒険者ギルド。何時もの装備で無いので最初は丁寧な対応であったが、ギルド証を見せて嫌な顔をされたので、前後の穴に《威圧》の極太を捩じ込んでジョンにも《威圧》を飛ばした。
「カケルかっ!?」
「此処だ!」
「上がって待ってろ!」
階段から慌ただしく降りて来たジョンは俺を上へと指示すると、自分は奥へと駆けて行く。あっちがトイレか。
ギルマス室で暫く待つと、ジョンが戻って来た。
「何だよ!?ちゃんと仕事してんだぞ!?」
「じゃあ何で俺だと分かると嫌な顔するんだよ」
「周知は徹底してる。それでダメならお前がやれば良い。俺はもう知らんから、腹ン中掻き混ぜるような《威圧》すんのは止めてくれ」
ならあの受付嬢はあのままで良いな。ソファーの対面に座ったジョンに、海に出る賊の話が無いかを聞いてみる。クリューエルシュタルトは海沿いでは無い為全く実害は無いと言うが、ギルドの共有情報としては幾つか注意喚起がされている模様。
「北の方の海は今頃凍ってるだろうし、殆どの港は使えんだろうな。だからこの注意は南側。南東のアフリハンと西のディルクラーンとハンリーテンベルク。後は隣国って事だろうよ。海の賊って海盗の事だろ?俺一度当たった事あっぞ?」
ジョン曰く、まだ全員がAランクに揃って無かった頃、商船の護衛で海に出て遭遇したそうだ。その時は商船側がバリスタなんて積んでいて、敵の帆に火を掛けて足止めした隙を突いて各個撃破したと言う。その時は攫った人は居なかったと言うし、まだ戦争中であったので今回とは関係無さそうだ。
「人攫いする海盗が出んのか」
「キネイアッセンの帝国から足抜けした奴等だ。潰さにゃならん」
「何か掴んだらバルタリンドに送っとく」
「悪いな。それと…」
ネーヴェがダンジョンアタックする旨伝えると、当然のように俺も俺もとなるが、Aランクを連れて行くとジョンの功績を横取りしたような扱いになり周りからの評価が下がる、等と適当に言いくるめ、チケットだけ貰えるよう交渉した。
「だがよう…」
「目的はネーヴェをBランクにするだけだ。トカゲの魔石を卸して貢献度上げるからギルドは旨味しか無いぞ?それとも濠を増やしたいか?」
「今でも肉狩りに時間掛かってんだ。勘弁してくれ。ネーヴェ様ならどんだけ潜っても魔石一個でお釣りが出んだろうに」
「ギルドの女、全員犯すぞ?」
「…分かった。何とかしてやる。お前とネーヴェ様で十日分な。追加金は払えよ?」
交渉成功だ。樵で昼飯食って島を経由し、バルタリンドで午後の部を過ごした。あの女?そのままだが?
午後の部が終わり、夕飯迄の時間はジョンが言ってた街に行ってみる。全部は行けないので南東のアフリカンだ。
「アフリハンへよく来た」「騒ぎは起こすな」
アフリハンだった。ギルドに寄って、笑顔の可愛い受付嬢に話を聞く。アフリハンは近郊の鉱山都市からの輸出で潤う港街で漁業も盛ん。魔物討伐と護衛依頼が冒険者への依頼のメインとなるそうだ。
「護衛となると、海の野盗…海盗だっけ?ああ言うのも出るのか?」
「最近は増えているようですね。商船艦隊は大砲積んでますし、下手な海軍より強いですよ」
「それだと冒険者要らなくね?」
「そこはやっぱり、モンスターは冒険者ですね。剣や魔法は船を破壊するには至りませんが、知らぬ間に上がって来るモンスターには大砲撃てませんし」
餅は餅屋か。
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