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雑魚の餌
しおりを挟む港の見える場所迄降りて行くと、トーピードとトーピードが戦っていた。片方は二足歩行、もう片方はボヨボヨボディで口から煙を吐いている。あれ臭いヤツだ。
「総員!退けえっ!!」
「「「うおおおおおっ!」」」
五月蝿い。二足歩行共が手際良く水際から離れ、此処からは俺の仕事か。《感知》で周囲を確認し、先ずは港周辺を《威圧》の壁で塞ぐ。これで行き来が出来無くなった。後は追い出すだけだ。ボヨボヨ共に《結界》を纏わせ《威圧》の壁の外へと飛ばす。水中に潜んでいても見逃さん。浮き上がり、飛んで行くボヨボヨ共の姿に、二足歩行共は何も言えなくなっていた。
「カケル、お前ぇ、凄ぇ奴だなっ!?」
「まだだよ」
港の中に居たトーピードを追い出して、終わったモノと勘違いするディカッカを止めると浮き上がり、魚雷渦巻く港の外へと飛んで行く。
陸ではボヨボヨのトーピードも海の中ではとても素早い。《威圧》の壁に突進したり、ぐるぐる旋回したりして、未だ怒りが収まらぬと言った様相を見せていた。
気絶しないギリギリを狙って《威圧》すると、みるみる内に海水が濁り、濁りの中から外海へ魚雷が飛んで行く。
「意趣返しに糞されちまったぜ」
「ンなモン雑魚の餌にならぁな。助かったぜ!カケルよぉ!今夜は祝いだ!とっとと仕事ぉ片ぁ付けてっ!店にカチ込むぞおおおっ!!」
「「「うおおおおおおおおおおっ!」」」
五月蝿い。店の名前はサンジョリンの店。二本目通り、一番手前の場所と聞く。後で向かうと約束し、夕方迄ワーリン家で休憩する事にした。ずっと人が居て恥ずかしかったのだ。
「はあ!?ディカッカに?飲みに誘われただとっ!?」
「あンた!静かにおしっ!」
リュネやワーリンも誘おうと思ってさっきの話をしたら、パパリンが急に大声を上げ、ママリンにドヤされた。
「港でちょっと仕事をしたら、ウケが良かったみたいでな。ネーヴェ達を回収したら飯を奢ってもらおうと思う。キキラも連れてくか」
「お前さんともなると人程度じゃ屁でもないもんねー。オレ、ガキの頃ディカッカさん見て泣いちゃったぜ?これキキラには内緒な?んじゃ言って来るねー」
ワーリンがキキラの家へと出て行くと、静かに聞いてたアルアが口を開く。
「私等がご一緒しても大丈夫でしょうか…?」
「変な事したらお腹痛くしてやるから大丈夫だよ」
「私も変な事されたら守って下さいねぇ~」
「させないよ」
厄災から船員共を守護らねば。
そうこうして居る内に台所から良い匂いが漂って来る。ママリンが夕飯の支度を始めたみたい。
「そろそろネーヴェ達を回収するかな」
「私が行きますね~」
言ってる傍から消えた。リュネもやる事無くて退屈してたのかも知れないな。
「アルアは楽しめたかい?」
「はい。鉱山のお店を回って来ました。話には聞いて居りましたが来たのは初めてで、楽しい思い出を沢山作れました」
「何よりだよ」
「ただーまー」「「「ただいまー」」」「戻ったよー」「戻りましたぁ」
座標設定上手いな。六人が家具にめり込む事無く現れる。
「お帰り。やっぱりリュネは凄いな」
「うふ、もっと言って下さぁい」
「お腹、すいた」「「「腹減った」」」「僕も」
「夕飯をご馳走してくれるって奴が居るから皆で集りに行こう」
「いくー」「「「うぇーい」」」「集る?大丈夫なの?」
一部不安を抱える者を含みつつ、十人は指定された店に向かうのであった。
「寒い!」「あはばばばっ」「しぬっしぬるっ」
夜の外は寒かった様だ。動く丸太を量産し、店へと向かう。店の場所は地もピー二人が詳しかったので付いて行く。途中から喧騒と《感知》で見えたので分かったが、敏感女用心棒の居る店だった。
「カチ込みに来たぞー」
「おう!来たかっ!」
「「「うおおおおおおおっ」」」
五月蝿い。迎えに出て来たディカッカに仲間を紹介する。
「確かそっちの二人は傭兵んトコの」
「キキラだ」「ワーリンだ」
地もピーは顔が広い。
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