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第5章「冒険者ギルド試験──嘲笑の中の一筋の光」
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ゴブリンロード討伐から数日後。
蓮はギルドの受付で、ミラに呼び止められた。
「神谷さん、少しよろしいですか?」
「どうしたの?」
「ギルド長がお呼びです」
「バルトが?」
蓮は首を傾げながら、ギルド長室へと向かった。
扉をノックすると、バルトの豪快な声が響いた。
「入れ!」
部屋に入ると、バルトは机に座って書類を見ていた。
「呼んだか?」
「おお、神谷。よく来たな」
バルトは書類を置いた。
「実はな、お前のランクアップ試験を実施することになった」
「ランクアップ試験?」
「ああ。お前、まだEランクだろ?」
「はい」
「だが、お前の実績を見る限り、明らかにEランク以上の力がある」
バルトは蓮の活動記録を指差した。
「ゴブリンロード討伐、ベヒモス討伐、ドラゴンリザード討伐……どれもCランク以上の依頼だ」
「でも、あれはアリシアとリリアがいたから……」
「謙遜するな」
バルトは笑った。
「お前の支援がなければ、あの二人もあそこまで戦えなかった」
「……」
「だから、正式にランクアップ試験を受けてもらう。合格すれば、Cランクだ」
「Cランク……」
蓮は驚いた。
EランクからCランクへの昇格は、通常では考えられない飛び級だ。
「試験は三日後。他の昇格希望者たちと一緒に受けてもらう」
「わかりました」
蓮は頷いた。
その日の午後、蓮はアリシアとリリアに試験のことを話した。
「ランクアップ試験!」
アリシアは嬉しそうに言った。
「それは素晴らしいです!」
「でも、大丈夫かな……」
蓮は不安そうだった。
「何を言ってるの」
リリアは呆れたように言った。
「あなたの実力なら、CランクどころかBランクだって狙えるわよ」
「そうですよ。自信を持ってください」
アリシアも励ました。
「……ありがとう」
蓮は二人の言葉に勇気づけられた。
三日後、ランクアップ試験の日がやってきた。
ギルドの訓練場には、多くの冒険者が集まっていた。
「すごい人数……」
蓮は周囲を見回した。
試験を受けるのは、約20人。
それぞれが、ランクアップを目指す実力者たちだ。
「よく集まってくれた」
バルトが前に立った。
「今日のランクアップ試験は、実戦形式で行う」
「実戦形式?」
「ああ。お前たちには、これから森の奥にある『試練の洞窟』に挑んでもらう」
バルトは説明を続けた。
「洞窟の中には、様々な魔物が生息している。それらを倒しながら、最深部にある『試練の証』を手に入れろ」
「試練の証……」
「それを持ち帰った者だけが、ランクアップできる」
「何人でも合格できるんですか?」
誰かが尋ねた。
「ああ。制限時間は3時間。その間に証を持ち帰れば合格だ」
バルトは腕を組んだ。
「ただし、証は5つしかない。早い者勝ちだ」
「5つ……」
参加者たちがざわめいた。
20人中5人しか合格できない。
「それと、パーティを組むのは自由だ。ソロでもいいし、仲間と協力してもいい」
「わかりました」
参加者たちは頷いた。
「では──出発!」
バルトの号令と共に、試験が始まった。
蓮は一人で森へと向かった。
アリシアとリリアは、試験に参加していない。
この試験は、個人の実力を測るものだからだ。
「一人か……」
蓮は不安を感じた。
支援術師は、基本的に一人では戦えない。
パーティを組むこともできるが、他の参加者は誰も蓮と組もうとしなかった。
「まあ、仕方ないか」
蓮は森の奥へと進んでいった。
しばらく進むと、他の参加者たちの声が聞こえてきた。
「おい、見ろよ。支援術師が一人で来てるぜ」
「マジかよ。自殺行為だろ」
「どうせすぐに諦めて帰るだろ」
嘲笑の声。
蓮は拳を握りしめた。
悔しい。
だが、今は無視するしかない。
「俺は、俺のやり方で証を手に入れる」
蓮は決意を固めた。
洞窟の入り口に到着すると、すでに数人の参加者が中に入っていた。
「よし、行くぞ」
蓮も洞窟に入った。
洞窟の中は薄暗く、湿っていた。
壁には松明が灯され、道を照らしている。
「魔物がいるはず……」
蓮は慎重に進んだ。
すると──
ガサッ!
前方から、スライムが現れた。
「スライムか……」
蓮は後ずさった。
一人では、スライムすら倒せない。
「逃げるしかない」
蓮はスライムを避けて、別の道へと進んだ。
しばらく進むと、広い部屋に出た。
そこには──
他の参加者たちが、魔物と戦っていた。
「やあっ!」
剣士がゴブリンを斬り倒す。
「ファイアボール!」
魔術師が炎を放つ。
「すごい……」
蓮は彼らの戦いを見守った。
みんな、強い。
一人で魔物を倒せる力を持っている。
「俺も……」
蓮は焦りを感じた。
このままでは、証を手に入れられない。
「どうすれば……」
その時、一人の参加者が魔物に囲まれているのが見えた。
「くそっ……!」
若い弓使いの青年が、複数のゴブリンに囲まれている。
「助けないと……!」
蓮は迷わず駆け出した。
「支援強化!」
弓使いの体が光り輝いた。
「え……?」
弓使いは驚いた表情を浮かべた。
「この力……」
彼は弓を引いた。
矢が驚異的な速度でゴブリンを貫く。
「すげえ……!」
弓使いは次々とゴブリンを倒した。
「助かった……ありがとう!」
「いえ」
蓮は笑顔で答えた。
「俺は神谷蓮。支援術師です」
「俺はレオ。弓使いだ」
レオは蓮に手を差し出した。
「よかったら、一緒に行かないか?」
「え、いいんですか?」
「ああ。お前の支援、すごいよ。俺一人じゃここまで戦えなかった」
「ありがとうございます」
蓮は嬉しくなった。
「じゃあ、一緒に証を探しましょう」
「おう!」
二人は協力して、洞窟の奥へと進んでいった。
蓮の支援を受けたレオは、次々と魔物を倒していった。
「お前の支援、本当にやばいな」
レオは感心した。
「普段の俺じゃ、こんなに強くない」
「レオが元々強いんですよ」
「いやいや、お前のおかげだって」
二人は笑い合った。
洞窟の最深部に到着すると、そこには──
大きな祭壇があり、その上に5つの光る結晶が置かれていた。
「あれが試練の証か!」
レオが叫んだ。
だが──
祭壇の前には、巨大な魔物が立ちはだかっていた。
「オーガ……!」
蓮は息を呑んだ。
体長3メートル。
筋骨隆々の体。
巨大な棍棒を持っている。
「どうする?」
レオが尋ねた。
「やるしかありません」
蓮は覚悟を決めた。
「支援強化!」
「バーサーク・ブースト!」
レオの体が赤い光に包まれた。
「この力……!」
レオは驚愕した。
体中に、これまでにない力が漲る。
「行くぞ!」
レオは弓を引いた。
矢が凄まじい速度でオーガに突き刺さる。
「ガアッ!」
オーガは怒りの咆哮を上げた。
「もう一発!」
レオは連続で矢を放った。
オーガの目、喉、心臓──急所を正確に射抜いていく。
「とどめだ!」
最後の一矢が、オーガの額を貫いた。
ドサッ。
オーガが倒れた。
「やった……!」
レオは喜びの声を上げた。
「神谷、お前すげえよ!」
「いえ、レオが凄いんです」
「いやいや、お前の支援がなきゃ無理だった」
二人は祭壇に近づいた。
「証を取ろう」
レオが結晶に手を伸ばした──その時。
洞窟の入り口から、複数の参加者が走ってきた。
「待て!」
「証はまだ残ってるか!?」
参加者たちが殺到する。
「急げ!」
レオと蓮は、それぞれ結晶を手に取った。
他の参加者たちも、残りの3つを奪い合った。
「くそっ、取られた!」
「もう残ってねえ!」
遅れてきた参加者たちは、悔しがった。
「よし、戻ろう」
蓮とレオは、洞窟を出た。
ギルドに戻ると、バルトが待っていた。
「おお、戻ったか」
「試練の証、持ってきました」
蓮は結晶を差し出した。
「よくやった。合格だ」
バルトは満足そうに頷いた。
「神谷蓮、Cランクへの昇格を認める」
「ありがとうございます!」
蓮は喜びで胸がいっぱいになった。
「それと──」
バルトは周囲の冒険者たちを見回した。
「お前ら、見たか? あの支援術師が、ちゃんと証を持ち帰った」
「……」
周囲の冒険者たちは黙り込んだ。
「支援術師だからって、弱いわけじゃない。使い方次第で、誰よりも強くなれる」
バルトは蓮の肩を叩いた。
「これからも頑張れ」
「はい!」
ギルドを出ると、アリシアとリリアが待っていた。
「神谷さん!」
「おめでとう!」
二人は駆け寄ってきた。
「合格しました」
蓮は笑顔で答えた。
「やっぱり! 絶対に合格すると思ってました!」
アリシアは嬉しそうに言った。
「当然ね。あなたなら余裕だったわ」
リリアも微笑んだ。
「二人のおかげです」
「何言ってるの。あなた自身の力よ」
「そうですよ。自信を持ってください」
二人は蓮を励ました。
「ありがとう」
蓮は心から感謝した。
その夜、三人は酒場で祝杯を上げた。
「乾杯!」
ジョッキを掲げる。
「Cランク昇格、おめでとうございます」
アリシアが言った。
「これで、私たちと同じランクですね」
「まだまだだよ。二人には全然及ばない」
「そんなことないわ」
リリアは首を振った。
「あなたの支援があれば、私たちはもっと強くなれる」
「そうです。私たち、最強のパーティになれます」
アリシアも頷いた。
「最強のパーティ……か」
蓮は三人の未来を想像した。
「いつか、本当にそうなれるかもしれないな」
「なれるわよ」
リリアは断言した。
「私たちなら、できる」
「ええ」
アリシアも同意した。
「さあ、飲みましょう!」
三人は笑い合った。
酔いが回ってきた頃、アリシアがぽつりと呟いた。
「神谷さんと出会えて、本当に良かった」
「え?」
「私、ずっと一人で戦ってきました」
アリシアは遠くを見つめた。
「父を失ってから、誰も信じられなくて……」
「アリシア……」
「でも、神谷さんと出会って、変わりました」
アリシアは蓮を見た。
「仲間と一緒に戦うことの素晴らしさを、教えてもらいました」
「俺も、アリシアと出会えて良かったよ」
蓮は笑顔で答えた。
「私も同じよ」
リリアも言った。
「一人で戦うのは、もう飽きてたから」
リリアは少し照れくさそうに目を逸らした。
「あなたたちと一緒なら、どんな困難も乗り越えられる気がするわ」
「リリア……」
三人は静かに微笑み合った。
絆が、また一つ深まった瞬間だった。
翌日、蓮は新しい冒険者カードを受け取った。
【冒険者カード】
名前:神谷蓮
ランク:C(前回E)
職業:支援術師
パーティ:トリニティ
「Cランクか……」
蓮は感慨深げにカードを見つめた。
この世界に来てから、まだ一ヶ月も経っていない。
だが、確実に成長している。
「もっと強くなろう」
蓮は決意を新たにした。
「もっと、仲間を支えられるように」
窓の外には、青い空が広がっていた。
新しい冒険が、また始まろうとしていた。
数日後、ギルドの掲示板に新しい依頼が貼られた。
【緊急依頼】
魔法学院に不審な影が出現
調査と排除を求む
報酬:50シルバー
難易度:B
「魔法学院……」
リリアがその依頼書を見つめた。
「私の学院ね」
「行きましょうか?」
アリシアが尋ねた。
「ええ。何か嫌な予感がするわ」
リリアは眉をひそめた。
「じゃあ、三人で行こう」
蓮が言った。
「ええ」
三人は魔法学院へと向かった。
だが、彼らが知らないうちに──
魔王軍の陰謀が、静かに動き始めていた。
次なる試練が、三人を待ち受けている。
蓮はギルドの受付で、ミラに呼び止められた。
「神谷さん、少しよろしいですか?」
「どうしたの?」
「ギルド長がお呼びです」
「バルトが?」
蓮は首を傾げながら、ギルド長室へと向かった。
扉をノックすると、バルトの豪快な声が響いた。
「入れ!」
部屋に入ると、バルトは机に座って書類を見ていた。
「呼んだか?」
「おお、神谷。よく来たな」
バルトは書類を置いた。
「実はな、お前のランクアップ試験を実施することになった」
「ランクアップ試験?」
「ああ。お前、まだEランクだろ?」
「はい」
「だが、お前の実績を見る限り、明らかにEランク以上の力がある」
バルトは蓮の活動記録を指差した。
「ゴブリンロード討伐、ベヒモス討伐、ドラゴンリザード討伐……どれもCランク以上の依頼だ」
「でも、あれはアリシアとリリアがいたから……」
「謙遜するな」
バルトは笑った。
「お前の支援がなければ、あの二人もあそこまで戦えなかった」
「……」
「だから、正式にランクアップ試験を受けてもらう。合格すれば、Cランクだ」
「Cランク……」
蓮は驚いた。
EランクからCランクへの昇格は、通常では考えられない飛び級だ。
「試験は三日後。他の昇格希望者たちと一緒に受けてもらう」
「わかりました」
蓮は頷いた。
その日の午後、蓮はアリシアとリリアに試験のことを話した。
「ランクアップ試験!」
アリシアは嬉しそうに言った。
「それは素晴らしいです!」
「でも、大丈夫かな……」
蓮は不安そうだった。
「何を言ってるの」
リリアは呆れたように言った。
「あなたの実力なら、CランクどころかBランクだって狙えるわよ」
「そうですよ。自信を持ってください」
アリシアも励ました。
「……ありがとう」
蓮は二人の言葉に勇気づけられた。
三日後、ランクアップ試験の日がやってきた。
ギルドの訓練場には、多くの冒険者が集まっていた。
「すごい人数……」
蓮は周囲を見回した。
試験を受けるのは、約20人。
それぞれが、ランクアップを目指す実力者たちだ。
「よく集まってくれた」
バルトが前に立った。
「今日のランクアップ試験は、実戦形式で行う」
「実戦形式?」
「ああ。お前たちには、これから森の奥にある『試練の洞窟』に挑んでもらう」
バルトは説明を続けた。
「洞窟の中には、様々な魔物が生息している。それらを倒しながら、最深部にある『試練の証』を手に入れろ」
「試練の証……」
「それを持ち帰った者だけが、ランクアップできる」
「何人でも合格できるんですか?」
誰かが尋ねた。
「ああ。制限時間は3時間。その間に証を持ち帰れば合格だ」
バルトは腕を組んだ。
「ただし、証は5つしかない。早い者勝ちだ」
「5つ……」
参加者たちがざわめいた。
20人中5人しか合格できない。
「それと、パーティを組むのは自由だ。ソロでもいいし、仲間と協力してもいい」
「わかりました」
参加者たちは頷いた。
「では──出発!」
バルトの号令と共に、試験が始まった。
蓮は一人で森へと向かった。
アリシアとリリアは、試験に参加していない。
この試験は、個人の実力を測るものだからだ。
「一人か……」
蓮は不安を感じた。
支援術師は、基本的に一人では戦えない。
パーティを組むこともできるが、他の参加者は誰も蓮と組もうとしなかった。
「まあ、仕方ないか」
蓮は森の奥へと進んでいった。
しばらく進むと、他の参加者たちの声が聞こえてきた。
「おい、見ろよ。支援術師が一人で来てるぜ」
「マジかよ。自殺行為だろ」
「どうせすぐに諦めて帰るだろ」
嘲笑の声。
蓮は拳を握りしめた。
悔しい。
だが、今は無視するしかない。
「俺は、俺のやり方で証を手に入れる」
蓮は決意を固めた。
洞窟の入り口に到着すると、すでに数人の参加者が中に入っていた。
「よし、行くぞ」
蓮も洞窟に入った。
洞窟の中は薄暗く、湿っていた。
壁には松明が灯され、道を照らしている。
「魔物がいるはず……」
蓮は慎重に進んだ。
すると──
ガサッ!
前方から、スライムが現れた。
「スライムか……」
蓮は後ずさった。
一人では、スライムすら倒せない。
「逃げるしかない」
蓮はスライムを避けて、別の道へと進んだ。
しばらく進むと、広い部屋に出た。
そこには──
他の参加者たちが、魔物と戦っていた。
「やあっ!」
剣士がゴブリンを斬り倒す。
「ファイアボール!」
魔術師が炎を放つ。
「すごい……」
蓮は彼らの戦いを見守った。
みんな、強い。
一人で魔物を倒せる力を持っている。
「俺も……」
蓮は焦りを感じた。
このままでは、証を手に入れられない。
「どうすれば……」
その時、一人の参加者が魔物に囲まれているのが見えた。
「くそっ……!」
若い弓使いの青年が、複数のゴブリンに囲まれている。
「助けないと……!」
蓮は迷わず駆け出した。
「支援強化!」
弓使いの体が光り輝いた。
「え……?」
弓使いは驚いた表情を浮かべた。
「この力……」
彼は弓を引いた。
矢が驚異的な速度でゴブリンを貫く。
「すげえ……!」
弓使いは次々とゴブリンを倒した。
「助かった……ありがとう!」
「いえ」
蓮は笑顔で答えた。
「俺は神谷蓮。支援術師です」
「俺はレオ。弓使いだ」
レオは蓮に手を差し出した。
「よかったら、一緒に行かないか?」
「え、いいんですか?」
「ああ。お前の支援、すごいよ。俺一人じゃここまで戦えなかった」
「ありがとうございます」
蓮は嬉しくなった。
「じゃあ、一緒に証を探しましょう」
「おう!」
二人は協力して、洞窟の奥へと進んでいった。
蓮の支援を受けたレオは、次々と魔物を倒していった。
「お前の支援、本当にやばいな」
レオは感心した。
「普段の俺じゃ、こんなに強くない」
「レオが元々強いんですよ」
「いやいや、お前のおかげだって」
二人は笑い合った。
洞窟の最深部に到着すると、そこには──
大きな祭壇があり、その上に5つの光る結晶が置かれていた。
「あれが試練の証か!」
レオが叫んだ。
だが──
祭壇の前には、巨大な魔物が立ちはだかっていた。
「オーガ……!」
蓮は息を呑んだ。
体長3メートル。
筋骨隆々の体。
巨大な棍棒を持っている。
「どうする?」
レオが尋ねた。
「やるしかありません」
蓮は覚悟を決めた。
「支援強化!」
「バーサーク・ブースト!」
レオの体が赤い光に包まれた。
「この力……!」
レオは驚愕した。
体中に、これまでにない力が漲る。
「行くぞ!」
レオは弓を引いた。
矢が凄まじい速度でオーガに突き刺さる。
「ガアッ!」
オーガは怒りの咆哮を上げた。
「もう一発!」
レオは連続で矢を放った。
オーガの目、喉、心臓──急所を正確に射抜いていく。
「とどめだ!」
最後の一矢が、オーガの額を貫いた。
ドサッ。
オーガが倒れた。
「やった……!」
レオは喜びの声を上げた。
「神谷、お前すげえよ!」
「いえ、レオが凄いんです」
「いやいや、お前の支援がなきゃ無理だった」
二人は祭壇に近づいた。
「証を取ろう」
レオが結晶に手を伸ばした──その時。
洞窟の入り口から、複数の参加者が走ってきた。
「待て!」
「証はまだ残ってるか!?」
参加者たちが殺到する。
「急げ!」
レオと蓮は、それぞれ結晶を手に取った。
他の参加者たちも、残りの3つを奪い合った。
「くそっ、取られた!」
「もう残ってねえ!」
遅れてきた参加者たちは、悔しがった。
「よし、戻ろう」
蓮とレオは、洞窟を出た。
ギルドに戻ると、バルトが待っていた。
「おお、戻ったか」
「試練の証、持ってきました」
蓮は結晶を差し出した。
「よくやった。合格だ」
バルトは満足そうに頷いた。
「神谷蓮、Cランクへの昇格を認める」
「ありがとうございます!」
蓮は喜びで胸がいっぱいになった。
「それと──」
バルトは周囲の冒険者たちを見回した。
「お前ら、見たか? あの支援術師が、ちゃんと証を持ち帰った」
「……」
周囲の冒険者たちは黙り込んだ。
「支援術師だからって、弱いわけじゃない。使い方次第で、誰よりも強くなれる」
バルトは蓮の肩を叩いた。
「これからも頑張れ」
「はい!」
ギルドを出ると、アリシアとリリアが待っていた。
「神谷さん!」
「おめでとう!」
二人は駆け寄ってきた。
「合格しました」
蓮は笑顔で答えた。
「やっぱり! 絶対に合格すると思ってました!」
アリシアは嬉しそうに言った。
「当然ね。あなたなら余裕だったわ」
リリアも微笑んだ。
「二人のおかげです」
「何言ってるの。あなた自身の力よ」
「そうですよ。自信を持ってください」
二人は蓮を励ました。
「ありがとう」
蓮は心から感謝した。
その夜、三人は酒場で祝杯を上げた。
「乾杯!」
ジョッキを掲げる。
「Cランク昇格、おめでとうございます」
アリシアが言った。
「これで、私たちと同じランクですね」
「まだまだだよ。二人には全然及ばない」
「そんなことないわ」
リリアは首を振った。
「あなたの支援があれば、私たちはもっと強くなれる」
「そうです。私たち、最強のパーティになれます」
アリシアも頷いた。
「最強のパーティ……か」
蓮は三人の未来を想像した。
「いつか、本当にそうなれるかもしれないな」
「なれるわよ」
リリアは断言した。
「私たちなら、できる」
「ええ」
アリシアも同意した。
「さあ、飲みましょう!」
三人は笑い合った。
酔いが回ってきた頃、アリシアがぽつりと呟いた。
「神谷さんと出会えて、本当に良かった」
「え?」
「私、ずっと一人で戦ってきました」
アリシアは遠くを見つめた。
「父を失ってから、誰も信じられなくて……」
「アリシア……」
「でも、神谷さんと出会って、変わりました」
アリシアは蓮を見た。
「仲間と一緒に戦うことの素晴らしさを、教えてもらいました」
「俺も、アリシアと出会えて良かったよ」
蓮は笑顔で答えた。
「私も同じよ」
リリアも言った。
「一人で戦うのは、もう飽きてたから」
リリアは少し照れくさそうに目を逸らした。
「あなたたちと一緒なら、どんな困難も乗り越えられる気がするわ」
「リリア……」
三人は静かに微笑み合った。
絆が、また一つ深まった瞬間だった。
翌日、蓮は新しい冒険者カードを受け取った。
【冒険者カード】
名前:神谷蓮
ランク:C(前回E)
職業:支援術師
パーティ:トリニティ
「Cランクか……」
蓮は感慨深げにカードを見つめた。
この世界に来てから、まだ一ヶ月も経っていない。
だが、確実に成長している。
「もっと強くなろう」
蓮は決意を新たにした。
「もっと、仲間を支えられるように」
窓の外には、青い空が広がっていた。
新しい冒険が、また始まろうとしていた。
数日後、ギルドの掲示板に新しい依頼が貼られた。
【緊急依頼】
魔法学院に不審な影が出現
調査と排除を求む
報酬:50シルバー
難易度:B
「魔法学院……」
リリアがその依頼書を見つめた。
「私の学院ね」
「行きましょうか?」
アリシアが尋ねた。
「ええ。何か嫌な予感がするわ」
リリアは眉をひそめた。
「じゃあ、三人で行こう」
蓮が言った。
「ええ」
三人は魔法学院へと向かった。
だが、彼らが知らないうちに──
魔王軍の陰謀が、静かに動き始めていた。
次なる試練が、三人を待ち受けている。
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そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
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アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
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使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
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10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。
話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。
説明口調から対話形式を増加。
伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など)
別視点内容の追加。
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。
2021/06/27 無事に完結しました。
2021/09/10 後日談の追加を開始
2022/02/18 後日談完結しました。
2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。
最強の異世界やりすぎ旅行記
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主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
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最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
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