婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi

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第7話:アメリアの居ない時間はこれほどまでに辛いものなのか~オスカー視点~

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アメリアと婚約を解消した翌日。ショックで何も手に付かない。自分の愚かさに嘆いても、今更遅いと言う訳だ。

食事も喉を通らず、ただ部屋でボーっと過ごした。今まで頑張ってきた騎士団の稽古も、勉強も今となっては無駄になってしまった。そもそも、アメリアを幸せにしたい一心で頑張って来たのだ。
アメリアを失った今、やる気なんて一気に吹っ飛んでしまった。

1人何もせずに部屋に閉じこもっている僕の元に、騎士団の仲間達が訪ねて来た。

「オスカー、アメリア嬢と婚約を解消したんだってな?騎士団内でも、今日はその話で持ち切りだぞ。それより、どうして今日騎士団の稽古に来なかったんだよ。ミア嬢が待っていたのに」

ミア…今一番聞きたくない名前だ!

「それで、お前はミア嬢と婚約するんだろう?あれだけ学院内でラブラブだったもんな!」

やっぱり、学院内でもあの女と噂になっていたというのは本当だったんだな…

「悪いが、あの女と婚約をするなんて事は、絶対ない!僕が愛しているのは、アメリアただ1人だ!」

「はっ?どういう事だよ!あんなにもミア嬢とラブラブだったのに」

「僕がいつあの女とラブラブだったって言うんだよ。普通に話をしていただけで、僕から触れた事は一度もない」

「それじゃあ、何で婚約解消なんかしたんだよ。アメリア嬢が好きなら、婚約を解消する理由なんて無いだろう?」

「バカ、そんな野暮な事を聞くなよ。きっと他の女にうつつを抜かしていたオスカーに、アメリア嬢が愛想をつかしたんだ。大体分かるだろう」

こいつら、僕の傷口に塩を塗り込みやがって…図星過ぎて、何も言い返せない…

「なるほどな。でも、アメリア嬢が大切なら、何で他の令嬢と仲良くしたんだ?俺にはさっぱりわからないけれど」

「バカ、アメリア嬢に嫉妬して欲しかったに決まっているだろう。お前、本当に鈍いな!だから俺は何度もオスカーに忠告したんだ。アメリア嬢が好きなら、他の令嬢なんかと仲良くするなってな。それなのに、こいつ全く聞かないんだもんな!とにかくオスカー。婚約を解消されたものは仕方がない、お前は物凄くモテるんだ。女はアメリア嬢だけじゃないし、元気出せよ。明日は騎士団の稽古にも来いよ。それじゃあな」

言いたい事だけ言って帰って行く仲間達!

クソ!
何が“女はアメリア嬢だけじゃない”だよ!僕にとっては、アメリア以外の女なんか、そこら辺の石ころと一緒なんだよ!どいつもこいつも好き放題言いやがって!


その日の夜、父上が部屋にやって来た。

「オスカー、お前朝から何も食べていないんだってな。騎士団の稽古も休んだみたいだし」

「だから何だよ!僕はアメリアが全てだったんだ。そのアメリアとの婚約解消が決まったんだ。もう何もやる気がしないよ。僕の事は放っておいてくれ!」

布団を頭まですっぽりかぶった。とにかく、今は何もしたくない!

「は~、それならなぜ他の令嬢と仲良くしたんだよ。そう言えば、早速令嬢の家からお前宛に、婚約の申し込みが来ているぞ。お前が仲良くしていたミア・バッカーサル嬢の家からもな」

「そんなもの、全て捨ててくれ!僕はアメリア以外の女性と結婚するつもりはない!アメリアと結婚できないなら、一生誰とも結婚なんてしない!」

「それなら、とにかくアメリアに認めてもらえる様に頑張るしかないだろう!伯爵もアメリアがお前と再び婚約をしてもいいと言ったら、再度婚約する手続きを行うと言ってくれている。いつまでもクヨクヨしていると、尚更アメリアに嫌われるぞ。とにかく、明日は騎士団の稽古に行け!いいな」

そう言うと、父上は出て行った。確かに父上の言う通り、アメリアにもう一度婚約してもらえる様に、頑張るしかない。もしもう一度婚約者になれた暁には、今度は絶対に離さない!とにかく今まで以上に頑張って、アメリアに認めてもらえるよう努力しよう。

翌日
朝早くから騎士団の稽古場へと向かった。とにかく今は稽古に集中しよう。そう思っているのに、外から猿の様に「キーキー」令嬢共が騒いでいる。

物凄く耳障りだ。大体、どうして稽古が公開されているんだ。練習に集中できないだろ!休憩時間に入ると、ミアが僕の方にやって来た。

「オスカー様、アメリア様と婚約を解消されたそうですね。まあ、元々オスカー様とアメリア様では、あまり釣り合わないと思っておりましたのよ!そうだ、今王都で人気の歌劇のチケットが取れましたの。よろしければ一緒に行きませんか?」

この女、今なんて言った?僕とアメリアが釣り合わないだと?

「悪いが、僕は好きな女性意外と、どこかに出掛ける事はしたくないんだ。それと、僕が心から愛しているのは、アメリアただ1人だ!僕とアメリアが釣り合わないだと?あまりふざけた事を言うのは止めてくれ。もう僕に話しかけないでくれるかい?はっきり言って迷惑だ!」

あの女にはっきり告げた。これだけ言えば、もう僕に絡んで来る事はないだろう。むしゃくしゃした気持ちのまま、再び稽古に参加する。稽古が終わり帰ろうとした時、男共の会話が聞こえて来た。

「なぁ、さっきオスカーがミア嬢に酷い態度をとっていたの見たか?」

「今まで散々仲良くしていたのに、あの態度はさすがに無いよな」

「確かにな。ミア嬢、泣いて帰って行ったぞ!そう言えば、アメリア嬢は今、傷心旅行という名目で、親友のファビアナ嬢の商船で各国を回っているらしいぞ」

「女は意外と切り替えが早いから、今回の旅で完全に吹っ切れるかもな。俺、実はアメリア嬢のことずっと狙っていたんだよな」

「それ本当かよ!実は俺も狙っていたんだよな!オスカーの婚約者だから諦めていたけれど、婚約を解消した今、俺たちにもチャンスがあるって事だよな。噂によると、伯爵は今回の事で、アメリア嬢に婚約者を選ばせるらしいぞ。そうなれば、俺たちにもチャンスはある訳だな」

「でも、アメリア嬢はかなり人気が高いもんな!そう言えば、侯爵令息のダニーも狙っているって言う噂だぞ!あ~、ライバル多すぎだろう」

ふざけるな!どいつもこいつも好き勝手言いやがって!こんな事なら、何が何でも婚約解消を阻止すればよかった…

このままいけば、他の奴にアメリアを取られるかもしれない!そんなの、絶対に嫌だ!とにかく、あいつらがアメリアに近づく前に、アメリアを捕まえないと!

その後も、僕は黙々と稽古を続けた。じっとして居るとどうしてもアメリアの事を考えていしまう。とにかく、体を動かし続けた。

そしてアメリアがこの国を出て、1ヶ月が経った。こんなにアメリアと会えなかった期間なんて、今まで一度もない。アメリアに会いたくてたまらない…後どれくらい待てば、アメリアに会えるのだろう。せめて、一目だけでもアメリアを見たい。

「アメリア」

彼女の名前を呼んでみても、もちろんアメリアは居ない。ここ最近、毎日悪夢を見る。目の前にアメリアが居るのに、僕とアメリアの間には透明な壁があり、いくら叫んでもどんなに壁を叩いても、アメリアは振り向いてくれない。それどころか、見知らぬ男と一緒に、嬉しそうに腕を組んで歩て行くのだ。

「オスカー、最近お前、顔色が明らかに悪いぞ。食事もあまり食べていない様だし」

騎士団内の仲間達も僕の事を心配してくれている。

「大丈夫だよ、大したことはない。それより、早く稽古を始めよう!」

体を動かしている時だけは、アメリアの事を考えなくて済む。そう思い、必死に稽古に参加する日々。

家族からも日に日にやつれていく僕をかなり心配している様だ。先日

「どうしてアメリアちゃんとの婚約を解消させたの?このままではオスカーが死んでしまうわ!」

「仕方がないだろう!今回は明らかにオスカーが悪かったんだから!」

「だからって、息子がどうなってもいいの?あなたそれでも父親なの!」


と、僕の事を心配する母上が父上を攻め立てていた。僕は家族をも心配させているのか…
そう思うと、なんだか少しだけ申し訳ない気持ちになった。

後1ヶ月我慢すれば、アメリアは帰って来る。でも、もし他の男を連れて帰ってきたら…そう思うと、体中から怒りが込み上げて来た。

後1ヶ月、アメリアと会えない時間に、僕は耐えられるのだろうか…
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